丸太町小川のレビュー一覧

  • 実話拾遺 うつせみ怪談

    Posted by ブクログ

    丸太町小川作家の文体が好きで、心地よく読める。
    短い文章のなかにうまく世界が構築されているし実話怪談のワタシが好きなタイプの書き方でした。

    よいと思ったはなし。
    『あんたやなかった』
    『ムシが憑く』
    『あかんやつ』
    『きっかけ』
    『道が出る』
    『うずくまる』
    とくに『きっかけ』と『うずくまる』が良かった。
    『きっかけ』は誰もいない二階にひとりでいると一階から名前を呼ばれる怪異と祖母が対峙するはなしで、不思議すぎた。木霊みたいな怪異かなと。遊びにきた友だちも聞いたりするから、幽霊よりあやかしに近いものなのかもしれない。
    『うずくまる』は怪異がカーナビを介してこちら側に干渉してくるのが不気味だった。なんでこの車だけがそんな目にあうのか。知らないおばさんに感謝!

    怪異って普通にそこら辺にあるものなんかなとは思う。
    毎日同じ道を歩いたり自転車で走ってて、急に怪異がそばにあることに気がついたりするのかも。

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    2023年02月09日
  • 呪術怪談

    Posted by ブクログ

    ちょっとNot for meかなと思いつつもジャケがカッコよかったので手に取ってみた、呪術にフォーカスした実話怪談コンピ。
    呪術というと呪う方と呪われる方、つまり因果と応報があって、その間にある呪いという“わからなさ”よりも、人の怨みや悪意が怖いのかもしれない、そんな話でもつくね乱蔵さんの各編は体験も語りも厭さも流石だな、などと思いながら読み進めていたけれど、後半に収録されている久田樹生さんの長尺の一編「巧妙」が「本当に呪われているのか。呪われているのなら目的は何か。全てが分からない」まま長期間に渡って進行していく話で凄かった。更には最後に紐解かれそうになりつつ隠されたまま終わる因果にも人の禍々しさが想像出来て、そっちsideの怖さもしっかり味わったのでした。

    卯ちりさんの「ホテルの壁に」はそんななかでも唯一の完全に全てわからない話で、このなかで読むと異質というかぶち込んできた感もあってそんな感じも最高でした。

    呪術の話をまとめて読むと、この前のあのトラブルや最近辛くなってきた腰痛もまさか……みたいな勘繰りもしてしまうけれど、最後が「呪いに打ち勝つ術」という実用的な一編で〆ていて、そんなわたしのような読者にも親切な編集だなと多少安心しながら思ったのでした。

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    2024年12月22日