マイクル Z リューインのレビュー一覧

  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    スーパーマンではない探偵、こんな探偵は孤独だけど、それなりに人生のカードを配られて過ごしている。読後感は良かった。

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    2025年07月12日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    私立探偵アルバート・サムスンの事務所に訪れた男は、自らを“エイリアンと人とのハーフ”だと言い、自宅が空き巣に入られたから調査して欲しいと依頼した。エイリアンの父が残した手形を取り返したいとのことだが……連作短編集→

    自称エイリアンの息子である依頼人がいいやつで、アルバート・サムスンもいいやつで、でも事件の関係者はそうでもなくて。その、バランスがすごくいい、そんな探偵小説。サムスンの語り口調がいいんだよなぁ。好きな話は最終話の表題作。じんわり、ラストは目の前がぼやけた。→

    3話目も面白い。妻に痩せろと言われて、でもダイエットしたくない夫がサムスンに助けを求める話。なかなか怖い話やった。そうい

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    2023年03月21日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    私立探偵アルバート・サムスンの事務所にやってきた奇妙な青年。話によると彼は「地球外生命体と人間のハーフ」で、最近部屋に空き巣に入られ、宇宙人の父から贈られた貴重な石を盗まれたのだという。その調査を頼まれたサムスンは渋々ながら引き受けるが――新米警察官として奮闘中の愛娘サムの力を時には借りつつ、ユニークな事件の数々を探偵サムスンが解き明かす。

    シリーズ第9作だが、前作と前々作は確か未読のはず。今回は、泣かせます。

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    2022年10月09日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    〈アルバート・サムスン〉シリーズ最新作。今作は連作短編集。自分のことをエイリアンだと言う依頼人。この依頼人とサムスンのやりとりの面白さ。謎と調査、真相ととても読み応えがある。派手な物語ではないのに印象に残り、サムスンと依頼人、娘のサムとの関係性と本当に楽しい。長編も好きだけれど今回のような連作も味わいがありまた読んでみたい。

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    2022年10月06日
  • 祖父の祈り

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    ウイルスが流行り食べ物はフードバンクから提供され、治安は悪く、物もほとんどなく住むところも転々とするような世界。そんななかを生きる老人と娘と孫。まず冒頭の展開から驚かされる。荒廃した世界での暮らししか知らない孫を憂いたり、でも老人の生き方と家族を守ろうとする意志と優しさに心掴まれる。希望が限りなく少なくなっている世界でどう生きていくのか。ラストは希望なのか、違うのか。色んなことに思いを馳せる作品。

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    2022年07月25日
  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    ネタバレ

    自分の読むマイクル・Z・リューイン2作目。
    前に読んだ『祖父の祈り』は正直少々期待外れだったのだが、今作は”アルバート・サムスン”シリーズの4作目にして代表作の新訳版とのことあって、中々に楽しめた。

    もっと出くわしている気がするようで意外と少ない(探偵ものではあるがハードボイルドではなかったり、ハードボイルドではあるが私立探偵でなかったり)チャンドラーの系譜を継ぐザ・海外私立探偵ハードボイルドもの。

    仕事にあぶれ、先細り行く懐事情が心配になる中、調査料割引セールの広告を打って出たサムスンに舞い込んだのは「製薬会社にセールスマンとして勤めている弟が、半年前、勤務中に研究室で事故に遭い意識不明

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    2023年03月12日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    このシリーズは高校生の頃初めて読んで以来のファンだが、前作からかなり間が空いたので久しぶりに読めて嬉しかった。軽く読めて読後感も良くて、改めてシリーズを読み返したくなった。

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    2023年02月23日
  • 祖父の祈り

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    ウイルスのパンデミックにより国の機能は停止。
    自分の身は自分で守るしかない。
    老人は娘と孫のため、崩壊した世界のありとあらゆる物と対決しなければならなかった。
    絶望だけではなく、希望も描かれている(と、思いたい)
    とても読みやすかった。

    ヒデミス!2022 選書で手にした一冊。

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    2023年01月06日
  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    ジョンの姉からの依頼は、短期間で遂行。でも、姉の真意は金で納得感が得られず、ジョンの妻からの依頼として、調査を続ける。何かおかしい。アルバートの正義感に共感するも、だんだん強引な手段を採るので心配になる。アルの娘のサムがいい娘で良かった。アルの父親らしさが感じられて。最終的に暴走の歯止めにはらなかったが。
    何かおかしな事件というところから、後半は大事件に。何を信じればいいのか。アルは自分だけを信じて真実にたどり着く。
    ラストの緊迫感、大逆転。拳銃を持たない私立探偵のハードボイルド。
    骨のある逸品。

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    2022年10月09日
  • 祖父の祈り

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    ハードボイルド刑事ものが有名な作家さんとのことですが、自分は最初に読んだのがこの作品なのでこういうやわらかめな作風なのかなと思ってしまった。
    全体的に読みやすいのでさらっと読んでしまうが、実は深く伝えたいものが見え隠れしている印象。
    訳者さんの手腕によるところですが、とてもよく原本のニュアンスを出している作品という気がしました。

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    2022年09月14日
  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    〈アルバート・サムスン〉シリーズ。爆発事故で半年以上入院している弟になぜ会えないのか調査してほしいとサムスンに依頼がくる。製薬企業が隠そうとしていることをどうにか暴こうとするサムスン。調べるほどに怪しいところが見え始め謎は深まっていく。サムスンとその娘のサムの魅力的な造形と二人のやり取りの面白さも読みどころ。探偵小説としての面白さ、楽しさを存分に味わえる。来月にはシリーズ最新作が刊行されるということで楽しみに待ちたい。

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    2022年08月19日
  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    半年も入院したまま、面会謝絶で安否もわからない弟の様子を調べて。依頼人の女性は憔悴しきっていた。製薬会社でセールスマンとして働く弟が、会社の研究所で爆発事故にあい、以来、社の管理下にあるという。なぜセールス部門の者が研究所内の事故に?不審に思ったわたしは、ガードの堅い会社側に揺さぶりをかける―十数年ぶりに再会した実の娘とともに謎を追う知性派探偵サムスン。

    新版が出たので、28年ぶりに再読。
    細かいところは忘れていたが、大筋は覚えていた通りだった。最新作も楽しみである。

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    2022年08月08日
  • 祖父の祈り

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    ウイルスのパンデミックによって荒廃した世界。治安は著しく悪化し、物資も乏しい。アメリカのある町に暮らす老人は、悪質な犯罪と公権力の横暴に脅かされながらも、娘や孫と懸命に日々を送っていたが……。

    不思議な読後感。
    久しぶりにリューインの作品を読んだ。これを機に、過去作を読み返してみたい。沈黙のセールスマンの新版が出るらしいし。

    ポケミスに限らないことだが、翻訳書の値段が随分高くなった。売れ行きが心配になる。

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    2022年08月03日
  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    少し読みにくかった。なかなか進まず。
    後半にかけてだんだんと面白くなってきたが、それまでが長いし、外国の映画などにもしばしば見られる、よくわからない表現や持って回った言い回しが多い。

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    2024年07月04日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    ネタバレ

    この感じのユーモア、好きです。
    レブロンこと、ヴォルフガングこと、シャーリーこと、ボビーも、このマイペースさが面白い。
    一番魅かれたのは、カテリーナかな笑

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    2024年02月24日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    文庫にしてはせかせか感?もなく、独自の世界観を保っていて、非常に好感が持てた。
    探偵とゆるい事件を描いた短編。仕事場とかでも、心が通じていないと、(そして教養と知性がない、その自覚がない)簡単な説明でも全然通じ合わない。「仕事だから嫌々最低限つきあっている。あわよくば同じ空気吸いたくない」そんな雰囲気で起こるせちがらさ。そういう風味が現代的かなと。タイトルの「お父さん」はあんま意味ない。

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    2023年11月13日
  • 父親たちにまつわる疑問

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     「自分は地球外生命体と人間のハーフ」と名乗る若者から、空き巣に入られて父の贈り物である貴重な石を盗まれたので調査して欲しいという依頼を受け、渋々引き受けたたサムスン。石はなぜ盗まれたのか、そして盗んだのは誰か、という謎を解き明かす「それが僕ですから」を始め、「彼」にまつわる事件を、サムスンが調査するという連作集。
     各編とも短めの中編というところで、サムスンの聞き込みで淡々と進んでいるように見えるものの、それぞれの事件には意外な真相が潜んでいた。

     新米警察官としての愛娘サムとの絡みも面白いし、全体的にとても読みやすい。
     最終収録作の「父親たちにまつわる疑問」では、これまでのシリーズでは

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    2023年09月26日
  • 祖父の祈り

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    コロナ禍の影響が大きく反映されたディストピア小説。

    ディストピア物らしい大事件が起きそうで起きない、老人が過去を懐かしみながら退廃した世界を家族とサバイバルする日常を描いているのが独特。

    事件が起きそうな材料が出てもスルーするからモヤっとする。でもラストは良い。

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    2023年01月01日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    A型を持っているので読んだはずだが、記憶ない。地味めな展開が続くなと思ったら、最後にいきなりの活劇からのしみじみ幕引き。

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    2022年11月20日
  • 沈黙のセールスマン〔新版〕

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    <私立探偵アルバート・サムスン>シリーズ初読み。非タフ&マッチョな温厚で小市民的なキャラクターという先行イメージの所為なのか、思いの外頑固で直情的な人物造形に少々面食らう。ハードボイルド直系の錯綜した人間関係に加え、驚きの真相が飛び出すトリッキーなプロットといい、今作がシリーズ最高傑作と呼ばれるだけのことはある。宮部みゆきさんの<杉村三郎シリーズ>の元ネタだけあって、作中の雰囲気に馴染みやすかった。ラストで炙り出される日常に潜む人間の悪意など、宮部さんや米澤穂信氏が影響を受けたというのも確かに納得出来る。

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    2022年11月14日