並木千香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
登場人物みんなが魅力的!
オボロ、浦井、原田、笹木、依頼人やその家族みーんなが、短いお話の中でとても人間味溢れた描かれ方をしている。良くも悪くも。
少年犯罪や児童虐待がテーマなのでクソみたいな大人も出てくる。その、クソっぷりが凄まじい。
これを描き切っているのがすごい。
職業柄近しい業界にいて解像度が上がっていることもあり1時間ちょいで読んでしまった。
作者さんはとても緻密に取材されたんじゃないかな、と思う。特にLDの章。
そして、オボロが付添人を勤めた子どもたちの可塑性を信じているような描き方をしているところに希望を感じた。
正直、再犯率は高いし家庭送致にしたところで親も問題を抱えているこ -
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良い!
この作品良いよぉぉぉぉ〜。゚(゚´Д`゚)゚。
犯罪者、それは大人も子ども関係なく罪を犯した者が悪い!
だけど、罪を犯した者だけが悪いのだろうか?
特に少年犯罪に関しては、子どもたちを取り巻く環境や人物の影響が大きのではないだろうか?
その中でも、子どもたちにとって一番身近な存在である親の影響力はかなり大きいのではないだろうか?
子どもに全く興味を示さない親、子どもを自分の持ち物のように扱う親、子どもの心の声を聞こうとしない親…
そんな親たちが子どもたちを犯罪の道へと追いやっているかもしれない!
そうならないように「付添人」のオボロのように子どもたちに寄り添ってみよう -
Posted by ブクログ
岩井圭也さん、少しずつ読み進めています(^^)
こちらは岩井さんの中でも
私には結構心が揺さぶられた一冊でした。
オボロ(朧太一)という付添人の話です。
付添人という制度をこの本で初めて知りました。
『家庭裁判所で審判を受ける少年の権利を擁護・代弁し、少年審判の手続きや処遇の決定が適正に行われるよう裁判所に協力する人』
大人の場合は弁護人といい、
未成年を担当する場合は付添人と呼ぶそうです
作品は5つの短編からなっています
どの話も子供の気持ちを考えると胸が痛く
親として読むとさらに辛い一冊でした。
いろいろな親が出てきます
支配する親、見放す親、諦める親、見ないふり -
Posted by ブクログ
未成年者の事件の弁護を担う「付添人」の仕事をする弁護士のオボロ。
問題を抱える少年少女を担当する彼自身もまた、少年時代に複雑な事情を抱えていた。
様々な少年少女の付添人を務めるなかで、自身の過去とも向き合っていく連作短編集。
未成年者の事件は弁護人と呼ばず付添人と呼ぶことを初めて知った。
登場する少年少女の問題は様々であるが、子どもの権利や将来を第一に考え話を聞いたり環境の調整をしていて、まさに子どもの人生に「付き添うひと」なのだなと感じた。
また今作では、各短編の子どもたちだけではなくオボロ自身の過去も物語の重要な要素になっている。
子どもたちと関わるなかで自身の過去にも向き合っていくのが -
Posted by ブクログ
ネタバレ
幼少期に、辛いという言葉では表現できないくらいのことを経験したオボロ。
その時の記憶はきっと生涯忘れることは出来ないだろうけど、その事実と向き合いながら、真摯に『付き添い人』の仕事に没頭する。
親と子の関係について、これでもかというほど考えさせられました。
正解はあるのかな。
親も人間。
間違いも、親であることの苦しみもある。
だけど、子供が幸せになることへの望みだけは忘れてはならない。
どのケースも明るい展望が感じられ、オボロの活躍が身を結んだのが嬉しかったです。
また、笹木さんという理解者が現れたのも嬉しい。
戸惑いや不安もわかるけれど、そこは勇気を出して踏み込んで欲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人がもし事件を起こしたら、その人に弁護士がつくだろうということは分かっていたが、子供が事件を起こした場合、子供の弁護をするために付添人という人がつくことをこの小説で初めて知った。
一筋縄でいかない世の中だからこそ、それぞれの人間模様があり、また、子供だから、自分の意思ではないのに巻き込まれることに、なんだか歯痒い気持ちにもなった。
最後の言葉がとてもよかったので、すべての子どもに贈りたい気持ちになった。
「あなたにとって、あなたは誰よりも大切な存在だ。あなたの心も身体も、あなただけのものだ。辛ければ休んでも逃げてもいい。
もしも親や他人との関係で苦しんだとしても、自分を大切にしてほしい。
生 -
Posted by ブクログ
1Q84O1さんのレビューを読んで即ポチした作品。(フルネーム難しいなぁ。)
一休さんのレビューが、珍しく私に刺さりました( ̄▽ ̄)
良いこと書いてるなぁ〜、素敵だなぁ〜と思いポチっとやっちゃいました♪
自身も事情を抱えていたオボロは、自身の経験も活かして少年犯罪において弁護人の役割を担う付添人となった。
問題のある子供たちに寄り添い、彼らの心の声を聞く。
訳あり弁護士というと、中山七里先生の御子柴を思い出しますが、このオボロ先生は御子柴とは真逆の人間。(御子柴も好きですけど)
とても温かく、何とか子供の本心を聞こうと寄り添おうと努力する。「味方だよ」と言ってもらえることが、どれほど