比嘉慂のレビュー一覧

  • カジムヌガタイ

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    いわゆる「センソーのヒゲキ」を描いた作品、ではあるのだけれど、あまりこういうジャンルに馴染みがないと、「えっ、ウソっ!」ってエピソードが続いて驚かされる。身近な人が亡くなるとか、貧しい生活を強いられるとか、米兵に殺されることに怯えるとか、そういうことではない、決してそういうことではない! 背筋が凍るような“実話”の数々に腰を抜かしそうになる。そして同時に、「沖縄」という、47都道府県で最も数奇な運命を辿ったこの島を、土地を、改めて実感させられる。
    これ読むと、やっぱり「cocoon」とか軽い、ぜんぜん軽い……。大きな力に、流れに、自分を打ち捨てて狂ってしまう恐怖を描く短編選。月並みな言葉ですが

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    2012年12月30日
  • 美童物語(2)

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    戦前の沖縄の文化や、戦中の沖縄の人の気持ちは

    多分文学よりもこの漫画の方が伝わる。

    比嘉さんの作品ではこの美童物語が一番好き。

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    2011年09月20日
  • カジムヌガタイ

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    ネタバレ

     2001年の9.11事件を契機に、毎年8月沖縄のなきじんキャンプ場をお借りして、沖縄YMCAと合同で「わんぴーすキャンプ」を行っています。こどもたちが沖縄を好きになり、その沖縄が持っている「戦争・平和」という課題を共有することで、「ひとりひとりが平和のひとかけら」になることが目的です。しかしながら、行かせていただくたびに想うのは、いかに私が何も知らないかということです。沖縄の言葉に「肝苦しい」という言葉あるそうです。これは、他者の苦しみを思う時、自分は断腸の思いを感じるという意味だそうです。感じる、知る、変革される、行動する、そんなプロセスを経ていくためにも必読の1冊です。

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    2011年08月29日
  • 美童物語(2)

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    タイトルの「美童(みやらび)」は少女、乙女の意。
    沖縄の歴史と文化を学べるマンガ。
    時代設定が戦時下なので、結構シビアな内容。
    南国=楽園だの癒やしだの、そういう図式に飽きた人に勧めたい。
    クセのある独特の画風だが、少女たちは活き活きして美しい。

    ----------〈ここまで1巻レビューと同じ〉----------

    2巻には「ユタ」など4編+エッセイマンガを収録。
    その後も発表は続いたらしいが、現時点では未刊行。

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    2013年09月17日
  • 美童物語(1)

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    タイトルの「美童(みやらび)」は少女、乙女の意。
    沖縄の歴史と文化を学べるマンガ。
    時代設定が戦時下なので、結構シビアな内容。
    南国=楽園だの癒やしだの、そういう図式に飽きた人に勧めたい。
    クセのある独特の画風だが、少女たちは活き活きして美しい。
    1巻は「風葬」「方言札」など4編+エッセイマンガを収録。

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    2013年09月17日
  • 砂の剣

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     沖縄戦にまつわる短編漫画を収録した本書だが、最後の「土盛り」だけは戦後米軍占領下の沖縄。次々と謎の事故に見舞われる米軍。司令官は工作員がいるのではないかと疑い、一方労組として反基地闘争を行う主人公のオバァはすべての事故を予言していた。続発する謎の事故の真相は!?
     なんともトボけた感じなのがすばらしい短編。事故の真相まである意味トボけていると言える(笑)。特に反基地闘争を闘う労働者たちも決して不真面目なわけではないのだが、どこかのんびりした雰囲気が漂う。ついに米軍が県庁前に戦車を出動させ、それを身体を張って止めるという本来緊迫する場面でも(真剣ではあるけど)やっぱりのほほん感を忘れない。ああ

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    2012年01月15日
  • カジムヌガタイ

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    私がこれを読んで、
    どう言葉に綴ったとしても、嘘なかんじがしちゃうんですよね。

    私は、どうやっても沖縄人ではない。というのが最大の要因です。

    沖縄の人が嫌いでは無いし、だからこそ思うのだけれど、
    なぜに沖縄は日本の一県であり続けるのだろう?

    江戸まで時代を遡るまでも無く、あまりにも多くの犠牲を未だに、
    払い続けながらも大和に何の連帯感を感じるのか・・・。

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    2009年10月26日