並木千香のレビュー一覧

  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    少年犯罪において、弁護人の役割を担う付添人
    不遇な少年時代を送り、親の支配下での窃盗で14歳で逮捕され少年院へ送られた主人公、朧
    社会復帰の後、弁護士となり付添人として積極的に活動している

    付添人として罪を犯した少年少女達に正面から向き合った短編5編

    少年少女達の罪の背景にある家庭環境に踏み込んで、彼らの将来を見据える
    幼年期の経験は、子供達の気持ちに寄り添える糧であると共に、時折、過去の怨讐に囚われそうになる
    それでも活動を認めてくれる人達、立ち直ろうとする子供達に 自身も救われる
    大変で重要な役割の付添人
    あまり認知されていない仕事に焦点をあて読ませてくれました

    0
    2024年08月22日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    付添人、知りませんでした。読書を通して知らない制度を知る事ができるっていいなぁ。
    いろいろな事情を抱えた子どもたちが付添人オボロと出会い更生していく連鎖短編。
    主人公オボロにとって、付添人は過去の自分をも救うための仕事でした。

    親との関係性は子どもの人生も性格も左右される大きなもの。
    親だからって、無条件に受け容れなくちゃいけないわけじゃない。
    自分自身も親だけど、未熟さ故に傷つけてしまった事もたくさんあるんだと思う。

    0
    2024年08月18日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

     この作品を読むまで、付添人という制度があるということ、全く知りませんでした…。家庭裁判所調査員が登場する作品なら読んだことあるけれど、あっ…あれは元家庭裁判所調査員でした!ひとつ、自分の知識になりました。

     この作品は弁護士であるオボロ(朧太一)が、悩みを抱える少年少女の抱える家庭環境や生活環境など本人や関係者から聴取したり各関係機関と調整することで、少年少女の権利を守っていくもの…と、言えばいいかな…。それだけではなく、オボロが少年時代に受けた心の傷に向き合うこともテーマになっています。

     悩みを抱える少年少女にとって、付添人ほど心強い存在はいないでしょうね…!!オボロが奔走する姿、胸

    0
    2024年08月09日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

     ″付添人″という存在を、今回初めて知った。
    少年犯罪と一括りにする中には、さまざまな理由があり、成人とは対応が違うことはわかっているつもりだった。
    しかし、実際に日々向き合っている人びとを思うことはなく、鑑別所にいる子どもたちについては、このような本の中やTVなどの中でしか知らない。
     フィクションであっても、こんな現実を生きている人たちがいると想像することで、自分の考えの幅が広がると思った。

    0
    2024年06月07日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    未成年には付添人
    弁護人じゃないんだ、知らなかったというのが読み始めての感想

    思った以上に良い本でした

    子どもは、いつも大人に振り回されるんですよね…
    自分ではどうにもならないことが多すぎて
    向き合ってくれる人がいる、それを実感することで救われること、何も子どもだけじゃない
    自分も自身と向き合っていかなきゃ、そう思える本です

    0
    2024年04月26日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    主人公朧・・作中 最後までこの苗字をカタカナ表記・・何故?
    5話の主役は‥事件の少年少女、そして親❓別な言い方をするとコタン弁護士、40歳になって行く朧。

    ネグレクト、少年院あがりの彼が必死でもがいて弁護士になったのは「加害者である少年少女」は味方を変えると「被害者」だが彼らに付き添う人がいかに大事か?
    問い詰めると自分がなる想いを極めた☆

    岩井さんの作品は軽いという人もいるけれど、性的描写、肉欲の世界が余りないのが読み易さにつながる。

    笹木と知り合い、お互いの傷を痛みを感じあう仲になって行く途中の路程が心温まる。

    0
    2025年07月18日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    未成年者につく弁護士を付添人とゆうらしい。
    主人公の弁護士の名前はオボロ先生。手間暇かかって儲からない国選弁護で弱い立場の未成年者を保護することを生き甲斐としているようでその執念は地味に燃えている。彼自身未成年のころ親の言いなりになって悪事に手を染めた経験があるので、何も知らず不当に搾取され、弱い立場の人に対して全力で護ってくれる様子です。
    笹木さんといつの間にかいい仲になってたりと淡々と語られてたりするのですが今ひとつ自分語りが多すぎて馴染めませんでした。

    0
    2024年12月13日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    少年の非行や犯罪、そのバックヤードとなる家庭の問題に付添人の朧が関わり、導いて行く連作。
    朧自身にもつらい過去があり、少年たちと関わりながら本人も葛藤し自分の生きる意味を確かめて行く。
    ありそうでない小説ながら重すぎずさらっと読めた。

    0
    2024年09月14日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    06月-09。3.5点。
    少年犯罪で付き添う弁護人を「付添人」と呼ぶ。
    連作短編形式で、いろんな少年少女と触れあっていく。

    面白い。主人公の過去が重要なポイントに。

    0
    2024年06月19日
  • 付き添うひと

    Posted by ブクログ

    近年ネグレクトの話が多いように感じる。自分がたまたまそういう本を選んでしまうのか、実際に増えているのか、それとも多くが明るみに出るようになったからなのかは分からないが。

    本書は、少年審判に於ける付添人側からの話。非行少年の権利を守り更生を手助けするのが付添人。その多くは弁護士が担っている。

    内容は比較的ライトでスルスルと読めるが、個人的には第四話、SNSでの名誉棄損問題が興味深かった。ディスレクシアという病気や、周りと違うことに薄々気付いていても認めたくないがために向き合えない現実。
    ディスレクシアについては、耳にしたことはあったが、今回初めて内容を知るきっかけになった。これは辛いだろうな

    0
    2024年05月02日