森島恒雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中世キリスト教徒が犯した、残酷な歴史の史実を知るための一冊。マルティン・ルターが提唱した宗教改革自体は、彼なりの信条から発せられたものであり、初期は伝統を重んじるカトリック派が「異端思想」として抗争を繰り広げていたものの、やがてそれは人としての行動とは思えない虐殺劇に発展してゆく。禁欲生活の反動から、金儲けのために罪無き村人の大量虐殺が正当化され、悪魔的としか言えない地獄の時代が訪れる。この一冊でキリスト教がこういうものだと誤解して欲しくは無いが、ここに描かれていることは史実であり事実である。残酷描写が苦手な人は読まなくていい。これを読んで、キリスト教を学び始めた人の多くは絶望すると思う。ただ