白水社編集部のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
“その他”の外国文学翻訳者たちの、その言語との出会い、
学習法、翻訳の工夫などの翻訳への道程、文学観を紹介する。
・「その他」の側から世界を見る
ヘブライ語 チベット語 ベンガル語 マヤ語
ノルウェー語バスク語 タイ語 ポルトガル語 チェコ語
各言語での翻訳の参考になる本、その言語のお勧めの文学、
その言語を知るための本、その国を知るための本などの
リスト有り。
ノーベル文学賞で“その他”の外国の文学者が選ばれるとき、
その言語から日本語翻訳された作品があることに驚きます。
そんな“その他”の外国文学翻訳者たちは、どのように
その言語と出会い、翻訳への道を歩んだのか。
きっかけは人それぞれ。 -
Posted by ブクログ
「その他」や「マイナー」扱いされがちな言語――本書ではヘブライ語、チベット語、ベンガル語、マヤ語、ノルウェー語、バスク語、タイ語、ポルトガル語、チェコ語――や文学の研究や翻訳に携わる方々へのインタヴュー。どのような経緯でその言語と出会ったのか、どのような苦労が学習し習得する上であったのか、どのようなきっかけで文学作品を翻訳することになったのか等、興味深い話だった。本書に登場する方々はいずれも翻訳専門ではない点が意外だった。
大型書店の海外文学コーナーでふと、馴染みの無い国・地域/言語/作者の名前の一冊に目が留まり、手を伸ばし購入した経験は誰しもあるだろう。そのような経験そのものの契機をつくり -
Posted by ブクログ
翻訳というものは単に言葉を違う言葉に置き換えるだけのことではなく、文化や歴史、ほかの国との関わりやその言葉がどのように扱われてきたかなどをふまえて作り上げるものであり、その難しさ、おもしろさが書かれている。読まれるときには読者に背景がわかるようにしつつも、作品のおもしろさや流れが損なわれないように翻訳者は苦労する。まえがきにあるとおり、「その国や地域の社会的・歴史的コンテクストと、それを取っ払っても通じる文学としての面白さ」を持つ外国文学を読むことで「「その他」の側から世界を見ること自体が重要なのだ」が、それができるのは翻訳者のおかげだ。この本の中で紹介されている「その他の外国文学」の作品もお
-
Posted by ブクログ
序にあたる部分で韓国文学翻訳者の斎藤真理子さんの文章が良い。英語一強の世界で、”その他”の翻訳者は「でこぼこを埋める人なのか?またはでこぼこはそのままにして、ここに道があるよと示してくれる人なのか?」
どの翻訳者の方も、マイナー言語を選んで翻訳するにあたり、その国・地域の文化や歴史、言語の特徴を知り紹介したい、翻訳にそれを反映させたいと努めておられた。一方で、それ一辺倒でもいけない、単に面白いから訳すのだ、という姿勢もあるようだった。
思えば、外国語の文学作品を読むこと自体がほとんどないし、あっても何語で書かれたかということを意識することは皆無だったように思う。おそらくこれまで読んだもののほぼ -
Posted by ブクログ
外国文学を読むときに、「誰が書いたのか」は見ることはあれど、「訳者は誰か」について考えるのは、かなりの本好きでないとあまりないような気がします。
そして、翻訳そのものも、原書に沿った直訳が好きな人もいれば、意訳を好む人もいます。
今自分が取り組んでいる英語ですら、難しく感じるのに、豊富に教材があるわけでもなく、まして辞書すらない言語に立ち向かっていく、本に出てくる訳者たちは、それぞれがオリジナルの学習法を編み出していて、非常に面白かったです。
共通しているのは、辞書があることの便利さと、現地で学ぶことの有意性でしょうか。
平坦な道では決してない、そして報われるかどうかもわからない、相当 -
Posted by ブクログ
1回目の感想
とても面白かった。外国文学を翻訳で読むことの意味やそれぞれの翻訳者の目指すところなどを知ることができて刺激になった。
2回目
芸術、スポーツ、科学etcの分野でそれぞれに「すごいひと」はいるけれど私にとってのトップオブ「すごいひと」は言葉をあやつるひとだ。あまりにもはるか高みに位置するひとたちなのでめまいがするほどだ。子どもの頃から翻訳文学が好きだったので本当に翻訳者の恩恵をたっぷり受けてきたと思っている。もっともっと文学作品を読みたくなった、もちろん「その他」の外国文学にも挑戦するつもりだ。
2025年2月チェコ語の阿部賢一さんが読売文学賞受賞 -
Posted by ブクログ
私は元々外国語に興味はあるが、外国の文学は人から借りた本や有名な作品のいくつかしか読んでこなかったので、この本で紹介された様な「その他の外国文学」にくくられるものは読んでこなかったように思う。ですが、この本を読んだことで、日本で「マイナー言語」とされている言語で書かれた翻訳本を読んでみたいと思った。
この本でインタビューされていた翻訳者の方たちは元々大学で割とメジャーな言語(フランス語など)を学んでいたが、ひょんなことから別の「マイナー言語」やその作品に見せられ深く学ぶようになった人が多いように感じた。思いがけない面白い出会いはあるのだなと思った。
この本ではそれぞれの翻訳書の方のおすす