アンドリューロスソーキンのレビュー一覧

  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    ネタバレ

    ウォール街の緊迫を描いたドキュメンタリー小説のような金融ノンフィクション

    『リーマン・ショック・コンフィデンシャル(原題:Too Big to Fail)』は、2008年の世界金融危機、いわゆるリーマン・ショックに至る過程とその最中に繰り広げられた米国金融界と政界の舞台裏を克明に描いた一冊である。著者であるアンドリュー・ロス・ソーキンは、ニューヨーク・タイムズの記者として長年ウォール街を取材してきた経歴を持ち、膨大なインタビューと文書をもとに、この未曾有の金融危機の内幕を驚くほど生々しく描写している。

    この本は上巻・下巻の2冊構成となっており、上巻では危機の兆候が徐々に現れ、ベア・スターン

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    2025年05月30日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    ネタバレ

    ウォール街の緊迫を描いたドキュメンタリー小説のような金融ノンフィクション

    『リーマン・ショック・コンフィデンシャル(原題:Too Big to Fail)』は、2008年の世界金融危機、いわゆるリーマン・ショックに至る過程とその最中に繰り広げられた米国金融界と政界の舞台裏を克明に描いた一冊である。著者であるアンドリュー・ロス・ソーキンは、ニューヨーク・タイムズの記者として長年ウォール街を取材してきた経歴を持ち、膨大なインタビューと文書をもとに、この未曾有の金融危機の内幕を驚くほど生々しく描写している。

    この本は上巻・下巻の2冊構成となっており、上巻では危機の兆候が徐々に現れ、ベア・スターン

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    2025年05月30日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    登場人物が多すぎて何がなんだか…ですが、まぁとにかくファルドを悪役だと思って読めば大丈夫かと。こんな破壊的な影響のある出来事について、これだけの範囲で起きている事象を俯瞰できることはまずないので、自分の知識の範囲や(疑似的なものにせよ)経験値を上げるのにとてもいい本だと思います。普通にエンターテインメントとしても面白いです。著者の取材力と構成力もすごい。

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    2023年03月02日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    原題は”Too Big To Fail”。「私は世界大恐慌の研究者として人生をすごしてきました。歴史から判断しても、いま大胆な行動をとらなければ、ふたたび恐慌が訪れるでしょう。そして今回は以前よりはるかに、はるかに深刻なものになる」(ベン・バーナンキ、下巻、P.279)と言われた2008年9月の数週間のドキュメンタリー。

    内容は関心あればお読み頂くとして、一番重かったのは、責任を負っている人ほど負っていない人に対して我慢しなければならないということだ。「山のようにある悪い選択肢のなかでは、いちばん現実的な解決策」(同、P.370)は政治家、マスコミに袋叩きにされる。事態が解決しなければ被害を

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    2019年01月02日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    利益至上主義による無謀なリスクテイクが裏目に出てしまい、追い詰められていくリーマンブラザーズ。
    リーマンを助ける余力のないウォール街、共倒れの危機。
    救済すべきか、すべきでないかに悩む財務省とFRB。

    それぞれの利害が絡み合い、どんどん混迷が深まっていく。
    金融システムで起きていることを、そしてこれからの先行きを見通せている者は誰もいない。

    リーマンショックの顛末が、ユニークな各CEOたちや財務長官ポールソンなどの葛藤を基に描かれていて、とてもわかりやすかった。
    下巻も楽しみ。

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    2017年08月22日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    リーマン、AIG破綻に至るには多くの利害関係者の欲望、保身、プライド、合理的な判断とそうではないもの等が様々絡み合っていることが良く描かれている。血なまぐさいに人間ドラマの帰結。

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    2016年02月04日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    2008年9月12日午前9時15分、CNBCにテロップが流れた。「関係筋によると、リーマンの問題解決に公的救済はない模様」市場が開くとリーマン株は3.84$に下げる。6月頭に韓国産業銀行(KDB)からの出資受け入れを交渉していた時点ではまだ株価は30$でリーマンCEOのファルドは33%増の40$を主張した。7月21日にバンカメに持ちかけた際には株価は18.32$で少なくとも25$欲しいと主張したがバンカメにとってはただ同然で買えるのでなければ意味がなかった。リーマンの資産にはあまりにも不透明なものが多すぎたのだ。

    9月4日にはポールソン財務長官はファニー・メイとフレディ・マックの救済を決め、

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    2015年02月15日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    2008年9月12日夜ニューヨーク連銀にウォール街の銀行のCEOが集められた。議題はライバル会社であるリーマン・ブラザーズをどうやって救うか。政府の支援はない。5大投資銀行のうち最も弱く、最もリスクの高い(レバレッジの大きい)ベア・スターンズは既に倒れた。ウォール街の企業のレバレレッジは32倍、上手くいってる間はリスクをとればとるほど儲かり、幹部からトレーダーまで高給で他社に移籍されないように繋ぎ止めるのが当たり前だった。サブプライムローンなどの債券はひとまとめにされ、それから切り刻まれ、またまとめられてCDOという債券に仕立て上げられた。理論上はリスクを分散することで低格付けのCDOを組み合

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    2015年02月14日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    「証券かはリスクを減らし、流動性を高めると考えられていたが、現実に発生するのは数多くの機関と投資家が良かれ悪かれ密接に結びつく状況だった。」

    リーマンブラザーズがいかに破滅していくのかについて多くの証言に基づき書かれたノンフィクションもの。
    優秀な者たちによる駆け引きは面白く、私益を追求しすぎた結果として自分の利益すらもぶっ飛ばしてしまう環境を作る恐れがある危険な行為は、ほかの誰かが絶対に守るに違いないという確信がなければ行う事ができない。空売り。しかし、それが見捨てられたしまった場合、リスクテイカーはその最終決定機関を非難する。なんという強欲で私益中心なのか。
    そのような私欲が渦巻く投資機

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    2014年05月18日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    リーマンショック前後のウォール街で何が起こったのか。膨大なインタビューやメール、証言等を集め分析したもの。リチャード・ファルド(リーマンCEO)、ロイド・ブランクファイン(ゴールドマンCEO)、ウォーレン・バフェット、ジェイミー・ダイモン(JPモルガンチェースCEO)、ジョン・マック(モルガンスタンレーCEO)、ジョン・セイン(メリルリンチCEO)、ロバート・ウィラムスタッド(AIG CEO)など金融機関のトップに加え、ポールソン財務長官、バーナンキFRB議長、ガイトナーNY連銀総裁など政府関係者も実名で登場する。それぞれの信念、保身、怒り、疑念、友情、家族愛、裏切り、株主対策などが絡まって、

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    2014年05月06日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    素晴らしい。朝起きても仕事をしてても常に続きが気になった。金融知識がないので結構タフな読書だったが、濃密な体験だった。

    鬼のように複雑で、スパゲティのように絡み合った依存構造の中で、リーマン・ブラザーズの破綻、メリルリンチの売却、AIGの危機…分単位で数百万ドルの金がなくなり、経済崩壊が広がっていく中で不眠不休で終末から救おうと闘った人たちの話。彼らが何を考え、どう行動したか、凄まじい取材力に圧倒。

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    2014年04月03日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    綿密な取材と、掴んで離さない描写。エキサイティングな展開にぐいぐい引き込まれる。入りからやばい。


    そしてダイモンは爆弾を落とした。朝起きてからずっと考えていたこと、彼の世界終末の日のシナリオだった。
    「次の手順でいく」彼は続けた。「ただちにリーマン・ブラザーズの倒産に備えてほしい」間を置いた。「そして、メリルリンチの倒産」また間を置いた。「AIGの倒産」また間。「モルガン・スタンレーの倒産」最後にひときわ長い間を置いて、「そして可能性として、ゴールドマン・サックスの倒産に備える」
    電話の向こうでいっせいに息を呑む音がした。




    あと、経営幹部レベルのすごいとこ。
    ・電話はアシスタントが

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    2014年07月07日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    とにかく登場人物と関係機関が多いので読むのに時間がかかるが、取材の深さと構成の旨さで読ませるだけの力があります。
    窮地の状況でも、CEOに箴言できない役員たちや、支離滅裂な論理展開でも何もアドバイスしない他社プレーヤー等、読んでいて気が滅入ってきます。ポジションを持っている人は影響を及ぼすので休場日に読むのがいいと思います笑

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    2023年11月16日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    Too Big To Fail
    リーマンショックの最中は学生ということで、さわりしか知らなかったけど、勉強になった。三菱の小切手のくだりには痺れた。
    この本に出てくるCEOの中に未だ現役がいるというのもなかなか感慨深い。

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    2022年11月10日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    リーマンショック前後の各主要プレーヤー達のやり取りを大量のインタビューや記事を元に小説化した書籍。リーマンブラザーズを中心に物語が展開され、ある意味結末は分かってるが引き込まれる。
    下巻では遂にクライマックスに突入するので楽しみ!

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    2022年09月06日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    一般人には知り得ない舞台裏が丹念に描かれていておもしろい。あの頃のジェットコースター相場が思い出されます。

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    2022年07月10日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    一般人では死ぬまで知り得ない裏話集みたいでおもしろい。
    登場人物の誰にも同情できないところがまたいい。
    またいつか greed is good の時代が来るのでしょうか。
    後半も楽しみ。

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    2022年07月10日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    リーマン・ブラザース、AIG、モルガン・スタンレー、そしてゴールドマン・サックスと立て続けに押し寄せる危機の波の中で、なんとか時間を稼いで、資金調達や担保を探して...と金融危機の中で必死にもがく様が伝わって来る。上巻は今一つだったが、下巻がスピード感もあって面白い。

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    2018年01月06日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    この本を読むと、リーマンショックは不可避だったのではないかと思う。振り返って見ると、それぞれの打ち手の良し悪しは評価できるのだろうけど、トップノッチの人たちが、頭脳と体力を振り絞っても(から?)、あの結果になったことを考えると、資本主義という仕組み上、起こるべくして起こったとしか言えない気がする。

    P99 バフェットはまたリーマンの財務諸表に取り掛かった。ある数字や事項が気になるたびに、そのページ番号を報告書の最初のページに書きためていった。読み始めて一時間と立たないうちに、報告書の最初のページは何十もの番号で埋まった。これは明らかな危険信号だ。バフェットは一つ単純なルールに従っていた。疑問

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    2017年08月20日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    「よくここ迄詳細に人物の発言や会議内の様子を含めて調べきれたな」というのが素直な感想。
    話は、ベアスタンズ合併後のリーマンが破綻に向かう一部始終、その後市場は更に下がり続け、モルガンスタンレー、ゴールドマン・サックスにまで経営危機が及んでいく。
    まさにリーマン・ショックの裏側。当時の実在のトップ投資銀行のCEOたちや財務省連銀の役員たちが史上最大の金融危機に対し、どのような行動を取っていなのかが詳細に記してあり、読み応えがあった。

    金融危機のさなかのせいか、投資銀行が自社の保有資産価値を全然把握できていないのは何とも間抜けであり、適切な対策を施したとしも、市場は違う反応を示せば結局は危機を脱

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    2016年03月20日