窪田啓作のレビュー一覧
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ネタバレ実存主義を調べていたところ、アルベール・カミュの「異邦人」が出てきたため読んでみた。
この世界に意味などなく、だから自分で生きる意味を切り開いていける。
この主人公は嘘をつくのを嫌っていた。母が死んだ翌日に笑い転げて、人を殺した理由を太陽のせいと言う。裁判の時も嘘をつかなかった。最後は処刑されて幸せだと言った。嘘をつかないことが幸せだったのかはわからない。
不条理に抗っている。死を悲しみ、人を愛しているかと聞かれて「愛している」とは言わない。演技をしない主人公だ。
どれだけ私という生が無意味かを自覚さねばいけないと思った。私は不自由であると自覚するところから自由は始まるのではないかと。 -
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本屋さんで冒頭を読み気になり、名作と知り購入
人としての道徳、倫理観というか禁忌みたいなものを侵しまくっている正直な主人公。拒否反応を感じるのは、自分もそうあれたらという羨望からなのかそうであってはいけないと信じたいからなのか
彼が裁かれている理由が殺人ではなく、彼の人間性にあるところ。人が社会で生きていくために適応していかざるを得ない部分を削ぎおとした彼の存在が、自分達の立場やこれまでを揺るがす不安はよく分かる
殺人の理由は「太陽のせい」。あの描写を読んでいたらそうとしか言えないのも頷ける。
感情、感覚は言葉より先にあってこの世には言葉にならないことばかりなのに、全ての事柄に言葉での説明を求 -
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ネタバレ主人公ムルソーが自らを語るストーリーでありながら、終始傍観者のような口調で進む事の異質さ。
近しい誰かを失った時に、必ず涙を流さなくてはいけないのか?、悲しいですと言わなくてはならないのか?、映画を見て笑い転げることは不謹慎なのか?、感情を社会に合わせるべきか、これらをムルソーは偽らない。私には少々分かり得ない心情を描いた作品でした。
母を亡くした翌日に女性と海で遊び、喜劇映画を鑑賞し、求婚されるも他人事、そして太陽が眩しかったからという理由で人を射殺する。
ムルソーは母親に対して特別憎しみを持つ訳でも無く、ただ純粋に「無関心」だったのだろう。
憎しみを持っ -
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客 が一番すき。
伝わらない善意、それがどこまで行っても善意でありそれもまた、示し合わせの上にあるということ、そして人間はどこまで行っても人間で、その暴力性や理解しがたさも、’人間'という言葉でひとくくりに、理解しえてしまうこと多義性というよりも、その環境下であらゆるかたちに変化?順応?していく生き物としてのうーん、ずる賢さ?狡猾さ?を、それと意識せず体得している それを上から眺める(便宜上この言葉で表現します)箱庭感、というのか、心情がビシビシに伝わってくる劇、お芝居、舞台をみているようだ
涙するまで生きるも観た。アンサーと、願望がないまぜになった映画。わたしはとても好き.
やる -
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ネタバレあらすじに書いてあることがまさにそのまま起きる。
ただ、あらすじを読んだ感じではワルでサイコパスなよくあるエンタメ小説の殺人鬼みたいな主人公なのかとおもってたけど、実際は淡々としている主人公だった。
あらすじには一貫性がない男、と書かれているけど、私には一貫して無関心で他者に共感する心がない無神論者というようにかんじた。
他人がどう思おうがどうしたかろうが、まぁ自分に不都合がなければそれでいいのではないかというような徹底した無関心。
他人を理解しようとも理解されようともしないから、最後の牧師のようにズカズカ心に踏み込んでくる他者は煩わしい以外の何者でもないのかとおもった。
彼のなかには彼し -
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私には難しかった。
裁かれたのは、実は殺人そのもの以上に
「普通じゃないこと」だったとも読める。
ラストのムルソーの爆発した感情が理解できなかった。
ムルソーは感情がない訳では無い。
人にコントロールされる事を極端に拒んでいる。
・遅かれ早かれどうせみんないつか死ぬ
・結局において、人が慣れてしまえない考えなんてものはないのだ
・私に死刑を与えたのは、人間の裁きだ。
罪というものは何だか私には分からない
ただ私が罪人だということを人から教えられただけだ
・私は初めて、世界の優しい無関心に心を開いた。
・君は死人のような生き方をしているから、自分が生きているということにさえ、自身がない。わた -
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手元にあったこと、犯罪小説を強化して読もうと思っていたこと(無論、犯罪事態に興味があるわけではなく、勉強の必要性があり……と言う背景)から読んだ。古典的名作であること以外は知らなかったが、思った以上に読みやすいというのが第一印象。
ムルソーは母親が死んだ翌日に女を抱き、「太陽がまぶしいから」という供述のもと人を殺す。これだけ読むと異常者に見えるのがこの本を読んでいる間の彼の行動は極度に異常なものではなく、一般的な人の思考様式のひとつ……と思えてしまう側面もあるのだ。
ただ、彼のなかには激しい欲求があり、それを抑えることのできない人間である、ということはひしひしと伝わっている。女に感じる性的 -
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ネタバレ裏表紙のあらすじ全部がネタバレでショックだった。
この本は、第1部と第2部に分けられて構成されている訳だが、第1部の文章が読みづらくて頑張ってざっくりと理解しながら読んだ。
老人がショートカットを駆使して葬儀の列に追いつく逞しさが滑稽でお気に入り。
第2部では刑務所で主人公が生活に順応していくさまが淡々と描かれていて、罰をうけている風に感じさせなくてちょっとだけ独房で過ごしてみたくなった。
その後の裁判シーンの罪の基準が人間性に重きを起きすぎているように感じでいまいち入り込めなかった。
不条理さにもあまりピンとこず…
共感能力の薄い順応力の高い男の話?
あまりに全体にピンとこなかったので -
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快不快、関心無関心をベースに皆生きているも、その内容が大多数と同じようにチューニングされていないと異邦人になってしまう
電車の軋み、夜がおりる前の空のざわめき、マリイとの触れ合い。主人公が思考を挟まずに五感レベルで味わっていた快感、不快感と同じように、社会が回りやすいように調節された場面-感情-行動の条件付けに従うことが五感レベルで皆には染み付いている
足で踏み締める砂の感覚が心地いい、焼けるような太陽の日差しが鬱陶しい、これらの感覚が肉体にとって真実でしかないのと同じように、さまざまな観念が知覚器官を通じて真にそこにあるものと判断される
一枚思考を隔てはするが、知覚の異なる他者の目にどう映る