紺野大地のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
脳科学と人工知能の最新の研究動向、この2つの分野の融合研究に関して、有名なトピックを数多く含む幅広い分野について分かりやすく解説がされており、現在の研究の全体状況を概観できる内容となっている。
全体として素晴らしい内容であったが、一つ疑問に思ったのは、作者が「ここまでの話を聞いて、みなさん自身はNeuralinkの電極を脳に埋め込みたいと思うでしょうか?」と、リスクを負って電極を脳に埋め込むことを多くの人が拒否するだろうと考えている点である。
私自身は、多少のリスクがあっても、若い頃の記憶力や頭の回転を取り戻せるのならトライしてみたいし、手術をすれば、誰でも簡単に東大に入れる頭脳が手に入る -
Posted by ブクログ
脳科学研究の社会応用の歴史と現状、今後がまとめられている本です。内容は読みやすく、専門外の人でも苦労なく読めると思います。現状でもかなり興味深いことができているということが、本書を読めば分かると思います。
ただ、序盤に「脳科学が発展した架空の世界ではこんな風になりますよ。ね、素晴らしい世界でしょう?」といった雰囲気で語りかけられるような箇所がありますが、ディストピアにしか思えませんでした(特にご飯を栄養剤だけで済ますという箇所)。
自分が脳の研究をしているので内容は知っているものも多かったですが、機械学習分野が大きな投資を得たことで急速に発展したように、神経科学分野も今後大きな投資を受ければ一 -
Posted by ブクログ
久しぶりに小説以外の本。
脳とはまだまだ解明されていない分野だとは知っていたけど、それをAIとつないだらどうなるか、という側面で描かれた本。
こんな研究が進んでいるのかとか、
AIがここまでできるようになってるのかとか、
知らないことがいっぱいあった。
その中で、人間らしいとは、AIには出来ないことはなんだ?とか考えてたけど、AIも人間しかできないと言われている領域に踏み込んできていることが描かれていて、驚いた。
人間しかできないこと、というよりは、いい所をもらって、刺激してもらって、より良くなっていくという未来の話は、映画のようだと思った。
この本で書かれている内容が50〜100年 -
Posted by ブクログ
脳研究、人工知能研究いずれも近年急速に進歩している分野であるが、両者を組み合わせたならばどれほどのことができるのか、最先端の興味深い事例が多数紹介される。
イーロン・マスク率いるNeuralinkの取組では、アカデミアとインダストリーの繋がりにより短期間で驚異的なブレイクスルーが実現されているが、豊富な資金力と高性能のコンピュータを擁する者の強みが実感される。(治療目的ではあるが、脳に電極を埋め込んだりと、SFに現実が近づいている感がした。)
著者は、東京大学「池谷脳AI融合プロジェクトに所属しているが、同プロジェクトでは、脳の未知なる能力をAIを用いて開拓することで、脳の潜在性の臨界