山岡龍一のレビュー一覧

  • 偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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    ネタバレ

    ローティ→肩甲骨のおののき

    以下松岡正剛引用
    リチャード・ローティの両親は戦前の共産党員だった。両親はいっときトロツキー(130夜)の秘書を匿ったことがあった。少年ローティはそういう両親が誇らしかった。その両親の影響らしいのだが、ローティは12歳のころには、「人間としての大事なことは、社会的不正義との闘いに自分をささげることである」という仄かな確信をもつようになった。
     しかし他方では、12歳のローティはニュージャージー北西部の山に自生する野生の蘭の美しさにとても惹かれていた。その途方もなく官能的な美しさには「うしろめたさ」を感じるほどだった。
     では、「トロツキーと野生の蘭」をともに抱くに

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    2025年07月27日
  • 偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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    リチャード・ローティ。
    本書を読み進める前の彼の印象は、近代以降の真理探究哲学を完全否定したアンチ哲学の哲学者、というか、会話をし続けることが哲学であるというスタンスでやりきったアメリカのおっちゃんというイメージでした。

    本書は、三部構成で、タイトルにあるように「偶然性」について、「アイロニー」について、「連帯」についてのパートで書かれていますが、正直なところ第一部「偶然性」から読み進めてサッパリなところも多く、納得したとしても、いざメモを取ろうとして、はて何と書き残せばいいやらとなってしまいました。

    さいわい併読した、『100分de名著「偶然性・アイロニー・連帯」』(朱喜哲さん)のお陰で

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    2025年05月04日
  • 偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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    我々の価値観や人間性の定義などの絶対的であると案じられるものは、歴史の中の「偶然性」によって獲得された相対的なものである。リベラリストは 自らのアイデンティティの基底を為す終極の語彙に関して常に疑いの眼差しを向ける「アイロニスト」であるべきである。我々の「連帯」を為す唯一の根源は「残酷さを減らすこと」であり、その内部には哲学が探究してきた真の価値などはなく、我々の範囲を拡大するために外部に積み上げてゆくものである。哲学の概念自体を大きく転換させる21世紀にも読まれづけてゆくべき名著。

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    2024年11月09日
  • 偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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    前作『哲学と自然の鏡』において普遍性を目指す営みとしての哲学を批判的に解体したローティはその批判を突き詰め、表題にもなっている「偶然性」、「アイロニー」、「連帯」をキーにリベラルユートピアの実践の可能性を探索する。

    リベラルユートピアに必要なことは
    アイロニーによる私的な領域と
    残酷さへの意識という公共的な領域とを並存させることだとローティは説く。

    本書では、私的領域を開発していくアイロニストの例としてプルーストやデリダが、
    残酷さを描き出すことによって連帯に寄与した例としてナボコフやオーウェルが検討されていく。

    わたし個人、特に興味を惹かれたのはアイロニストとしてのプルーストについての

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    2021年06月19日
  • 偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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    なんの因果か、原書は1989年に出版されたもの。
    ある意味で、ソシュール学者の丸山圭三郎やフロイト学者の岸田秀と、モチーフを同じくしているところもある。
    その意味で世界的な同時代性を彼らの思考に見ることもできよう。
    ローティーが突出しているのは、おおむね、丸山や岸田がモティーフの提示を中心にすえたのに対して、そこから広がる世界の可能性を中心的に論じて見せたところにあるように思う。
    スリリングで刺激的な一冊

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    2009年10月04日
  • 偶然性・アイロニー・連帯 リベラル・ユートピアの可能性

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    やべ〜、『資本論』ぶりに全然頭に入ってこないし何言ってるかわかんない←哲学に造詣深くないので最初は苦戦したけど読み通していくうちに言いたいことはなんとなくわかってきた

    第三部に入ってから読みやすくなった…ような気がする。文芸批評的趣きが強いからかな。ナボコフやオーウェル批評としても興味深いのでこの機に『一九八四年』読み返したり『ロリータ』『青白い炎』読みたくなった
    『一九八四年』の拷問についての解説読んでると韓国の小説『生姜』思い出す

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    2024年02月03日