杉村伸一郎のレビュー一覧

  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    子供の学力についていろいろな知見を得られた
    知識を覚えるだけでは死んだ知識になるので、生きた知識にするためにどうすべきか
    目の前の問題をどのように解くかのフレームワーク=スキーマの更新が必要
    一方で個々の要素だけを取り出して鍛えることはそれほど有効ではなく、複数の認知的要素を統合して鍛える必要がある

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    2025年11月11日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    コロナがあって、人の顔や口や表情を見ながら話す機会が少なくなった。zoomやskypでは比較的一方通行の会話になりがちで、会話のキャッチボールがしにくい。画面越しで話を聞く際に、本質的に「耳を傾ける」動作が減った。家族の食事の時間がバラバラで、食事を摂りながらの会話が少なくなった。文字でのコミュニケーションは増えても、語彙は少ない。短文、単調、絵文字。空気を読む、正しいかの答え合わせは無い。もしくは間違えていた場合は、全て終わる。空気を読むのは、行間を読んだり行間を埋めたりする事とイコールでない。
    読書から得られる文章能力の個人差が顕著になっている?ネットニュースは、興味がある事ばかり出てくる

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    2024年06月07日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    先日読んだ広瀬有紀さんの『ことばと算数』で取り上げられていたこともあり、こちらも読んでみることにした。
    子どもが誤ったスキーマを身につけてしまうこと、それを修正するメタ認知が働かないことなどが印象に残っている。
    ではどうするのか、についてはあまり具体的なことが書かれていなかったので、そういったことが分かればと思い、少し専門的ではあるけれど、この本も読んでみることにした。
    (思いがけない自分の向学心?に自分で驚くよ。)

    小学生のつまずきの原因をさぐるために、アセスメントとなるテストを開発し、その結果を分析したもの。
    だから、本書でいう学力は、受験でいい学校へ受かるための学力とは少し違う。

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    2023年02月12日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    ゆる言語学ラジオから今井むつみ先生の魅力に触れ、書作初挑戦。
    最近の子供たちは読解力が不足している、学力低下の危機と巷で騒がれ始め久しいが、認知心理学という学問の観点からのアプローチの軌跡を読み知れる。決して〇〇のせい!とは断定せず、複合的な要因があるのだと真摯な姿勢で説いているのが非常にアカデミックで好感が持てる。

    言語能力が学力に深い関わりを持つという一般的な評判に対する金言
    個別でことばを多く知っているのではなく、学力とは組み合わせによる推論力が重要
    P164
    しかし、そこで想定されている「言語能力」は、ほとんどが語彙のサイズ(どれだけ多くのことばを知っているか・・・)であった。しかし

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    2023年01月06日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    とても丁寧に子供達の"学力"について調査がされていて読み応えのある一冊でした。
    文章題が解けなかったりするのは本人の努力不足ではなく数に対する認知、考え方が誤っていることがあるという事を調査から見つけ出されていて、納得感がありました。
    今後指導をしていく上で生徒たち本人が文意を理解できているか、そもそも数の概念の理解は大丈夫かなど、多様な視点を持って指導することに繋がりそうだと感じた一冊です。
    少しの文章ではとても書ききれないので気になった方はぜひ購入することをお勧めします。

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    2022年12月11日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    文章題を間違える子どもの間違い方を分析して、子どもの発達を解き明かしていく本。子どもの間違い方にも論理性があっておもしろい。今井むつみ先生の他の著作も読みたくなる。

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    2022年10月26日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    読前は、教科の学力や例えば国語では、読む、書く、話す、聞くのように独立した領域があるのが学力のイメージで、何処かに重点を当てて指導にあたると考えていた。読後、基礎学力とは何か?という本書のテーマを考えた。本書の中で教科の内容を「生きた知識」として使うために必要な能力は、実行機能、作業記憶機能、視点変更能力、推論能力、メタ認知能力が必要である。(P10)
    これらを複合的に育てる視点を授業作りで持つには、一度達人テストを解いてみたいと,思った。またこのテストを活用して、授業作りの視点に生かすことは分析する時間はかかるが、必要なことだと感じた。

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    2025年08月28日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    ネタバレ

    タイトル+今アツい著者ということでメルカリで購入+読破。

    懇談でも「うちの子、文章題が苦手で…」という声はよく聞く。全体的に話や出てくる言葉が難しいと感じる部分もあった(今井むつみ先生の本は基本そんな感じする)が、納得・共感できる部分も多くあった。

    つまずきの原因として挙がっている中で、特に共感したのは、原因7「問題を読んで解くこと」に対する認識。この説明の中で、何のために算数を学ぶのか分かっていない、学習性無力感という言葉が出てくるが、自分なりに言い換えると、
    算数のテストなんて適当に答えといたら良い(というか、丁寧に見直しまでしなくて良い)
    という子どもの思いが主原因だという点である。

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    2025年08月15日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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     普段、知識をどのように使っているかは、意識することはないが、知識を使うとはどういうことで、どのような能力が必要なのかの説明が、とても興味深かった。
     実行機能、作業記憶能力、視点変更能力(他者視点取得能力)、推論能力、メタ認知能力などの認知能力が必要だとのこと。

     実行機能・・・必要な情報にのみ注意を向け、不必要な情報への注意を抑制したり、注意を指示に応じて柔軟にシフトさせたりする能力、いわば注意をコントロールする認知機能。
     作業記憶能力・・・作業記憶の容量や効率性の個人差は生まれつきの要因よりは、訓練による効果が圧倒的に大きいとされる。
     視点変更能力(他者視点取得能力)・・・学力の前

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    2025年07月26日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    子どもたちの脳の能力値に差があるのではなく、認知負荷を下げるための方略を持っているかの差に注目するべきということがわかりました。

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    2025年04月23日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    学力不振=問題演習の不足という単純な話ではない。
    「理解力不足」という状態を、より具体的に細かくどのステップでつまずいているのか、分析が秀逸。

    「生きた知識」であることの4要件:
    (1)システムの一部となっていること
    (2)身体の一部になっていること
    (3)絶えず修正され、アップデートされること
    (4)自分の理解の程度が過大評価されておらず、自分は何がわかっていないかがわかっていること。

    問題解決のパーツはできていても、複雑な問題を解けない子には、認知的な負荷を軽減できるような方法を自ら状況に合わせて見出せるようになるための支援をすると有効。

    テストの点数だけを見るのではなく、解決に至る

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    2025年03月15日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    学習のつまづきの原因を「ことばのたつじん」「かんがえるたつじん」の結果を分析することで明らかにしてゆく。「生きた知識」を使うためには「実行機能」「作業記憶能力」「視点変更」「推論能力」「メタ認知能力」これらが複合的に関わる。子どもを順序づけるためのテストではなく、支援の手立てのヒントとすること。かつて算数が苦手だった子どもとして、確かにこれは引っかかるなぁ〜とか懐かしくも読んだ笑そもそも文章題って解く必要性が感じられないと適当に式に当てはめがちだったよな、と笑

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    2025年01月26日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    今学校や入学試験で問われている学力は本物の学力ではない。学力は知識の単純な足し算で構成される物ではない。
    表層的な知識の有無を問うことを主眼とした学力テストは見直すべきだと筆者は問う。
    学力とは新たな情報を認知能力と推論能力を駆使して自分が持ってる知識体系に組み込み、統合し、拡張すること。

    ことばのたつじつん、かんがえるたつじんは小学2年生くらいまでの生活、遊び、読書などで培われた知識や認知能力、推論能力を測るためのテスト。

    知識が断片的で、学んだ知識になっていない。
    →足し算の手続きの意味がよくわかっていない。
    誤った知識をもっている。
    →1の固定化、全体、単位が理解できていない。時間、

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    2024年11月19日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    今井先生のウェビナーに参加して、興味があって読みました。子供の「わからない」を細分化して体系的に理解しようとする試みに、ただただ尊敬です。

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    2024年05月03日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    学力を「生きた知識」と定義し、自作問題の解答から子供たちのつまづきポイントを整理している。学者の本のため非常に論理的。つまづきとして一番印象的だったのが、「相対的な視点の欠如」。分数における1の扱いが代表的で、相対の感覚が直感的に分からなければ絶対つまづく。どうつまづいてるかが分かることで、教えてあげられることが変わってくるのでまた10年後読もう。

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    2023年07月22日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    なんでみんな文章題が解けないのか…?いや、解かないんだ…!と気づいた今日このごろ。
    解かない理由は5年生までにあらわれる「学習性無気力」。どうアプローチしたらいいんでしょうか、続編に期待。
    さらに、幸い解いてくれても正解できないのは、実行機能、作業記憶、メタ認知能力などなどの欠如とのこと。
    …どうしたらいいんでしょうか。読書量に関連するらしい、認知負荷を下げる方法を教えるといいらしいが…
    さらなる情報が欲しいです、続編に期待。

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    2022年11月16日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    小学生を対象に学力とは何かを科学的に統計的に調べている。
    「ことばのたつじん」「かんがえるたつじん」というテストで調査して学力テストとも比較しながら問題点を示していて、なるほどと思い興味深かった。
    最後にほんものの学力を育む家庭環境に、本を読むことと子ども自らが興味を持つように環境を整えることとあって、深く納得した。

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    2022年09月28日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    子供に向けた勉強法があるのかと思ったが、テスト結果や要因の内容だった。日本語をしっかり読み解ける語学力が大事ということなんだと思う。

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    2025年02月23日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    丁寧で緻密な分析結果は興味深いものがある。その結果から、どのような学習をすることが必要なのかを知りたいが、それは本書にはない。

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    2024年08月05日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    筆頭著者の認知科学に関する新書を読んで、面白いと思っていたことから、こちらも読みました。子に期待する親としては、いわゆるハウツー本ではないように思いましたので(付録1の内容がそれに近いかもですが)、すぐに解けるように導きたいという願いは叶わないと思います。
    とはいえ、誤答なついてのいろいろな解説に対して、なるほど、そこが壁ですか、、という気付きと過去の子供らとのやりとりからの納得感はありました。勉強になりました。

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    2022年08月21日