タムラフキコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
アメリカの高校生による、原爆投下の是非についてのディベート小説
---------------
アメリカの8人の高校生が、広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非をディベートする。肯定派、否定派、それぞれのメンバーは、日系アメリカ人のメイ(主人公)をはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、そのルーツはさまざまだ。はたして、どのような議論がくりひろげられるのか。そして、勝敗の行方は?
---------------
日本から出版された児童書という時点で、結論はどうなるか予断を持って読み進める事になる
著者はアメリカ ニューヨーク州在住
恐らく、現地の方々と接した上での意見など -
Posted by ブクログ
ネタバレアメリカの高校生8人による、原爆に関する討論。
とても臨場感のある文章で、目の前で実際に討論が行われているかのような気持ちになる。
そして、原爆がどうして起きてしまったのか、どうするべきだったのか、という中心的な問いに加え、人種のあるべき形や日本語の豊かさもよく考えさせられる一冊だった。また、自身の考えの偏りも強く感じた。
初読は小学生。なんの知識も持たず、ただ表紙に惹かれて取ったが、否定派に強く共感し肯定派に腹を立てた記憶がある。原爆に至ったその経緯も知らないのに、「原爆を肯定する」という言葉に酷く嫌悪感を覚えた。今思い返すと、日本を教育を受けていることで考えが偏っていると改めて考えさせら -
Posted by ブクログ
夏。戦争と平和について考える。
1945年、広島と長崎に落とされた原爆について、アメリカに住む高校生たちがディベートをする。
日本人の私は、原爆が落ちたこと、空襲があったこと、そんな大まかなことは知っていても、
他の国に日本がしてきたことや、日本以外での国で起きたこと等は知らないことも多くてとても勉強になった。
そして、平和について改めて考えることができました。
p182〜184
日本語というのは、英語と違って、主語がなくても文章が書けるの。
日本語の『私』は、まるで風か水か空気みたいき、自己主張をすることなくら『あなた』に溶けこむような形でら『世界』と一体化するような形で、存在しているの -
Posted by ブクログ
読みたいと思っていたのをやっと…。
毎年夏になると気になっていて、夏が過ぎる前に読もうと、ようやくである。
アメリカに住む8人の高校生が、「原爆」について公開討論会をする話である。
原爆肯定派と否定派が話す内容の濃さは、想像をはるかに超えていた。
きっかけが何であるのか…
真珠湾攻撃が卑怯だったのか…
南京虐殺は…
人種差別は…
日本人部隊第442連隊のこと
日本の教科書に書かれてあることの意味。
最後に何故戦争をするのか⁇
戦う相手は、人間であってはならない。
われわれの共通の敵は、無知や憎悪や偏見であり、憎しみは外側じゃなくて内側だと気づかされた。
考えて考えて、もし結論が出な -
Posted by ブクログ
ブク友さんの間で、課題図書ともいわれていたのにやっと今ごろ手に取りました。
紹介してくださったブク友の皆さま方、ありがとうございます。
2004年の夏、出身国の異なる八人の高校生が、日本の広島、長崎への原爆投下についての公開討論会をするお話です。
八人は原爆肯定派四人と、原爆否定派四人に分かれて一人づつ交代に議論を交わします。
主人公で十年後日本の中学の先生になったメイは日本生まれで否定派です。
私は中学や高校の時、歴史の授業では近代史はいつも、教科書に授業が追い付かず、広島、長崎のことはあまり学んだ記憶がありません。
日本がどれだけ戦争で悪いことをしていたのかは、全然知りません -
Posted by ブクログ
ひまわりめろん師匠からの夏の課題図書。兄弟子の1Q8401さんも早々に読まれている事ですし早速拝読しました。
本に関するレビューは素晴らしいものを一門の皆さん始め、多くの方があげていらっしゃるので私は思った事を素直に書こうと思います。
まず、日本の教育機関もこういったディベートの授業を取り入れるべきだと思います。
本書では自発的にジャスミンが討論会を催しましたが、アメリカではそもそも授業の一環としてディベートが取り入れられています。(主に政治に関してらしいですが)
本書にも書かれていましたが、日本人は本来思いやりが深く、他人の意見を尊重し寄り添う事が出来ます。
ところが、どうも昨今は寄り添 -
Posted by ブクログ
広島、長崎に落とされた原爆の是非を巡ってアメリカの高校生たちがディベート形式で議論する話なんですが惹き込まれてしまいました。
肯定派と否定派に分かれて繰り広げられる議論。多方面にわたる資料を分析して導き出してゆく手法はスマートだし、感情に訴える演出力も表現方法として胸を撃つ。
朝はご飯派かパン派かってどっちでも良さそうな話じゃなくって次の世代を担う高校生たちが、かなり重要なテーマについて自分たちの主張をぶつけ合うなんて素晴らしく思いました。断片的にしか知らなかった戦争の事実も改めて向き合うことできたし交わされる意見にはどちらにも頷きたくなる。浮き彫りにされる思惑にはゲーム感覚もあるんだけど。主 -
Posted by ブクログ
母を日本人に持つアメリカ人、メイは夏休みに「原爆は肯定されるべきか否か」のグループディベートに挑む。
うっかり小手毬さんという作家を知りませんでしたが、これはすごい本でした。 広島・長崎に落とされた原爆については戦争を終わらせるために必要だった、むしろポジティブな形で受け入れられているのがアメリカ、という印象がありますが、このことをテーマにした子どもたちによるディベート対決のお話です。本自体は中学生向けなのかな。文字も大きくてすぐに読めてしまう。でも読んだ後にもたれるこのボリューム感。ずっと頭の芯が熱を持っている状態で、こういう本を読んだのは久しぶりな気がしました。
何しろすごいのがこの多層