マイクル Z リューインのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私立探偵アルバート・サムスンの事務所に訪れた男は、自らを“エイリアンと人とのハーフ”だと言い、自宅が空き巣に入られたから調査して欲しいと依頼した。エイリアンの父が残した手形を取り返したいとのことだが……連作短編集→
自称エイリアンの息子である依頼人がいいやつで、アルバート・サムスンもいいやつで、でも事件の関係者はそうでもなくて。その、バランスがすごくいい、そんな探偵小説。サムスンの語り口調がいいんだよなぁ。好きな話は最終話の表題作。じんわり、ラストは目の前がぼやけた。→
3話目も面白い。妻に痩せろと言われて、でもダイエットしたくない夫がサムスンに助けを求める話。なかなか怖い話やった。そういうことかー!ってなるよね。
このシリーズ、とりあえず一作目からゆっくり読んでいきたい。絶版なんで手に入れにくいのが難点。復刊を!できたら新訳版をくださいー!(笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の読むマイクル・Z・リューイン2作目。
前に読んだ『祖父の祈り』は正直少々期待外れだったのだが、今作は”アルバート・サムスン”シリーズの4作目にして代表作の新訳版とのことあって、中々に楽しめた。
もっと出くわしている気がするようで意外と少ない(探偵ものではあるがハードボイルドではなかったり、ハードボイルドではあるが私立探偵でなかったり)チャンドラーの系譜を継ぐザ・海外私立探偵ハードボイルドもの。
仕事にあぶれ、先細り行く懐事情が心配になる中、調査料割引セールの広告を打って出たサムスンに舞い込んだのは「製薬会社にセールスマンとして勤めている弟が、半年前、勤務中に研究室で事故に遭い意識不明の状態での入院が続いている。面会を求めても断固拒否されるので何とか会えるようにして欲しい」というもの。
早速病院に赴き関係者達に話を聞くが、どうも裏がありそうなほどガードが固く、面会謝絶の理由もあやふやで納得のいかないもの。
そうこうしているうちに別れた妻のもとに居る娘のサムが、夏休みということで単身会いに来る。
仕方がないので助手として仕事を手伝ってもらうことに。
王道らしく最初は依頼人のため、むしろ報酬のためだった調査が、裏にはびこるものの存在を嗅ぎ取るや依頼人そっちのけ、自身の好奇心をエネルギーに利益も危険も顧みず、真相を求めてそこら中をひっくり返す。
その最中交わされるタフぶったもの言いや、厳しい追及に対する茶化したような返答が好き。
ちょっと自己中過ぎじゃあと感じるような強引で軽率な行動が多かったり、娘のサムが”障がいを持っている”という設定がその字面以上には何も影響を出しておらず謎だったり、ちょいちょい気になる部分はあったけど、銃は持たないという信条(最後はぶっぱなしちゃうけど。。。)はこの世界ではユニークで、概ね好感度良。
他の既刊本も新訳されていくのかな。
新訳でたら読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
リューインさんのファミリー物(といっていいのか…?)
病名は書いてないものの、世界的パンデミックにより崩壊したアメリカが舞台。
設定ではあるけれど、この設定が受け入れられるほどにはアメリカでのコロナの被害はすごかったのだろうと思わせる。
感染症で妻を亡くした老人、その娘、孫である少年が、ただ生きているだけの日々。
だけどそこに一匹の犬と、そして一人の少女が合流して、家族の物語が動き出す、というストーリー。
淡々と、フードバンクに並んだり廃墟に忍び込んで暮らしたりといったパンデミックで崩壊した世界を生きる親子の生活と絡めて彼らの過去がわかるのだが、老人も彼の娘も割としんどい過去を持っていることがわかる。それでも、学校も友達も何もかも奪われた少年よりはマシだという気持ちを持つふたり。
少年はそんな祖父と母親に過剰に守られながらも子供らしい冒険心を発揮していく。
少年の姿に気持ちを変えた老人と母親は、家族を守るために、家族の人生を変えるために決断し、行動していく。
崩壊したディストピア世界をこれから生き延びていかなければいけない家族を前に、大人として祖父は決断し行動し、そして祈りを捧げる。
他にもシリーズのように人が死ぬわけでもなければ事件が起こるわけでもない。でもこの世界では毎日の食事を得ること自体が、必死の出来事だったりするわけだ。そしてそんな世の中でも警察がいてバッチを振り回していたり、フードバンクとして食料品を供給するルートがあったりと、権力というのは恐ろしいと感じられる。
正直、小説としてはそこまで「面白い」ものではなかったが、世界が変わったら?ということを想像、喚起させる小説として面白かった。
これをしっかり小説として成り立たせるあたり、さすがベテランと言わざるを得ない。 -
Posted by ブクログ
「自分は地球外生命体と人間のハーフ」と名乗る若者から、空き巣に入られて父の贈り物である貴重な石を盗まれたので調査して欲しいという依頼を受け、渋々引き受けたたサムスン。石はなぜ盗まれたのか、そして盗んだのは誰か、という謎を解き明かす「それが僕ですから」を始め、「彼」にまつわる事件を、サムスンが調査するという連作集。
各編とも短めの中編というところで、サムスンの聞き込みで淡々と進んでいるように見えるものの、それぞれの事件には意外な真相が潜んでいた。
新米警察官としての愛娘サムとの絡みも面白いし、全体的にとても読みやすい。
最終収録作の「父親たちにまつわる疑問」では、これまでのシリーズでは触れられなかったサムスンの父親のことが取り上げられており、そのラストにはホロリとするものがあった。