ジョーミラーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書『mRNAワクチンの衝撃: コロナ制圧と医療の未来』は コロナワクチンを開発した会社の1つであるドイツのビオンテックを取り上げたノンフィクションだ。 日本では同じようにmRNAを用いたワクチン開発会社であるモデルナはよく知られているが、ビオンテックについてはあまり知られていないかもしれない。本書にも詳しく買いてあるが、それほど規模が大きくなかったビオンテックはワクチン配布にあたってはファイザーと提携しており、日本では”ファイザー”ワクチンと呼ばれていたからだ。
生物を真面目に勉強した人をのぞいて、コロナワクチンが広く利用されるようになるまではRNAという単語を知っている人はほとんどいなか -
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Posted by ブクログ
【はじめに】
2019年末に中国で発生したコロナウィルスは瞬く間に世界中に拡散し、多くの命を奪い、社会的・経済的損失を拡大させた。コロナワクチンは、その影響の際限のない拡大を今ある程度までに抑えることに大きく貢献することとなった。本書は、このコロナワクチンが驚くべき速度で開発された成功ストーリーについて書かれている。
著者のジョー・ミラーは、ファイザー製ワクチン開発の主役となったビオンテック社を中心に多くの関係者にインタビューを行った。創業者のウールとエズレム夫妻が本書の主役だが、ビオンテックのその他の数多くの社員や投資家、ファイザーの重役・社員も実名で登場し、人間ドラマも含めて開発物語が紡 -
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Posted by ブクログ
“Project Light Speed” ビオンテック社 光速のワクチン開発全記録
今も世界中で繰り返し接種されているCOVID-19に対するmRNAワクチンの代表選手、ファイザーのワクチンの開発の全プロセスがわかる一冊です。ファイザーのワクチンとは言っても、ファイザーはいわば発売元であり開発・製造しているのはドイツの会社ビオンテック社です。
ビオンテック社はトルコ系ドイツ人(ドイツが労働力不足からトルコ移民を多数受け入れていた時代に移民してきたトルコ人の二世)夫妻が2008年に作った会社。夫妻とはウール・シャヒンとエズレム・テュレジです。それぞれケルン大学とザールラント大学出身の医師で -
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Posted by ブクログ
ネタバレコロナもあまり騒がれなくなったので復習の一冊。
ファイザーワクチンの製造経緯を語った本書なのだけど、実はある科学者夫婦が立ち上げたビオンテック社がメインで作り上げていた…など全然知らんことだらけだった。
mRNAってのはタンパク質を作るように指示する設計図みたいなモノなんだけど、それをコロナに対応するようにする…というのが大筋の発想かな。mRNAワクチンの最大の特徴は、通常のワクチンと違って人の身体自身に抗体を作らせる点。生物学的薬剤とかに近い考えかもね。
しかしワクチン供給のタイミングが妙に早いと思っていたら、こんなスゲー背景があったとはね…。どちらかというとビジネス書としての色が強い -
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Posted by ブクログ
mRNAとは全ての人間と動物の細胞に存在する、特定パターンの分子。
それがいわば生物において暗号を運ぶ使者のような役割を果たしている。
この分子はDNAから細胞内の工場のような場所に一連の指示を運ぶ。
そこで運ばれた情報をもとに、体の臓器や組織を形作りコントロールするための必須タンパク質が作られる。
uRNA(ウリジン含有mRNA)
saRNA(自己増殖mRNA)スパイクタンパク質全体をコードするワクチン。
modRNAとはスパイクタンパク質全体をコードするワクチンの中で、コブ状の突出部のヌクレオシド配列を調整したもの。
ビオンテックのワクチンにはmodRNA(修飾ヌクレオシドmRN -
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Posted by ブクログ
ファイザー社と組み、11カ月という常識外のスピードで世界初の新型コロナワクチンの開発に成功したビオンテック社。「医療界のゲームチェンジャー」として一躍脚光を浴びているmRNA医薬の技術で世界の最先端を走るバイオ企業の創業者/研究者夫妻に密着取材した迫真のドキュメント。
非常にタイムリーな話題がここまで早く翻訳までされて我々の手元に届くとはまずスピード感にびっくりする、コロナワクチンの裏側を描いた作品。本当にすごい科学者が世の中にはいるんだなと胸が熱くなった。政治とは距離を置きながらも、ひとりひとりの命を救ってくれたのは彼らなんだ・・・ととても感動しました。日本ではファイザーの名前が独り歩きして -
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Posted by ブクログ
コロナワクチンは、どうやらこれまでのワクチンとは違い医療界の革命だったらしく、どのようなものなのか気になったので読んだ。
コロナ関連のニュースはあまり見ていなかったので、なんとなくファイザーかモデルナかどっちかの企業がワクチンを作ったと思っていたのだが、違っていた。
実際には、バイオンテックというそれまで無名だった医療メーカーが、当社の画期的な癌治療技術を用いて開発したものだった。
(大規模な治験や流通の段階から、ファイザーと協力した。モデルナはその何週間か後に独自で完成させたらしい。)
本書は、画期的なワクチンの仕組みはもちろんだが、どちらかといえば、優れた洞察力と素早い判断力によって、 -