並木千香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少年犯罪において、弁護人の役割を担う付添人
不遇な少年時代を送り、親の支配下での窃盗で14歳で逮捕され少年院へ送られた主人公、朧
社会復帰の後、弁護士となり付添人として積極的に活動している
付添人として罪を犯した少年少女達に正面から向き合った短編5編
少年少女達の罪の背景にある家庭環境に踏み込んで、彼らの将来を見据える
幼年期の経験は、子供達の気持ちに寄り添える糧であると共に、時折、過去の怨讐に囚われそうになる
それでも活動を認めてくれる人達、立ち直ろうとする子供達に 自身も救われる
大変で重要な役割の付添人
あまり認知されていない仕事に焦点をあて読ませてくれました
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Posted by ブクログ
この作品を読むまで、付添人という制度があるということ、全く知りませんでした…。家庭裁判所調査員が登場する作品なら読んだことあるけれど、あっ…あれは元家庭裁判所調査員でした!ひとつ、自分の知識になりました。
この作品は弁護士であるオボロ(朧太一)が、悩みを抱える少年少女の抱える家庭環境や生活環境など本人や関係者から聴取したり各関係機関と調整することで、少年少女の権利を守っていくもの…と、言えばいいかな…。それだけではなく、オボロが少年時代に受けた心の傷に向き合うこともテーマになっています。
悩みを抱える少年少女にとって、付添人ほど心強い存在はいないでしょうね…!!オボロが奔走する姿、胸 -
Posted by ブクログ
近年ネグレクトの話が多いように感じる。自分がたまたまそういう本を選んでしまうのか、実際に増えているのか、それとも多くが明るみに出るようになったからなのかは分からないが。
本書は、少年審判に於ける付添人側からの話。非行少年の権利を守り更生を手助けするのが付添人。その多くは弁護士が担っている。
内容は比較的ライトでスルスルと読めるが、個人的には第四話、SNSでの名誉棄損問題が興味深かった。ディスレクシアという病気や、周りと違うことに薄々気付いていても認めたくないがために向き合えない現実。
ディスレクシアについては、耳にしたことはあったが、今回初めて内容を知るきっかけになった。これは辛いだろうな