森島恒雄のレビュー一覧

  • 魔女狩り

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    魔女狩りとは、異端を排除するためのものだったのだ。
    最初は教会も自分達の教えにそぐわないものに対してもおおよそ慣用であった。
    しかし、自分達の地位を脅かすと判断したとたん、強硬的な姿勢を露にした。
    疑わしいものは罰する。そのような姿勢のもと、残虐な魔女狩りが中世の時代には行われていたのである。
    恐ろしいものだ。人は自らの地位を脅かすものや思いどおりにならないものに対して、時と場合によってはこんなにも残虐になれるのだ。
    中世ヨーロッパと比較すると認識が弱いかもしれないが、今でもあらゆる領域において魔女狩りは行われているのだろう。これからもずっと。

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    2021年06月16日
  • 魔女狩り

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    15~17世紀の中世ヨーロッパで、「魔女狩り」の嵐が吹き荒れた。
    それは、異端審問(inquisitio pravitatis hereticae)ともっともらしく呼ばれながらも、実のところ「狩り」というのがふさわしい、野蛮で残酷な狂気の沙汰であった。

    「魔女」と見なされたのは、女性ばかりではない。男性も「魔女」として裁かれることがあった。年齢も問わず、幼児から老人まで、まさに老若男女、さまざまな人々が「魔女」の疑いをかけられた。身分階層も関係なく、昨日は学識ある紳士・純潔な乙女と呼ばれても、今日「魔女」にされることもあった。彼らの多くは、いやすべてと言ってよいのだろうが、もちろん「魔女」で

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    2020年06月11日
  • 魔女狩り

    購入済み

    宗教は結局、専制体制の道具。

    結局、時の為政者が愚なる民を家畜と設えるツールとしてしか機能しない。
    民も民で、流れが構築されればそれに疑問、主体的思考など持たずに身を委ねる。
    その流れに異を唱える者は、駆除の対象にされる。異を唱えたものを徒党を組み排除を敢行する。それら愚民は、自身は正義と酔いしれる。

    戦時の日本も、畜群たるほぼ全ての国民は軍のすげ替えに踊らされている事に疑念すら持たず、この書物にある様な魔女裁判よろしく「非国民」という「魔女」という名を変えただけの烙印を押し、特高なる破廉恥集団に自身は正義と酔いたいが為に差し出し、命を殺めることに加担する事にすら平然と手を染めた。

    そして己が加担した体制が

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    2019年12月13日
  • 魔女狩り

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    魔女狩りが経済的または政治的な事情をはらんでいることについて、非常に腑に落ちる印象を受けた。
    富の争奪と政治権力の獲得におけるひとつのツールが異端審問であり、本来の異端審問とは無縁であった魔女であることがわかる。
    ツールは為政者の都合の良いように組み合わさり、絶対に否定できない価値のもとに人を拘束する。
    現存のかちのもとにレッテルの貼りあいをし続けるという点では、現代の異端審問とは科学的な正しさや自由や平等といったところだろうか。

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    2014年03月06日
  • 魔女狩り

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    西欧キリスト教国を「魔女狩り」が荒れ狂ったのは、ルネサンスの華ひらく十五‐十七世紀のことであった。
    密告、拷問、強いられた自白、まことしやかな証拠、残酷な処刑。
    しかもこれを煽り立てたのが法皇・国王・貴族および大学者・文化人であった。
    狂信と政治が結びついたときに現出する世にも恐ろしい光景をここに見る。

    [ 目次 ]
    1 平穏だった「古い魔女」の時代(魔女の歴史 寛容な魔女対策)
    2 険悪な「新しい魔女」の時代(ローマ・カトリック教会と異端運動 異端審問制の成立とその発展 ほか)
    3 魔女裁判(魔女は何をしたのか 救いなき暗黒裁判 ほか)
    4 裁判のあとで(魔女の「真実の自白」

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    2011年04月25日
  • 魔女狩り

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    過去の事実であると思っていた「魔女狩りに」について、
    漠然と持っていた雑学のほとんどが誤りであることを痛感させる一冊。

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    2011年01月13日
  • 魔女狩り

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    中学時代なぜこの本を夢中になって読んだのだろうか?
    今思うと、宗教への妄信と人間の残酷性が結びついて
    起こる倫理の崩壊に惹かれたのかもしれない…

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    2009年10月04日
  • 魔女狩り

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    中世キリスト教国の異端審問の歴史における「魔女裁判」について記述されている。「世界国家」統轄のために作った異端審問制度により、いつしか魔女は異端者であるものとされ、「魔女裁判」にて残虐な拷問・処刑を執行されるまでになった。衝撃的だったのは、「ヒューマニズムと実証主義のルネッサンス時代は、一方では残虐と迷信の時代であった」との記述である。ルネッサンス時代は近代科学の始まりであり、多くの著名な科学者がいるが、彼らまでもが「魔女裁判」肯定派であったとは信じがたいことであった。また、1)知識はその所有者次第で最高の悪徳となる、2)狂信と政治が結びついたときの恐ろしさを認識すべし、3)科学の敵は宗教でな

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    2009年10月04日
  • 魔女狩り

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    魔女裁判の最盛期がルネサンスの時代である事が、人間の保守性、宗教への依存性が如何に行動を縛っているのか。また、新しい魔女裁判が行われてもおかしくない人間社会の怖さを感じた。

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    2024年10月13日
  • 魔女狩り

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    これはまじですごい
    おもろいし、わかりやすい
    1970年の本とは思えない
    キリスト教やべぇー
    宗教くそこえぇー

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    2023年12月09日
  • 魔女狩り

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    中性からルネッサンスにかけて、ヨーロッパで荒れ狂った魔女狩りの実態を解説している本です。

    ローマ・カトリック教会は、南フランスで展開された異端運動に対してアルビジョワ十字軍を送り込み、鎮圧します。そしてこの事件を機に、教会は異端審問にまつわる制度を整えますが、その制度のもとで残虐な魔女狩りがおこなわれ、無実の人びとが魔女の烙印を押されて、拷問を受け、処刑され、財産をうばわれることになりました。本書は、そうした魔女狩りの実態を明らかにするとともに、それがもっとも激しくおこなわれたのが、近代の曙とされるルネッサンス時代であったことに目を向け、光に満ちた近代へ向けての進歩という、一般に広く受け入れ

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    2023年07月11日
  • 魔女狩り

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    参照:
    (『ヨーロッパとはなにか』増田四郎, 岩波新書)
    「ルネサンスは、文字通り復興であり、再生である。何の復興または再生かといえば、教会中心の神学的世界観に対する人間中心の文化の復興にほかならない。 」
    「ヨーロッパ人が……キリスト教圏だと自任するようになるのは、歴史的にはよほど後世のことで、イベリア半島のイスラム支配をはねかえしてゆく過程、とりわけ十字軍の永い遠征の時期からではなかったろうか……。もしそうだとするならば、8、9世紀でなく、12、13世紀という時代が、意識の面でのヨーロッパの成立期だともいえぬことはない。」

    引用:
    (『魔女狩り』岩波新書 p.178)
    「魔女裁判は、中世

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    2023年05月28日
  • 魔女狩り

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    ネタバレ

    中世の、それもルネサンス期のヨーロッパを中心にして起こった
    「魔女狩り」について、その内容や背景について書いた本です。

    まず、魔女狩りの前段階として、
    キリスト教異端者の撲滅のための審問というのがあったそうだけれど、
    それが1人の異端者を滅ぼすためならば、
    1000人の無実を犠牲にすることをいとわない、という姿勢だったんだそうです。

    当時の異端っていったって、
    邪悪な感じの悪魔崇拝とかではなくて(もちろん、そういうのもあったかもしれないが)、
    カトリックの堕落を嘆いて聖書原理主義になっていった人たちだったりする。
    原理主義といえばテロを思い浮かべる人もいるけれど、
    もともと原理主義といって

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    2025年07月04日
  • 魔女狩り

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    ネタバレ

    17世紀に最盛期を迎えた魔女狩りはどういった経緯で起きたのだろうか。キリスト教の魔女に対する捉え方の変化と異端審問から説明している。
    また、魔女狩りが起きた社会的背景ついてキリスト教国での比較を通じて述べられている。

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    2014年06月25日
  • 魔女狩り

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    中世ヨーロッパの異端審問から派生した魔女狩りについてまとめられた本。

    今の価値観で言うところの「善良な人」なんてひとりもいそうにない中世ヨーロッパは魅力的だ。

    爪をはがすのは「予備拷問」で、記録としては「拷問なし」に区分されることにいささかショックを受ける。「ひぐらし」なんて拷問にもなってないじゃないか。

    興味のツボにピンポイントで、得るところのおおい読書だった。魔女狩りに興味のある人が概要を知るための本として、絶対的におすすめ。

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    2013年07月19日
  • 魔女狩り

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    ネタバレ

    中世のキリスト教の不寛容さが、いかに魔女狩りの狂気に走らせたのかをすごく明快に解説されています。

    有罪ありきの裁判、死の方がマシと思わせるひどい拷問の数々、財産没収目当ての告発、、、人間が人間にこんな酷いことが出来るのかと、読んでいて胸が痛い。。


    本書からの引用。

    『人間は宗教的信念(Conscience)をもってするときほど、喜び勇んで、徹底的に、悪を行うことはない。』

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    2012年05月08日
  • 魔女狩り

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    他国からすれば信じられないような文化である魔女狩りを深い知識を伴って解説している本である。
    あまりにもかけ離れた考えであるため、しっくり理解できたとは言えないが、なんとなーく理解出来た気になる本だ。

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    2009年12月27日
  • 魔女狩り

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    深い知識に裏付けられた、理解しやすい文体です。それと同時に、人間の負の部分が正の形式を持って実行されるやるせなさが十分に表現されています。「正しさ」という衣を着ることで、冷徹に無残なことをする人間。単に形式的な「正しさ」で満足する人間。このような人間は中世において絶滅したと考えるのは、少し楽観的にすぎるでしょう。人間というものを知る上で、非常に参考になった一冊だと、私は考えています。

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    2009年10月04日
  • 魔女狩り

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    興味深く読んだが、70年代以降の研究でこの本における「教会・施政者主導で数十〜数百万人を虐殺」といった主張は否定されてきているようだ。
    新しめの本も読まなければならないとは思うが、最近この手の本を読み過ぎた。人間不信が加速する。

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    2019年04月06日
  • 魔女狩り

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    中世ヨーロッパの黒歴史である魔女狩り。教会の権力体制を磐石とする為に始まった[異端審問]は妄信と財産目当ての堕落によって[魔女裁判]そして[拷問と大虐殺]へとエスカレートしていく。その中心者は聖職者であり知識階層であった。人間の残虐さ、権力と宗教、組織の堕落。その怖さを忘れない為にも読み続けてほしい一冊。

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    2009年10月04日