加藤洋平のレビュー一覧
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人間成長について書かれた本。様々な発達段階理論を統合的にまとめる試みをしており、キーガンの理論・本などと比べると理解が難しい。
一方で、インテグラル理論の考え方自体には共感する部分も多く、最近自分自身でも感じていた「分化から統合」の考えとも似たものだったので、スッと頭に入ってきた。
内面(美)を成長させるには、文化(善)や社会システム・科学(真)が連関していることを認識し、同時に発達させる必要がある。言い換えると、内面だけの発達を志してもそこには限界があるということ。
また、自分がオレンジorグリーンの段階にいるためか、「全ての発達段階に意味があり、高次の発達段階の人々も、皆最初は低次の発 -
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能力はどのようにして開花していくかを学術的アプローチによって体系化した本。
成長論がここまで言語化されている本は見たことがない。
○簡略まとめ
(1)能力開花はいろんなことをやること、やらせることが最も手っ取り早い
(2)「持論形成能力」をもつと成長が加速化する
イチローは「自分がなぜ打てたのかをすべて自分の言葉で説明することができる」と言っている。
大谷翔平のマンダラートや中村俊輔のサッカーノートなど、一流は絶対に持論を常に持ち、持論を磨きつづけている。
持論を持つひと、持論を形成できる人は、成長がはやい。
◯ダイナミックスキル理論とは
・ダイナミックスキル理論=わたしたちの能力がどのよ -
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なにやら難しいタイトルではありますが、ストーリー仕立てになっており、素人にも理解しやすい一冊に仕上がっていると思います。リーダーシップに悩める人に捧げる一冊、といえる内容だと思います。
本書ではリーダーシップを「在り方」「コアリーダー」といったキーワードで説明していて、どちらかというとビジネススキルとしてのリーダーシップというよりも、(タイトルとおり)一人の人間としての成長過程とそのなかで表出するリーダーシップにフォーカスしています。
主人公の青木さんが上長の課長から係長への昇格を打診され、悩み、葛藤し、またあるときは恐れを抱き、という過程を通して「成長」を描いていて、理論そのものは言葉に -
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"A Theory of Everything"の新訳。
大昔に大学に入って最初に興味をもったのが人類学。そこでは「文化相対主義」というのを習った。そして、レヴィ・ストロースの構造人類学を学び、クリフォード・ギアツの解釈人類学を学んだ。人類学のなかでは、この2人のスタンスは大きく違うものとされたが、「文化は違うだけで、いいとか、わるいとかそういうものではない」という思想においては共通のものであったと思う。
わたしにとって、「文化相対主義」とは、自文化中心主義のエゴにとらわれないこと、他の文化に対して謙虚な気持ちになること、文化の違いのなかから学び続けることを意味していた -
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「なぜ部下とうまくいかないのか」加藤洋平
人間は、知識やスキルを獲得するだけではなく、質的な成長を継続的に実現しうる。
発達理論の世界では、各意識段階は固有の価値を持っている事を尊重する。
人は自分よりも上の意識段階を理解する事ができない。建物のそれぞれの階から見える景色は多様。
人間の意識の発達とは、曖昧さに対する耐久性の増加。
意識が成長することによって、人としての器の容量そのものが拡大していく。それに伴って人は多様な知識や経験をそこに蓄えていけるようになる。
意識段階の違いによって世界の見え方が異なっており、知識や経験の取り入れ方も違えば、各人固有の容器によって加工されたアウ -
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「成人発達理論による能力の成長」加藤洋平
知性発達科学とは、私達が持っている様々な知性や能力が、どのようなメカニズムで成長し、どのようなプロセスを辿りながら成長していくのいかを解明する学問。
私たちが生きていく過程というのは、人格的な成熟と能力の成長を絶えず行うプロセス。
私たちの知性は環境、文化、身体と相互作用するダイナミックな特徴を持つ。多様な要因に影響を受けながらダイナミックに成長していく。
能力の成長プロセスはハシゴや階段状ではなく、網の目のようなもの。停滞や退行を含みながら様々な能力が互いに関係し合いながら非線形に成長していく。
私たちが発揮するスキルは自分が注いできた時 -
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凄く面白かった。
能力を効率的に成長させる為になにが必要なのかを教えてくれる。
一つの能力についての
点➡︎線➡︎面➡︎立体を考える。
点で何が出来て何が出来ないか。
線で何が出来て何が出来ないか。
面で何が出来て何が出来ないか。
立体で何が出来て何が出来ないか。
・自分の現在地(能力レベル)を知ることによって、さらなる成長に必要なステップや方法が見えてくる。
「成長のグラフ」
私たちの能力は、はしご状や階段状に成長するのではなく、停滞や退行を含みながら非線形的に成長して行く。
#成人発達理論
上がったり下がったりしながらを繰り返しながら少しずつ上がっていく感じね。これを知るとモチベー -
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ネタバレ【この本をどう読んだか】
本書は、エゴとコアという軸でリーダーシップと成人発達を描く一冊として、自分の関心(意識の変容、親子関係、トランス体験)と強く共鳴した。本の構成としては物語パートと理論パートが組み合わさっているが、自分にとって価値が高かったのは、「物語で揺れを感じたうえで、章末の解説で発達理論として整理し直す」という往復運動そのものだった。
【物語パートから受け取ったもの】
物語部分は、冗長に感じる箇所もあった一方で、「揺さぶられている最中の人間」がどう考え、どう身動きが取れなくなっていくかを、かなり生々しく見せてくれる。特に、管理職の不在によって主人公が半ば強制的にリーダー