窪田啓作のレビュー一覧

  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     人は行為ではなく、「社会にとって理解できるか」で裁かれるのではないか。
     ムルソーが問題視されたのは殺人そのものよりも、母の死への無感情や神を信じない態度であった。このことに強い違和感を覚えた。
     太陽や光によってムルソーの内面を外の世界で可視化しているようで好きな表現だった。

     最終的にムルソーは「意味のない世界」を受け入れるが、それは絶望ではなく、他者の価値に依存しない在り方の選択であるのか。

    0
    2026年05月03日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    主人公は結婚、罪、死、愛情など多くの一般的な人が心を動かされるもの、意味付けをするものに、意味を見出さない。
    それは周りから見たら無感情で冷酷で残酷な人間に見えるのだろう。けれど主人公は意味を見出さないだけで、その時に「面白い」「可哀想」「抱きしめたい」などの感情や欲求はあるように見える。そして共感性は無いに等しい。

    裁判の場面ではひたすら主人公が亡くなった母親に対して薄情であった、感情のない残酷な男だということが主張されていた。
    彼が犯した「殺人」ということより、感情の無いこと、冷酷な人間であることが繰り返し主張され、その部分を糾弾されていた。
    人々はその主張を聞いて、また彼のありのままの

    0
    2026年05月01日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    友人に突然プレゼントされて、事前情報なしに読んだ。

    全編にわたってムルソーの独白で進行していくので、読みながらムルソーの人物像を把握しようとしたけど、妙に違和感を抱いたり道理に合わないことを言っているような気がしていて、読み違えているのかな...?と思ったりしたけど、元々そういう人物として描かれていたというわけで。

    主体性に欠けるというか、自身に関することを自分事として捉えられず(客観的に捉えることしかできず)、そしてあまりにも純真すぎる(ので「太陽が眩しかったから」という、嘘偽りのない事実だけれどもそのままでは理屈に合わない供述をする?)、ということぐらいしか掴めなかった...

    タイト

    0
    2026年04月26日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    説得力が凄い文章だった、主人公の生きていく行動は非常にフラットに描かれていたのが最後あたりになるとそれまでの反動、生きていることに対する感謝が爆発し物語は美しい結末を迎える。

    0
    2026年04月12日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    太陽や暑さの描写はよく伝わってきたけど、母の死で泣かないところとか、死刑を前にしても絶望しない主人公から心情を読み取るのは難しかった。でも、実際人間の気持ちなんて本人にしか分からないのだし、その状況になってみないと分からない。無いものを想像することと相手の立場を想像することは別で、想像力の在り方について考えさせられた。

    0
    2026年04月12日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    短い割に読み終えるのに時間がかかった。ムルソーは大多数の人にとって嫌な奴じゃないしむしろいい奴の部類に入るんだけど、結果的に損するタイプ。裁判の時にムルソーがありのままを話すのか嘘を重ねるべきだったのか正解はわからないけれど、就活してる身としてはこいつはどこにも就職できないだろうなと感じると同時に、少し羨ましくも思った。あとがきにも述べられていたが、一見ムルソーの回想録の様にも思われるけどもし自分で書いたならレトランジェという題名には違和感があるので私も別人が書いたものじゃないかなーと感じている。

    0
    2026年04月07日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    実存主義を調べていたところ、アルベール・カミュの「異邦人」が出てきたため読んでみた。
    この世界に意味などなく、だから自分で生きる意味を切り開いていける。
    この主人公は嘘をつくのを嫌っていた。母が死んだ翌日に笑い転げて、人を殺した理由を太陽のせいと言う。裁判の時も嘘をつかなかった。最後は処刑されて幸せだと言った。嘘をつかないことが幸せだったのかはわからない。
    不条理に抗っている。死を悲しみ、人を愛しているかと聞かれて「愛している」とは言わない。演技をしない主人公だ。
    どれだけ私という生が無意味かを自覚さねばいけないと思った。私は不自由であると自覚するところから自由は始まるのではないかと。

    0
    2026年04月05日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    当たり前を演じることを強要する社会に対する不条理を訴える作品だと私は捉えた。
    ムルソーは多分、自分を生き続けたのだろう。求められる行動や信仰をせず、その様子は周りからすれば異邦人だったのかもしれない。ただ、皆が死刑囚、死を待つ定めの中で、自分を生きることがどれだけ大切でどれだけ難しいか。そんなことを考えさせられる作品であった。ムルソーの思想とカミュの思想は近しいのだろうが、自分には、それらを言語化する能力がないことが悔やまれる。

    0
    2026年07月03日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    背表紙に書いてある概要がそのままこの小説の起承転結。
    母の死、殺害、処刑。

    この主人公に私は共感できない。できないけれど、でも、ムルソーが自然から受け取る感動は美しい。太陽と海と光から彼が紡ぐ言葉や感情は代え難い。感受性が豊かで、それを羨ましくさえ思う。
    手を伸ばし愛を求めたら、ぴしゃりと拒否されてしまうとしても。

    異邦人は、
    人間の複雑性を描いている作品なのかと思った。
    もしくはサイコパスと私たちの距離を。
    でもそうではなく、なぜか読後、
    感じてしまうのは、
    社会側の、秩序側の、複雑性、寛容性のなさだった。

    道徳とは?という問いよりも
    人間とは?という問いに帰結する。

    読み終えて、あ

    0
    2026年06月10日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    客 が一番すき。
    伝わらない善意、それがどこまで行っても善意でありそれもまた、示し合わせの上にあるということ、そして人間はどこまで行っても人間で、その暴力性や理解しがたさも、’人間'という言葉でひとくくりに、理解しえてしまうこと多義性というよりも、その環境下であらゆるかたちに変化?順応?していく生き物としてのうーん、ずる賢さ?狡猾さ?を、それと意識せず体得している それを上から眺める(便宜上この言葉で表現します)箱庭感、というのか、心情がビシビシに伝わってくる劇、お芝居、舞台をみているようだ

    涙するまで生きるも観た。アンサーと、願望がないまぜになった映画。わたしはとても好き.
    やる

    0
    2023年04月12日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    転落とその他短編がいくつか載っているが、転落のみを読む。多分読むのは二回目。

    上流階級にいた人が、人生のむなしさを感じ、自らの意思で浮浪者のような暮らしをする。というのがそもそもの粗筋かな。

    粗筋からして低俗な感じは受けるが、結局それがカミュの魅力なのかもしれない。
    カミュの場合は、人間の暮らしに近いところを書いていて、人間とは何かとか正義とは何かとか、にはあんまり近寄らない。だからこそ、悩んでいるときや青春時代に読むと感動するのではないかと思った。

    0
    2022年05月21日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「わたしはあと何年残っているかを数えてみました。()そしてわたしには自分の義務をまっとうするだけの時間がないという考えに悩まされたんです。なんの義務かですって?分かりません。」
    「最後の審判を待つのはおやめなさい。それは毎日行われているんですから」
    カミュの場合、ジュネの場合を考えて、サルトルという人のことを考えてみたりする。サルトルの何を?わかりません。

    0
    2018年11月24日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    酒飲んだ後に橋を渡るくだりのとこが好き。カミュは基本小難しいので、これくらい適度に断片的な方がいいでしょう。「異邦人」に感動したので、別テイストのこちらに触れられたのも良かったです。ポップ哲学に合掌!

    0
    2011年05月08日
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    中編『転落』と、六つの短編からなる『追放と王国』。
    転落:カミュの作品の中では異質な暗さ。じっとりとしたような。しかしそれでいてスッと入ってくるカミュの思想。
    追放と王国:舞台もそれぞれな話の中、様々な形で描かれている「追放」のさまと「王国」の姿。「王国」が現れるならそれでいい、というわけではもちろんないのだが、それを拠り所にして生に立ち向かうような力強さを感じる。

    0
    2010年06月06日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ムルソー視点から見える情景が映像や匂いの感覚としてリアルに感じ取れる…ママンの葬儀、マリィとの海辺での抱擁、ムルソーのアパートでのやり取り…断片的だがはっきりと当時の生活が脳裏に映し出された…凄い…
    ムルソーはアルジェリア出身だし宗教感も違うから犯罪を犯した場合、フランス人とは違う扱い方をされている…
    性格も自分の気持ちに嘘偽りなく正直な発言…でもオブラートに包んだり、場の空気を読んで演出したりしない…いわゆるドライな人物…
    死刑が宣告されても今死ぬのも年老いて死ぬのも同じという考え…で恩赦請求もしない…
    ムルソーにとってフランスは生きづらい国でそれを紛らわせる為現在を騙し騙し生きてただけだっ

    0
    2026年07月08日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ザ・現実主義みたいな。
    真実はいい!事実はこう!みたいな。
    え、サイコパス?
    何で4発後で発砲したんやろ…
    何が面白かったって、最後の年譜が面白かった。

    0
    2026年06月10日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今の私には正直難しかった。筋書きは単純だけど、とても重厚で深い。
    もう少し年齢を重ねたときに読み直せば、また違ったふうに感じるのだろうなと思う。

    0
    2026年05月25日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     周りの人たちは主人公を受け入れるために、自身が理解できる範疇で様々な解釈を押し付けていたけれど、欲しかったのはそんなものではなくて、受容も理解もいらないから、ただありのままに存在させてほしかったのかな。

    0
    2026年04月28日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私には難しかった。

    裁かれたのは、実は殺人そのもの以上に
    「普通じゃないこと」だったとも読める。

    ラストのムルソーの爆発した感情が理解できなかった。
    ムルソーは感情がない訳では無い。
    人にコントロールされる事を極端に拒んでいる。
    ・遅かれ早かれどうせみんないつか死ぬ
    ・結局において、人が慣れてしまえない考えなんてものはないのだ
    ・私に死刑を与えたのは、人間の裁きだ。
    罪というものは何だか私には分からない
    ただ私が罪人だということを人から教えられただけだ
    ・私は初めて、世界の優しい無関心に心を開いた。
    ・君は死人のような生き方をしているから、自分が生きているということにさえ、自身がない。わた

    0
    2026年04月02日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    裏表紙のあらすじ全部がネタバレでショックだった。

    この本は、第1部と第2部に分けられて構成されている訳だが、第1部の文章が読みづらくて頑張ってざっくりと理解しながら読んだ。
    老人がショートカットを駆使して葬儀の列に追いつく逞しさが滑稽でお気に入り。
    第2部では刑務所で主人公が生活に順応していくさまが淡々と描かれていて、罰をうけている風に感じさせなくてちょっとだけ独房で過ごしてみたくなった。

    その後の裁判シーンの罪の基準が人間性に重きを起きすぎているように感じでいまいち入り込めなかった。

    不条理さにもあまりピンとこず…
    共感能力の薄い順応力の高い男の話?
    あまりに全体にピンとこなかったので

    0
    2026年04月17日