Neyのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
知り合いからおすすめされて。
テンポがよくあっという間に読み進められた。
読書に没頭して気づいたら朝になっていた中学時代に戻ったような感覚で、そのくらい夢中になってた。
ワードセンスが自分好みで、特にブーメランが刺さって死ねは声出して笑った。全体的に尖りすぎてる。
完全に好みは分かれる尖り方してるけど、学生に読んでほしいかも。てか自分が学生の時に出会いたかった本。いや出会わなくて逆によかったかも。今でもこんなおもろいと思うのに学生の頃に読んでたら影響されすぎちゃって、死ぬほど尖った奴になり、とんでもない黒歴史が生まれてたかも。
展開はいい意味で裏切られた。あの題材でよくこの展開にもってけたな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレラノベ的な、調子にのった主人公と秘密を握られて可哀想に振り回される先生のお話だと思ってたので、テーマが重くてちょっとびっくりした。
ただ、前半は意外と先生の性癖自体の重さをそこまで重く感じることはなくて、それはなぜかと言うと先生が一枚上手で、主人公と先生のやりとりがサクサクすすんで面白いから。
しかし後半になるとやっぱり先生の秘密である性癖が問題になってしまい、ちゃんと隠していても、犯罪を起こさないと心に誓っていても、その性癖がある、というだけで今までいた世界が自分を拒絶してくる様子が描かれていて、マイノリティに生まれただけで、なんとも生きづらくて大変だと思った。
正欲とよく似たテーマを扱って -
Posted by ブクログ
これはすごい。なにがすごいか上手く表現できないけどすごい。
自分のことを少しでも変わっていると思う人は読んで欲しい。
自分は変わっていると分かっているけど周りに合わせることを諦めた主人公と、完全に普通の人間を演じている先生。
本当の自分をクローゼットの中に隠す人生もある。これは本当みんなそうなんじゃないか?
自分の中ではいくら肯定的に説明できても、理解できない人にはどうやったって理解できない。他の人と違う部分なんて全員あるはずなのに目立った違いがあると迫害される。
結構嫌なことされるシーンもあって、なかなか読むのが辛い部分もあったけど、二木先生がかっこよすぎた。
後半にかけて、ぐわーーーって -
Posted by ブクログ
人間誰しも人に理解されないことがありつつも、「普通」の人間であろうと無意識のうちに行動していることを再確認しました。人と違った行動をとって特別な人間だと認識されたいと思いつつも、それをわざと演じているわけではなく本当にそう思って行動しているのだと自分も錯覚している、なんてことは誰でもあるような気がします。広一と同じで二木先生が何を思うのかゾクゾクしながら読み進めている自分も普通じゃないと思いたいような気がして......。
広一にあんなことをするあいつも自分は普通の代表なんだ!こんなやつはおかしい!と肯定してもらうことで自分を保っているのかと思ったり。
広一の「いい意味で普通ではない」というこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想を書き連ねるだけ
主人公の高校生は、自身が人と比べ明らかにおかしくて変わっていることを自覚している。普通の人間に擬態しようとしたこともあるが、おかしいが故に具体的にどこがおかしいのかまでは自覚出来ず、結局普通になることを諦め、人と『変わっている』ことを人より『特別である』という認識に置き換えることで自尊心を保つという生き方をしていた。他を見下すことでしか、自分を肯定できない。しかし、そんなプライドの高さは、自分のことを認めて好きだと思える自己肯定感の高さには繋がっていないようで、そんな矛盾であり正論のようなものが、数々の葛藤や生きづらさを生んでいることに、主人公自身は気がついていない。自分 -
匿名
購入済み普通じゃない皆んなから変わってると言われる少年とごく平凡な教師に見えるけれど、とんでもない闇を抱えてる先生。すごく難しいテーマで、自分でも受け入れられるか何度も考えたけれど答えが出ない。
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Posted by ブクログ
『ロリコン』と聞いただけで拒否反応が起こる。反射のようなもので、深く考えるまでもなくタブーという認識だ。
ただ、二木の話を聞いているうちに「確かに冷静に考えれば何も悪いことではないのかもしれない」とも思った。
多様性が叫ばれる世の中で、小児性愛はその対象に入っていないだろう。その願いが成就して行き着く先にあるものが犯罪だからだ。
ただ、そちら側に立ってみると本当に辛い。
僕自身は性自認が男、恋愛対象は女性で、女性しか好きにならない、年齢幅はざっくり20〜30歳くらいだろうか。それと同じように、小児性愛者は恋愛対象が幼い子供で、それはもうどうしようもない。自分には変えようのない自分を、世界のルー -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直、全登場人物あんまり好きになれなかった笑委員長もめんどくさい。二木論理的な攻め方なんか嫌だ、広一自分のこと正当化しすぎ、吉田最低。
なんかすっきりしなかった。もちろん、伝えたいことはすごくわかったけれど。考察力が乏しい私からすると、吉田痛い目にあって欲しかったなぁと思ったのが一番の感想。
というか広一の思いつく小説一つ一つが普通におもしろくてすごい。全部読んでみたいと思った。
吉田のイジメは吐き気がするほど胸糞悪かった。そして、こういう小説って絶対先生助けてくれないのね。ストーリー本当に面白かったけど、私にはいじめ描写がどうも腹立って見てられない。
二木、広一の悩みの描写はものすごく分 -
Posted by ブクログ
『Nの逸脱』と同様、社会の枠から少しはみ出た人間たちが描かれているが、長編だけあって人物像の掘り下げがよくできている。二木先生の性的嗜好の設定は意外とありそうで無かったのではなかろうか。
主役の二人が変人なのだから面白くならないはずがないのだが、それを差し置いてもデビュー作にして読み手をハラハラさせる筆致とサービス精神はなかなかのものだと思った。本書同様に小説の新人賞に応募するという展開も良かったし、マイノリティに対する向き合い方を読者に自問自答させることにも成功していると思う。
唯一違和感を覚えたのは、終盤の美術室での大立ち回りシーン。さすがに少し嘘っぽく見えてしまった。