窪田啓作のレビュー一覧

  • 異邦人(新潮文庫)

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    文章表現は少し難しかったが、ここまで人生観を考えされられる作品を初めて読んだ。日本の集団主義的な文化や昨今のSNS普及により同調圧力がより高まっていると感じる。

    田舎のような閉塞的なコミュニティでは、「正解」は周囲が決めるものだったが、大学時代から都市部での生活に変わり、良い意味で他人の関与がなくなり、自身の価値観で成り立つようになった。今まで気づかなかっただけで、不条理を感じていたのかもしれない…

    これから豊かな人生を送るために、
    自身の本音に従って正直に生きたいと思った。


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    2026年04月24日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    「Il faut imaginer Sisyphe heureux」と彼が「シーシュポスの神話」にて述べたように、世界の捉え方は一切、その捉える主体であるその個人の意思によって定められるのだと自身は感じるのである。死という有限、別れ。それら事情に涙が付随するのはそこに我々主体が悲しみをもたらす意味を付随するからであり、その付随する行為は無意識的に思われるようで極めて能動的な営みなのかもしれない。すなわち彼が「慣れ」という言葉を多用するように、世界に溢れる制約=不条理は決してその事象そのものが不条理たるわけではなく、むしろ不条理と捉える我々主体の上に成り立つ概念であり、したがって慣れてしまえば、

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    2026年04月12日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    君は死人のような生き方をしているから、自分が生きているということにさえ、自信がない。私はといえば、両手はからっぽのようだ。しかし、私は自信を持っている。自分について、すべてについて、君より強く、また、私の人生について、来たるべきあの死について。そうだ、私にはこれだけしかない。しかし、少なくとも、この真理が私を捕えていると同じだけ、私はこの真理をしっかり捕えている。

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    2026年04月11日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    僕は言葉の上では絶望したがりなので浅はかにもカフカが好きなんだと思っていたけれど、もしかするとカミュのほうがよっぽど性に合っているのかもしれない。"どうしてこんな悲しいことが起きているのに自分は泣けないのだろうか"と考えた夜があったけれど、あの日の僕が少しだけ慰められた気がした。言葉にすることは、自分を取捨選択するというよりも、自分を言葉のとおりにすることなのかもしれない。だからこそ、ムルソーの極度な誠実主義は彼に黙ることを最善とさせたのだろう。

    僕は極度に自己を中心とした世界に生きている。そのおかげか、所謂倫理観というものを人並みほどは持ち合わせていないらしく(友人に指

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    2026年04月04日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    人が人を裁く時、人間はこうあるべき、という倫理のもと理由をつける。人が神を信仰するのも、何か理由を求めてのことだろう。弱さゆえ、こうすれば救われると信じたい。主人公のルムソーはそんな弱さを超越した自身の真理をもっている。強い光だと思った。夏の太陽みたいに。

    ルムソーの生き様、わたしはめちゃくちゃかっこいいと思ったし憧れすら感じたけど、実際にこんな人間がいたら理解されないんだろうな。悲惨な事件があったとき「何でこんなことが出来るのか理解できない!」という声をよく聞く。犯人の動機、背景を突きつめていく。みんな理由がほしいんだ。

    理由って本当に必要なんだろうか、って考えてしまうね。太陽のせいだと

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    2026年03月11日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    残酷ではないのだろう、きっと何も知らないまま生きていただけ。愛も悲しみも幸せも感じられないまま育ってしまったのだろう。海の美しさに目を奪われながらも怒りや憎しみが抑えきれない彼を誰も許すということはできないのだろうか。何かを訴えかけるような太陽のせいという言葉にやはり引っかかる。考えさせようとしてくる作者が好きだ。

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    2026年02月22日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    今までで一番揺さぶられた小説。主人公ムルソーの言動は読者の生活、人生そのものの基盤を根本から揺るがす。ムルソーは明らかに真理である。そしてそれは悲しいほどに非人間的で無関心な真理である。読んでいて苦しくなるが、これほどの重大な問題を突き付けてくるという意味で素晴らしい小説である。

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    2026年02月21日
  • 異邦人(新潮文庫)

    匿名

    購入済み

    カミュの代表作を読めて良かった。ムルソーと同じことがいつ誰に起こるか分からないことを改めて思い知った。

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    2025年12月13日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    ネタバレ

    大学生のときにゼミで扱った短編集。どれも文学的に工夫がこらされた作品ばかり。カミュがこの短編すべてを書ききるのに10年以上かかった。というのも異邦人、ペストでの成功後、自分の才能の枯渇を覚えたからだ。タイトル通り追放から王国までを綴ってある。この後ノーベル賞を受賞し、遺作となる「最初の人間」を書いたまま交通事故で他界してしまう。なんとも哲学的で悲しくも美しい作品集。

    難解だが歴史や哲学を知っていると読み解くことが出来る。「背教者」は、キリスト教の伝道者が未開の地に赴くが、逆にその地にある宗教に暴力によって改宗させられてしまう。伝道師はすっかり心を奪われ次に訪ねてくる伝道者を叩き潰すように待ち

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    2012年12月20日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    ヨナのエピソード。
    solitaire(孤独)とsolidaire(連帯)。
    一人の時間は他者と時間を共有するために
    とても大切なもの。

    カミュは好きな作家です。

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    2010年06月19日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    短編集だけどどれもストーリーが続いてるのかなと思えるところがあって面白い。大して読んでない中カミュで一番好き

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    2010年04月29日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    カミュは短命の作家であり、この短編集は最晩年の作品です。世に不条理を問い続けたノーベル賞作家の唯一の短編集を収録。

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    2009年10月04日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

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    いやぁ〜びっくりしたね。これ。こんだけ俺と似たような体験をしたひとがいるのかと恐怖さえ感じました。いわゆるいい人の内面が深く描写されてます。スタイルも独特。転落の原因なんて”ささいなこと”である、ってのも俺の哲学と見事に一致。

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    2009年10月04日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    読みづらさは感じなかった。
    ペストは挫折しちゃったけど。

    怖かった。自分の考えが人と違って、誰もそれを聞いてくれなくてどんどん先に進んでいっちゃって。
    比喩的表現とか根本的なテーマとかは全く分からないけど、単純に面白かった。

    人として生きていくには、人にならないとダメなんだ。
    人のフリをしていないと。
    そうじゃない人は異邦人として扱われ、阻害されちゃうのかな。多分そうだと思う。
    けど、ある程度集団でやっていくには仕方ないって思う。
    私も親が死んだ翌日映画を見れちゃう気がするけど、私は人をするのが上手いと思う。

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    2026年05月09日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    ネタバレ

     人は行為ではなく、「社会にとって理解できるか」で裁かれるのではないか。
     ムルソーが問題視されたのは殺人そのものよりも、母の死への無感情や神を信じない態度であった。このことに強い違和感を覚えた。
     太陽や光によってムルソーの内面を外の世界で可視化しているようで好きな表現だった。

     最終的にムルソーは「意味のない世界」を受け入れるが、それは絶望ではなく、他者の価値に依存しない在り方の選択であるのか。

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    2026年05月03日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    主人公は結婚、罪、死、愛情など多くの一般的な人が心を動かされるもの、意味付けをするものに、意味を見出さない。
    それは周りから見たら無感情で冷酷で残酷な人間に見えるのだろう。けれど主人公は意味を見出さないだけで、その時に「面白い」「可哀想」「抱きしめたい」などの感情や欲求はあるように見える。そして共感性は無いに等しい。

    裁判の場面ではひたすら主人公が亡くなった母親に対して薄情であった、感情のない残酷な男だということが主張されていた。
    彼が犯した「殺人」ということより、感情の無いこと、冷酷な人間であることが繰り返し主張され、その部分を糾弾されていた。
    人々はその主張を聞いて、また彼のありのままの

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    2026年05月01日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    友人に突然プレゼントされて、事前情報なしに読んだ。

    全編にわたってムルソーの独白で進行していくので、読みながらムルソーの人物像を把握しようとしたけど、妙に違和感を抱いたり道理に合わないことを言っているような気がしていて、読み違えているのかな...?と思ったりしたけど、元々そういう人物として描かれていたというわけで。

    主体性に欠けるというか、自身に関することを自分事として捉えられず(客観的に捉えることしかできず)、そしてあまりにも純真すぎる(ので「太陽が眩しかったから」という、嘘偽りのない事実だけれどもそのままでは理屈に合わない供述をする?)、ということぐらいしか掴めなかった...

    タイト

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    2026年04月26日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    説得力が凄い文章だった、主人公の生きていく行動は非常にフラットに描かれていたのが最後あたりになるとそれまでの反動、生きていることに対する感謝が爆発し物語は美しい結末を迎える。

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    2026年04月12日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    太陽や暑さの描写はよく伝わってきたけど、母の死で泣かないところとか、死刑を前にしても絶望しない主人公から心情を読み取るのは難しかった。でも、実際人間の気持ちなんて本人にしか分からないのだし、その状況になってみないと分からない。無いものを想像することと相手の立場を想像することは別で、想像力の在り方について考えさせられた。

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    2026年04月12日
  • 異邦人(新潮文庫)

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    短い割に読み終えるのに時間がかかった。ムルソーは大多数の人にとって嫌な奴じゃないしむしろいい奴の部類に入るんだけど、結果的に損するタイプ。裁判の時にムルソーがありのままを話すのか嘘を重ねるべきだったのか正解はわからないけれど、就活してる身としてはこいつはどこにも就職できないだろうなと感じると同時に、少し羨ましくも思った。あとがきにも述べられていたが、一見ムルソーの回想録の様にも思われるけどもし自分で書いたならレトランジェという題名には違和感があるので私も別人が書いたものじゃないかなーと感じている。

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    2026年04月07日