小砂川チトのレビュー一覧

  • 家庭用安心坑夫

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    町田康の絶望成長小説とは言い得て妙。スピード感がこよ狂気と現実の絶望を交錯する。 
    2022年上期芥川賞候補作品

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    2023年09月11日
  • 家庭用安心坑夫

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    自分だけでは読み取りきれない部分が多く、他の人の感想を読むことで面白かったと感じる部分が増していった。坑夫の話を挟むことで小波の現実に直視できないことがより強調されているようで、そこが特に面白かった。

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    2023年08月10日
  • 家庭用安心坑夫

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    小波の存在する現代とツトムの生きていた過去が反復するので少し時系列理解が難しかったです。
    ですが、小波のツトムへの執着心に引き込まれて一日で読み終わりました。ページ数も125ページと、単行本にしてはかなり少ないので、移動時間にも読みやすい作品だなと思いました。

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    2023年04月25日
  • 家庭用安心坑夫

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    ネタバレ

    小波(さなみ)はテレワーク中の夫に日々彼女なりに気を遣いながら生活を送っていたところ、小波の母にとって小波の父だった坑夫のマネキンのツトムが目の前に現れるようになる。入り混じる幻と現実の中で小波はある行動を起こす。

    芥川賞選評で数名の選評委員さん、特に小川洋子さんが本作のツトムに惚れ込んでおられたので俄然興味が沸いて手に取ってみました。

    確かに坑夫だったツトムとマネキンのツトムの下りはかなり面白い。ただし小波の狂気は突拍子もないところがあって読んでいて戸惑ってしまうこともありました。

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    2022年11月08日
  • 家庭用安心坑夫

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    ネタバレ

    純文学。
    読みやすい文体ながら、表現や使う言葉が独特。

    東京で過ごす小波の前にツトム(小波が父だと聞かされていた、マインランド尾去沢にある坑夫の人形)が現れるという、どこからつっこんでいいかわからない設定に惹かれる。

    小波は、食堂にいた会話も笑顔もない母子家族をツトムの新しい家族だと思い込んだり、ツトムと鍋を囲んで誕生日のケーキを食べようと浮き足だったりする。
    苦労すら感じさせる家族を羨ましいと思い、恐らく経験のない家族の団欒を再現しようとするその姿が悲しく虚しい。

    小波が拒絶されたと感じ顔も覚えていない夫は、別に悪い人ではないと思うけれど。サナちゃんと呼んで、専業主婦でいさせてくれて、

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    2025年11月29日
  • 猿の戴冠式

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    難しい純文学ですね。
    多分2度3度読むともっと色んな事を感じると思いました。
    人間と猿どっちのこと言ってるのかなって迷ったりして読んでました。
    けどまた手にとって読んでみたいと思いました。

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    2025年11月05日
  • 家庭用安心坑夫

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    ネタバレ

    最近何らかの受賞作を読むことが自分の中で流行ってるので、芥川賞受賞作として。

    タイトルが何だか馴染みづらい文字並びだなと。「坑夫」っていうところかな。作者さんはお若そうだけど、なぜ坑夫という発想がでてきたのか、キラキラした職業じゃないところに奇妙なリアリティ。

    作品は、正直しんどかった。
    スピード感があり、そんなに長くもない作品なのであっという間に読み終えることができるのだが、主人公の危うさにどこか感情移入してしまうのか、気持ち的に負担が若干大きかった。

    主人公は、端的に表現してしまうと、何らかの精神的な病がある人なのだと思う。語られる視点がその主人公のものなので、読者は頻繁に理解に苦し

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    2025年06月19日
  • 家庭用安心坑夫

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    最初のけろっぴと三越で引き込まれたけど読めば読むほど難しい
    何が本当なのかも分からない
    あれ?さっき夏って言ってたのに雪??となったりしたけど、分からないままに圧倒されて読む
    最後、家に残されたツトムの姿が悲しいけど人間こうしてやりたいと思うとこって絶対にある

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    2025年04月26日
  • 家庭用安心坑夫

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    幼少期に母親から刷り込まれた父親"像"が大人になった主人公を狂わしていく__
    現実と妄想が交錯する異質な世界...必死にしがみついて読みました(ほぼ置いてかれた)これは希薄な親子関係が生んだ狂気なのか?文庫化したら解説読みたい。

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    2024年12月22日
  • 家庭用安心坑夫

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    ネタバレ

    やべえ分かんなかった。
    結局、夫すらも妄想だったということ?
    それとも愛想尽かして出て行ったということ?
    過去と現在、季節すらバグる作品だった。

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    2024年12月03日
  • 家庭用安心坑夫

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    リタイアしそうになりつつ、なんとか読み終えた。
    自分には難解すぎた。置いてきぼりをくらったような感じがする。
    このもやもやをどうしたらいいのか。

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    2024年11月07日
  • 家庭用安心坑夫

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    いかにも芥川賞候補という作品。
    狂気と日常の記憶と現在とが入り交じったという感じ。
    毒親に育てられた人にはちょっと刺さる。
    (まさに私)
    結局だからどうした??という読後感が残った。
    とりあえず読んで見たかったから、良しとする。

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    2024年10月14日
  • 猿の戴冠式

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    どこまで類人猿の描写なのか、分かりづらかったので、感情移入しようとか、その思想に共感や気持ちを寄せようと思っても、それが出来なかった。言葉が話せる生き物とコミニケーション出来たらいいなと思う。子供なら話せるような気もする。うちの犬を見てても、身体で話してるのはわかる。子供同士なら話せるのではと感じる

    人に褒められて載冠するのではなく、自分で自分に載冠する

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    2024年08月26日
  • 家庭用安心坑夫

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    タイトルが全然覚えられなかったが読み終わった後はすんなり入ってきた
    最後まで読んですごく苦しくなった
    幼い頃から刻まれた心の支えと安心できない現実と どう表現したら良いのか分からないけれど、「本当はアイツにこうしたかった」みたいな気持ちはよく分かる

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    2024年05月20日
  • 猿の戴冠式

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    難解な純文学。
    これぞ芥川賞候補作だと頷ける。

    途中で頭が混乱して、しばらく中断したせいか、最後まで分からずじまいだった。けど、2回目に読めばなんだかわかる気がする。

    さて、2回目の気分になるまで、無理に理解するのはやめようっと。

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    2024年04月19日
  • 猿の戴冠式

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    一言で言うと不思議な本。
    人間のように思考する猿と、猿のように不器用な女。
    この話を理解するレベルにはまだ自分が至っていないのかもしれないです。でも、周囲から孤立してしまう孤独感や腹立たしさはすごく共感を得られる部分もあり、いつのまにか読み終わっていました。

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    2024年04月13日
  • 猿の戴冠式

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    面白かったー。
    競歩の選手である主人公のしふみはレース中にとある出来事で炎上し休業状態にある。そんな中、しふみは動物園にいるボノボのシネノに自分を重ねて見るようになっていく───
    最初シネノの視点で物語が進むのだが、読み進めていくと、シネノが見たり感じていることはおそらくしふみの妄想らしい…と分かってくる。
    ボノボはチンパンジーと同様に遺伝子的に人間にとても近い生き物なのだそう。チンパンジーが同種を殺すこともあるほど獰猛な気性がある反面、ボノボは穏やかで同種を殺したりはしない。人間がどちらに近いのかといえば、残念ながらチンパンジーなのだろう。しかし、ボノボのように生きていくことも出来るはずだし

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    2024年03月10日
  • 猿の戴冠式

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    なかなかにごちゃごちゃとさせられた本だった。
    文体の癖は強いわ、展開が突然飛ぶわ……。
    何となく思ったのは、「猿」というメタファーとして現代社会に生きる我々は文化という服を着て歩いているだけで基本は野生の本能に従うだけの低脳で、粗野で、品性の欠けた「猿」そのものなのではないか、という事。
    ネットでの炎上が作品内であげられるのにもそんな事を思った。

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    2024年03月02日
  • 猿の戴冠式

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    どっちがどっちか、度々分からなくなる。
    それが狙いなのかもしれない。
    人の評価ではなく、自分で自分を認めてあげる事こそが、最大の幸福なのだろう。
    でも今の世の中は、生きにくいね。

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    2024年02月24日
  • 猿の戴冠式

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    ネタバレ

    これは…なんというジャンルの物語なのだろう。

    登場するのは動植物園にいるボノボのメス、シネノとアスリートの女性、しふみ。しふみはシネノを見て、お姉ちゃんだと思う…というあらすじが気になって読み始めた。

    読んでいると、誰の視点なのか?これは現実なのか?夢なのか妄想なのか。わからないところもあって、結局最後まで本当のことは何なのかよくわからなかった。(読み取る力がなくてつらい)
    ただ、本当はできることをやらないのは苦しいという文章に、なるほどと思わされた。できないことをやらないのはよい。できることをやらないのは苦しい。確かに。というか、むしろできることから逃げたり面倒だから避けたりしてることで

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    2024年02月18日