桐島ノエルのレビュー一覧
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ネタバレ今まで桐島洋子氏の本は読んだことがなかった。
ただ氏に関しては、世間の評判で漠然と、自由奔放に生きてきて、自身も著名な作家でありながら、恋を楽しみ、才能ある子どもたちを育ててきた、、、といった一般的な知識しか持ち合わせていなかった。
しかしこの本を読んで、、、どうだろう!なんと驚くべき行動力と自由な感性、そして恵まれた裕福な家の出身だったことか、ということに驚愕した。
しかも今年亡くなった私の母と同年齢とは、、、
そしてそれほどまでに色々な意味で活発で優れた女性が今はアルツハイマー病であるということに、途方もなく切ない気持ちになる。
ただ、作品は残る。
常に独自の感性で刻まれた数々の文章は、今後も読者を魅了し続けるのだろう。
私も他の作品も読んでみたいと思った。
独自の感性で育てられた子どもたち、(彼らは私と同年代だが)、彼らの人生もまた波瀾万丈であったはずだが、桐島氏を穏やかに見守るファミリーの力強い絆を感じた。
この本は私の中で今年一番の作品でした。 -
Posted by ブクログ
桐島洋子さんが自身と子供たちの人生について途中まで執筆し、その後をかれんさん、ノエルさん、ローランドさんが、まるで渡されたラグビーボールをパスで繋いでいくかのように執筆した作品。
洋子さんが描き出した半生のなんと、ドラマチックで、自由であることか! そして文章の瑞々しいことといったら、本当に他に比べられる作家がいるだろうか。
洋子さんは若い頃、文藝春秋社の社員で、編集者だった。その頃、作家の原稿を取りに行くのに、高原に住む作家のところには馬に乗って取りに行ったり、海辺の作家には泳いでビチャビチャの姿で原稿取りに行っている。こんな方が子供を産むとどうなるか、知っている人も多いと思うが、改めて読む価値は十分にある。
後半は一転して、子供たちの立場からの洋子さん一家の姿が描かれる。やはり、そこには華やかななだけでない複雑な事情が語られる。一度は崩壊しかけた家族の絆が再び結ばれたことがわかる。
若い人が読めば、洋子さんの生き方に刺激を得られるだろうし、子育て中の人が読めば、育児のヒントが得られるかもしれない。年配の人は家族のことを考えるだろう。多くの人にとって示唆に富む本である。
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ネタバレ三菱財閥の一族の1人として育った筆者。舞台は上海、葉山、東京と次々移り変わる。勤務先の文藝春秋には仮病で2ヶ月の休暇をとってる間に第一子かれんを出産。第二子ノエルは世界一周旅行終盤の船上で出産。第三子はベトナム戦争従軍記者として日本を離れいる間に..。そして、3人すべてアメリカ海軍中佐との隠し子なのだから、筆者の人生そのものが小説より奇なり、の面白さ。至って真面目で、大胆不敵。聡明で驚くばかりの行動力。
この小説は前半は桐島洋子の回顧録、後半は筆者洋子の3人の子どもたち、かれん、ノエル、そしてローランドの3人の手記から成っている。子どもの立場から見た親の姿の描写が親である私として、大変面白い。
編集者、文筆家であり母親でもあった洋子の真実と、3人の子どもたちから見る真実。人間として母をリスペクトしそれぞれが母親を支える姿は、複雑でありながら美しいと思う。
常識に囚われて、べき論を掲げてしまう母親である自分に恥ずかしくなりながら、彼女の型破りな行動力と桐島家という血筋に羨ましくもなる一冊。 -
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アルツハイマー性の認知症の家族をもつ人の体験が知りたくて読んでみた。前半は桐島洋子さん自身が書いた半生記。他にもどこかで読んだり聞いたりしたことのある話が多く、多くの人に語るうちに完成した「美化された思い出」という印象。桐島氏自身はシングルマザーになるのを厭わなかったのかもしれないが、結婚している男性が若い女性と付き合うのに、なぜ避妊をしないのだろうか? いくら昔のこととはいえ、理解できない。後半は、子どもたちの側から桐島氏が語られる。有名な母をもつ大変さを語るが、その言葉の端々に一人ひとりのささやかな愛情がのぞく。こちらはリアリティがあって面白い。母にエッセイで描かれていたアメリカでの生活も、一人ひとりのキャラクターの違いと、そのときの年齢によりまったく違う経験として語られる。変わった親をもつ兄弟同士の絆には、特別なものがあるようで、そこも面白かった。
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未婚のまま3人の子どもを出産し、子どもはそれぞれ異なる分野で活躍しているーそんなイメージだけだった桐島洋子さんの自伝。
ノエル出産以降を子どもたちが担当するのは、そういう趣旨かと思っていたら、ノエルさんのあとがきで洋子さんの今を知って驚きました。
私も比較的自分の考えで子育てをしてきて、他の母親とは違う点が多いと思いますが、ここまで自分の信念を貫くことはできなかったなあと思います。
できればノエルさん出産後の人生も、洋子さん本人の書いたものを読みたかったですが、きっと誰にも真似のできない「桐島洋子の生き方」を知ることができてよかったです。
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あの聡明で闊達な著者が認知症になり、連載していた自伝を
子どもたちのかれん、ノエル、ローランドの3人がそれぞれの目線から桐島洋子を描き、完成させた一冊。
若い頃は、いや40過ぎてからも恋多き女で、ノーベル経済学賞の候補だった青木昌彦氏とも事実婚だったことは知らなかった。
アメリカの海軍退役軍人との間に未婚で3人出産し、いざその男タグが奥さんと離婚したのに著者と一緒にならず、他の人と結婚したのには驚いた。
で、ノエル氏の章で最後に結婚した人が虚言癖があり、猫を壁に投げつけるような男だったとか(勝美洋一)。
なんでまたそんな男に惹かれたんだろう。
とにかく、破天荒で自由を愛する人だったというのはわかる。子どもたちもみなそれぞれ自立して立派だし。
(幼い頃はハーフということでだいぶいじめられたらしい)
次女のノエルを出産費用がかからないという理由で各国を航海中の船上で産む、しかもクリスマスの日に。
その章で桐島洋子自身の頁は終わってる。
できれば、最後まで彼女自身の言葉で綴った自伝を読みたかったけど、かれん、ノエル、ローランドのそれぞれのエッセイもそれはそれで面白かった。 -
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ネタバレ「聡明な女は料理がうまい」という素敵なタイトルの著書があることくらいしか桐島洋子を知らないのだが、家族ぐるみで書いた最新刊が出たということで、内容も知らないまま読んでみた。
驚いた。
前半は完全に桐島洋子の自伝である。想像もつかないほどのお嬢様として育ち、戦後ありえないほどの没落を経験し、都立駒場高校から文藝春秋に入って活躍するも婚外子の極秘出産を重ねるため退社、世界一周の末帰国前夜の船上で第二子を出産……とても一人の人間のうえに起こった事実とは思えない経歴である。時代性もあったとはいえ、生粋のヒロイン体質といえるであろう。そのうえとにかく筆が立つので自分自身のことを面白おかしく書き作れるのであるから、なまじなドラマを観るよりも断然面白い。
ところが物語はその第二子誕生でブッツリと途切れてしまい、そこから先は3人の子供たちによるリレーで話が進むのである。それぞれに有名人な子女ではあるが、とても母のようなヒロイン気質でもなければカリスマ性もない。物語は淡々と進み、それなりの山や谷はあるもののカタルシスは特にないまま、現在へと至る桐島洋子とその家族の物語が語られていく。
これはいったい何?
キツネにつままれたような気持ちで「あとがき」にたどり着いた時、はじめて事情がわかった。桐島洋子はアルツハイマー型認知症となり、症状の進行により連載が続けられなくなったため、その続きを子供たちで書き継いだということなのだそう。
病気は不可逆であるからこういう形しかなかった、いや、こういう形ででも前半をそのまま読める形で世に出たのは良かったとは思うが、最後まで桐島洋子の筆で読みたかったというのが正直なところではある。ただその場合は、子どもたち、特に桐島かれんが書いていたような母への愛憎や葛藤はなかなか読み取れない内容になっただろうし、物議を醸した結婚相手との経緯もおそらく全く違った形で語られたであろう。子どもの立場からの客観的な描写を知った後だと、さらに、桐島洋子自身がこの時期をどう書いたかにとても興味が湧くのであるが、これは無い物ねだりかもしれない。
ちなみに、子どもたち3人の文章のうち、上ふたりはまあフツーの文章なのだが、末っ子長男ローランドの文章はなぜかメチャメチャ日本語のうまい外国人のしゃべり口を彷彿とさせた。ピーター・バラカンとかパトリック・ハーランとか。この部分だけ口述筆記だったのかなあ。どうでもいいことでした。 -
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面白くて一気に読んだ。桐島洋子さんのことは全く知らなくて、お子さんの名前を聞いたことがあるくらい。もっと上の世代にはすごく有名なのだろうけど。
前半は洋子さんが、後半は3人のお子さんからそれぞれ桐島ファミリーの人生が語られる。
圧倒されるほど力強いある女性の一生。
(注:ご存命です)
信じられない!と思う話ばかりでびっくり。
戦前のセレブな上海生活、結婚という制度無視の自由な恋愛事情、何より子どもを産む時の腹の座り方。船の上で産む話は衝撃的。
葉山、アメリカ、カナダでの生活。大胆で豪快な人。まっすぐ芯がある。
ただ子どもを預けて自由に働くことは相当反発されただろうなぁ。こんな人がいたなんて!
素敵だとは思うけど、自分の母親は普通でよかったと思ってしまいました笑 -
Posted by ブクログ
小学館の新刊発表会で、大好き桐島かれんさんのプレゼンを聞いてから、読むと決めていた。桐島洋子さんが途中まで完成させていた自伝の続きを、アルツハイマー発症後、3人の子どもたちがそれぞれの視点から書き連ねた。ふんわり尊敬する桐島さんのの理想化された人生、娘息子にとっては過酷な面もあったのだが…かれんさんは一時絶交している…母としては複雑な思いもありつつ人としてこよなく尊敬し、愛している様子が伝わる。
私なんぞ比べるべくもないが、強烈個性の母親、姉ふたりと末弟の3人きょうだいの長女という境遇から、かれんさんを近しくまぶしく感じてきた。このような人になりたい、このような人を育てた桐島マザーはすごいと素直に思う。