あらすじ
▼第1話/砂の剣▼第2話/砂の落日▼第3話/母について▼第4話/砂の呼声▼第5話/砂の兵士▼第6話/学舎▼第7話/御願さびら●あらすじ/太平洋戦争末期、沖縄の離島、前島に日本国軍の小隊がやってきた。名目は防衛。が、日本兵達は、水源である森の木を切り倒したり、爆弾を使って海の魚を獲ったりして、島を破壊していく。それだけでなく、軍隊がいるということは、敵軍の攻撃目標になるということも意味していた……(第1話)。▼日本の敗戦で幕を閉じた太平洋戦争。沖縄の山を守る日本軍“山の部隊”は降伏を拒否し、敵前逃亡をした日本兵を殺したりと、身内である日本人に当たっていた。「生き残るために戦う」を信条にしていた湧川村長が、山の部隊の説得に行くが……(第2話)。▼乳飲み子と、子供3人をかかえ、防空壕から墓の穴まで、戦火から逃げ続けた一人の母親の物語。命懸けで子供達を守ったこの母こそ、作者比嘉慂の実の母親である(第3話)。●その他の登場キャラクター/海里分校長
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Posted by ブクログ
沖縄戦にまつわる短編漫画を収録した本書だが、最後の「土盛り」だけは戦後米軍占領下の沖縄。次々と謎の事故に見舞われる米軍。司令官は工作員がいるのではないかと疑い、一方労組として反基地闘争を行う主人公のオバァはすべての事故を予言していた。続発する謎の事故の真相は!?
なんともトボけた感じなのがすばらしい短編。事故の真相まである意味トボけていると言える(笑)。特に反基地闘争を闘う労働者たちも決して不真面目なわけではないのだが、どこかのんびりした雰囲気が漂う。ついに米軍が県庁前に戦車を出動させ、それを身体を張って止めるという本来緊迫する場面でも(真剣ではあるけど)やっぱりのほほん感を忘れない。ああ、確かにこんな側面があるよねぇ、と地元人なら思わずうなずいてしまいそうだ。