主人公は倫理的に欠落しているところがあり、それが結果的に彼を処刑台に送ることになる。彼は人と違うところを持つことで(異邦人であることで)この世界に居場所がなくなったことを最後に受け入れ、救いを拒否する。何ならそれが彼にとっての救いであると言わんばかりの最後。テーマは不条理であるとのことだが、同じくカミュのペストがそれに抗い、最後は克服しながらも常に不条理はそばにあるという終わり方をしたのと比べると対照的な終わり方。異質なものを排除しようとする社会と、不条理を受け入れることによる救いを描いた作品と解釈。