齊藤元章のレビュー一覧
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レイ・カーツワイル氏が「ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき」で提唱している特異点(シンギュラリティ)について、エクサスケールのスパーコンピュータがそのカギを握っているとして電力を中心としたエネルギー、衣食住やお金そして生命の未来についてついて考察する600ページを越える大著です。蓄電池や太陽光発電など現在の技術がここまで来ていると説明しての展望や元々医者である著者が死因を分析しての長寿化の話などはとても説得力があるのですが、その先となるエネルギーを始めとして衣食住が無料になるとか不老不死の展開になるとエクサスケールのスパーコンピュータがあれば解決するとの言説に持ってい
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エクサスケールコンピューティングの必要性を訴える啓蒙書。
衣食住がフリーになるという説明の中で国の補助金が当てにされていたり,エクサスケールコンピュータによるシミュレーションが万能であるかのように描写されていたり,やや疑問に思われる部分もある。
しかし,医学分野におけるテクノロジィについては,今後の展望を含め,さすがに著者の専門だけあって興味深い言及がなされている。
テクノロジィの進歩については,現状を踏まえて現実的な見通しが述べられているところも数多く,前特異点経過後の社会がどうなるかについては,ある種の天才である著者の想像力が存分に発揮されており,ざっと一読するだけでも刺激的な書物である。 -
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昨年(2017)の後半頃から、人工知能や資本主義の終焉、というキーワードに絞って、本を読んできましたが、人工知能の発展により技術的特異点(シンギュラリティ)を迎える前に、資本主義の終焉が来る可能性があるようですね。
この本の第一部に書かれていた、お金の高機能化(誰に対しても同じ値段で商品を売るのではなく、お金を使う人・使う対象物、使う状況、タイミングによりお金の価値を変える)が、ブロックチェーン技術などにより可能である、ということが可能になる、という内容(p111)はとても印象的でした。
ついにお金も理想的な機能を持つのでしょうか、今から40年程前に、井上ひさし氏が「吉里吉里人」という小説 -
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ネタバレ・ピケティ
ピケティは、R>Gになることを主張した。
これは、投資家の利益の上昇率が労働者の給与の上昇率を上回ること。今後は、労働者の賃金はむしろ機械に代替されて、減り、資本家の収入がふえる。
→大格差が生まれる。
→このような機会だけで生産する形態を「純粋機械化経済」と呼ぶ
・シニフィエ(言葉の意味そのもの)
言語学者のソシュール
テクノロジーの進化により、シニフィアン(言語を表現する文字や音声)を介さず、シニフィエ(言語の持つ意味そのもの)だけを伝えるようになる。
感覚を伝えることができる。
・モノからの解放
奴隷制度から解放された人編は、次は労働やお金から解放される、。そして、 -
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『エクサスケールの衝撃』の抜粋版というので読み始めたのだけれどなかなか先に進まない間に著者の齊藤元章さんがCEOを務めるPEZY社の助成金不正取得の詐欺事件の容疑で2017年12月に逮捕された。
本の内容、かなり煽り気味だけれども可能性を示すという意味では実のところいいのではと思う。技術の発展によりエネルギー問題が解決され、「衣」「食」「住」の心配から解放される。そして「不労」と「不老」が実現する社会で、次元の違う社会が実現するという。そのために日本でエクサスケールのスーパーコンピューターを開発する必要があると熱く語る。
著者の技術的な背景の正しさに関しては語る資格はない。はったりなのかも -
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この本はスーパーコンピュータを開発している斎藤氏によって書かれたもので、2014年に「エクサスケールの衝撃」という大部(600ページ超)な本のエキスをまとめた本という位置づけのようです。
読み始めるときに「エクサ」という単位に聞き覚えたがなかったので調べてみました、数年前に5テラバイトのハードディスクレコーダーを購入した我が家ですが、その「テラ」の100万倍が、「エクサ」という単位でした。
そんな凄いコンピュータを開発して私達の生活にどう影響するのだろう?と思って開いた本の内容には驚きました。何か既視感を感じたのですが、それは映画「ターミネータ」でした。
確か2045年にコンピュータが人 -
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「よく分かる人工知能」で筆者と対談してた方が書いた本。
なんというか、壮大な妄想本。600ページの7割が妄想で、3割がすごい妄想。多分、3割しか読まなくていい。でも、3割の妄想は絶対読んだほうがいい。そんな不思議な本。
着眼点がおかしい(良い意味で)。言われてみればそうだよね、って思うけれど、絶対に自分一人ではその思考には至れないよなぁという、絶妙な示唆に満ちている。
とりあえず、骨子は「世界=情報」「情報処理装置=コンピュータ」「もんのすごいコンピュータ=エクサスケールコンピュータ」。
よって、世界は、エクサスケールコンピュータの出現で、処理可能になる。
そんな1冊。 -
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本書は著者が2014年12月に「エクサスケールの衝撃」と題して上梓された600ページ近い大作の抜粋版です。2011年11月時点での世界最高のスーパーコンピュータ「京」は10.51Peta フロップス(1秒間に倍精度の浮動小数点演算が何回行えるかを表すコンピュータの演算性能単位)、その「京」の100倍である1000Petaすなわち1Exaのスーパコンピュータを開発して2020年に稼動開始と理化学研究所が発表している。それを受けてエネルギー、社会、人体そして新しい価値観が未来に向けてどのように変化していくかを著者の卓越した創造力で展開している。スーパーコンピュータが社会を大きく変えるにはソフトウェ
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掻い摘んで言うと、”ITの進化により数十年後には、人類は労働から解放される”って事らしいです。ま、それはそれで楽なのかもしれませんが、本当にそれでいいのでしょうか。。。なんか違うんではないかと思うのは私だけでしょうか。確かにコンピューターの性能は飛躍的に上がっており、このまま進歩し続ければコンピューターが何もかもやってくれる世界になってもなんら不思議ではないのですが、そんな世の中で果たして満足出来るのかな。。。あと、あまり本筋には関係ないのですが、著者の歴史観は自分とは合いませんでした。長く海外に住んでいればもうちょっと公平な歴史観を持てるんじゃないかな~。
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人工知能の話ではあるのだけど、マクロ経済の話という方が強かった気がしました
確かにタイトルを読めば、「資本主義を終焉」「特異点」などそれを想像させるキーワードがありますね
個人的にはもうちょっと違った話を期待していた感がありましたね
もっと身近な話
こんな事を人工知能使ったらこうなるかも知れないね
そうなったら我々の世界ってこう変わるかも知れないね
そう変わるとするならそれって資本主義の終わりを意味するかも知れないね
生産活動を全部ロボットがやって、ロボットの同士や自らロボットのメンテナンスができるようになったらコストなしだね
生産されたものをゼロ円かそれに近いコストで買えるようになるね -
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文字ばっかりの分厚い本。医者で、X線画像処理装置などでコンピュータベンチャーをいくつも興した筆者が、ベンチャーでスパコン(7ヶ月の開発期間でGreen500の二位)を作る。筆者の主張は、スパコンが一般的になれば、その演算能力で夢のデバイスが何でも開発でき、労働、金、老いから無縁の楽園が作られる、という話。あまりにもかけ離れていてピンと来ない。私がコンピュータを使い始めてからでさえ、だいぶ、演算能力が向上したが使い方はほとんど変わっていない。そんな人類が、増加した演算能力を有効に使えるのか、結局ゲームしているのか。量的変化が質的変化を起こして人類活動を劇的に変えるためにはどうなるのだろうか?