ジェローム・ルブリのレビュー一覧

  • 魔王の島

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    「もっと近くにおいで。
    そうすれば楽になれるから……。」

    ある女性が、死亡した祖母の遺品整理のために、ノルマンディ沖にある島を訪れる。
    そこにあったのは「魔王」の痕跡……。

    物語はホラー小説のように始まる。
    ところが、別の章が始まると事態は一変し、読者を驚かす。
    最後の章まで、先の見えない物語。

    不条理こそ恐怖
    虚妄こそ逃避

    人の心こそ、出口のない迷路。

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    2025年11月09日
  • 魔女の檻

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    ネタバレ

    「魔王の島」を読んでいなければ、つまり作品への先入観を持たなければもっと楽しめただろうなとは思う。まーた作中作めいた実在しない物語かあ。
    謎には答えが示され、きちんとオチてはいるし納得もできるのだが、ヴァンサンやシビルといった「架空の」人物の一人称視点がある点だけはアンフェアなように思う。まさかカミーユの読んだ報告メモが小説体系で書かれていたはずもなかろうし。

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    2025年07月12日
  • 魔王の島

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    祖母の訃報を受けてわけありの孤島に向かった女性の話と、祖母の若い頃に何が起こったかが交互に語られる第一部。そこから一転して、何が真実なのか警察が探り始める第二部、そして…
    読み終わって振り返ると、ミステリとしては何じゃこりゃと思うが、真相はなかなか心に刺さったし、読んでいる間は全体を流れる不穏な雰囲気や何度もひっくり返る現実が面白かった。”心の避難所”がすごい。
    しかしグロい描写が多いし、読む人を選びそうな作品だと思う。

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    2025年06月20日
  • 魔女の檻

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    ネタバレ

    かつて、魔女だと糾弾された女性達が殺された山。その麓に、実業家が私財を投じて作り、管理する小さな村があった。そこの警察に、新しく署長のジュリアンが赴任。平和な村だと聞いていたのに、立て続けに死亡事件が起こる。ジュリアンと部下たちは解決のために奔走するが、その部下たちも‥。

    村人や、ジュリアンの部下たちの死に様がコワイ。みな、聞こえるはずのない声を聞いていた。殺された魔女たちの呪い??と、見せかけて、驚天動地の仕掛けが明かされる。全ては実業家が、脳の病気の娘を治すために仕組んだ、壮大な劇場だったのだ。現代の医科学であんなことが可能なのか?は置いといて、愛する娘のためとはいえ、この実業家の情熱は

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    2025年06月12日
  • 魔女の檻

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    前作『魔王の島』が突っ込みどころ満載の作品で、なかなか面白かったので手に取ってみました。この作品のほうがミステリー度は高いと思います。小さな村で次々と起こる不可解な死。どう収束させるのかと思って読んでいたら、予想を超えた結末でした。

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    2025年05月17日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    じわじわとしたホラー感を楽しみつつ年号にも気を付け(年号のない段にも気を付け)、急に不条理な展開になったな? と思ったら合理的な説明をつけて一旦納得させておいて……とまあ忙しいお話。「筋の通らない部分のある話を聞かされる話」自体は筋が通っているものだから、まあしっかりと騙されかけた。いくらなんでも都合がよすぎる気がする上に生きていたならどうしてその後何の音沙汰も、と思ったところで最後のオチ。映画「ライフ・オブ・パイ」や何か他作品を思い出す気がするのだが、さてあの作品の名前は何だったか。そもそも本当にそんな作品があったろうか。ドグラ・マグラではないと思うのだが。

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    2025年05月01日
  • 魔女の檻

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    ミステリーはあまり読まないので、ミステリーとしてのレベルはわからないが、結末はかなり予想外。
    現在の科学では実現できないオチというのは、SF好きの立場では違和感がない。純粋ミステリーとしては邪道かもしれないが
    楽しめる。

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    2025年03月25日
  • 魔女の檻

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    雪山・魔女狩り伝説・殺人→フランスらしいダークなミステリー小説
    期待を裏切りません
    村の人間の大量殺人がどのように起きたのか、どのような背景があったのかを現在と過去を行ったり来たりして読ませるスタイル
    こうだろうと謎解きをしたが、うまく予想をずらしてくれる
    いい作品です

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    2025年01月19日
  • 魔女の檻

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    タイトル!絶妙!

    真相の好みは分かれると思いますが、悔しいほどに説明がついてしまう。どうして、なんで?!と引き込んでおいてからの、真相。えーって、でも、全てのことの説明がつく。

    魔王の島も良かったけど、こちらもとても楽しめました。

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    2025年01月06日
  • 魔女の檻

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    かつて魔女裁判が行われていた村で起こった事件… 人間の醜さと情念を禍々しく描くミステリ #魔女の檻

    ■あらすじ
    かつて魔女裁判が行われていたとされる村に、新任の警察署長ジュリアンが赴任されてきた。到着してまもなく青年が死亡する事件が発生、さらにその後も住人達が不幸な出来事に見舞われていく。

    警察の部下たちと一緒に事件解決に奔走するも、幽霊、幻聴、謎の言葉が聞こえるなど、不可思議な現象に吞み込まれてしまう。この村では一体何が起こっているのか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    序盤から不穏な空気に包まれるこの感じ、なんか怖いんですけど…

    舞台はかつて魔女と間違われた女性たちが多数殺害された村

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    2024年12月21日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    評判通りの名作だ。とはいえ、ネタバレなしでは紹介が非常に難しい。
    というのも、紹介文にあるような「魔王の島」というのは(作品内の)現実ではないから。
    キーワードは「心の避難所」。
    衝撃体験から逃れるために人間は心に避難所をつくるのだが、その避難所をつくるという精神的治療の行為すらも物語に織り込んだ避難所の構築が、本作で展開される「事件」だった。これが真相。

    似たような印象を受けた日本作品として
    貫井徳郎「慟哭」
    乾緑郎「完全なる首長竜の日」
    山田正紀「ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件」
    が思い浮かんだ。

    エンタメとして申し分なし。

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    2024年12月13日
  • 魔女の檻

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    魔王の島と同じ作者で、身構えて読んだが、全く違ってた。ミステリと言うよりはホラーサスペンスのようでモノクロの映画を観てるかの様だった。この前読んだミゼレーレと言い、フランスのおどろおどろしいのを続けて読むとは思わなかった。

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    2024年11月09日
  • 魔女の檻

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    前作に続いて今回も驚きと予想外の展開が二重三重と続きます。魔王の島読んでたから身構えてた分、衝撃は前作ほどではなかったですが。
    現代版、フランス版の『ドグラマグラ』みたいな作品ですね。著者は『ドグラマグラ』の存在知ってるんだろうか?

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    2024年10月19日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    田舎町で新聞記者をしているサンドリーヌは一度も会ったことの無い祖母の訃報を受ける。
    祖母が暮らしていたのはノルマンディー付近にある孤島。
    その島は世界大戦中はドイツ兵の拠点になっていた島だった。
    なぜ祖母はその島から出てこなかったのか、島で起こった凄惨な事件が示す新事実とは?

    ・感想
    なるほど…こういう展開になるのかー。面白かった。
    続きが気になりすぎて1日で読み切ってしまった!

    1部のサンドリーヌ側の描写は現実味がなく曖昧、読者を不安にさせる描写が続くので何となくこれは夢の中の出来事なのかな?と検討はつく。
    そして2部になって地に足ついた現実世界の話かと思いきや…。
    ダミアン

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    2024年08月18日
  • 魔王の島

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    良くあるミステリーの出だしだな、と思っていたら話が二転三転しての驚きの結末。
    二転三転具合もしっかり地に足付いてるし、結末もそれを踏まえてのものだからまあ納得だけど最後もう少し解説して欲しかったな、というのが正直な所でした。
    ある映画を思い起こしてタイトル書こうかと思ったけどネタバレになるので控えます。

    再読すると伏線が分かるかも。面白かったです。

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    2023年04月01日
  • 魔王の島

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    良くある孤島に取り残され系かと思いきや2章で予想しない展開になり、3章で真相も犯人も分かった!と思わせておいてからの4章で明かされる事件の全貌。構成がすごい。
    このミス2023海外編10位。これで10位って今年はレベル高いなあ。

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    2023年03月16日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    2023.1.26
    後半は展開読めちゃって萎えたけど全体的には満足。
    ずっと不穏な感じが漂ってて好みだった。

    サンドリーヌの島での描写もっと欲しかった。

    あと、サンドリーヌの現実世界に島の住民が地域住民として出てくるけど、シモンいたっけ…?彼は架空の人物…?

    最初からもう一度読んだ方がハマれそうだな、、

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    2023年01月27日
  • 魔王の島

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    疎遠だった祖母の訃報を突然受け、彼女の住んでいた島に向かうサンドリーヌ。
    ・・何を書いてもネタバレになりそうでなかなかに難しい。
    章ごとに二転三転する展開がなんとも興味深い。
    ただ、自分はミステリをあえて推理せずに作者の用意した驚きをそのまま受け取りたいという読み方をするんですが、ちゃんと推理したい人にとってはどうなんだろうな?賛否ありそうなラストだなとは思いました。推理できるのかな?あのラスト。そんな伏線というか材料提示されてましたっけ??
    まあ自分はとても楽しめました。それだけで充分だな。

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    2023年01月16日
  • 魔王の島

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    ネタバレ

    あの最後のエピローグで完全にやられました。心の避難所。それが「誰の」避難所だったのか。冒頭からヒントがいくつかありましたが(サンドリーヌが感じる数々の違和感や不快感)、まさかここまでもがほとんど虚構だったのか!結局、彼は避難所に棲んだままなんだけど、ある種の生きる希望を得た架空の現実を生きるのは幸せなことなのかもしれない。精神の異常の描き方は秀逸でした。

    好みの問題かもしれませんが、感動のストーリーをウリにしたあからさまな話より、こういう話の方がずしりと来ます。面白かった!

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    2023年01月02日
  • 魔王の島

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    えっっ⁉︎とにかく驚き‼︎
    海外作品苦手な私が一気読みしてしまった。これはミステリーなのかなんなのか。いやいや、人間の心こそミステリーそのものだ。

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    2022年11月18日