古舘恒介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新卒から数年在籍していた前職で、薄いながらも著者の方と関わる機会があり、出版されてから日が経つものの通読。
NHK出版新書から出ている石井彰さんの「エネルギー論争の盲点」と被る流れや記述があるものも、地球の誕生から人類の出現、火の使用、農業革命、蒸気機関の発明、電気の使用まで、どのようにエネルギーと人類が関わってきたか、そしてその使用量を爆発的に増やしてきたかを辿ることができる。また、物理法則の制限からいかに我々が利用できる質の高い資源(低エントロピーの資源)が稀少で有限なのかという視点が加えられ、第三章までとても面白かった。
第四章に関しては、著者のスタンスなのかもしれないが、一つ一つの利用エネルギーに深入りすることなく、各エネルギーをカタログのように次から次へと表面的になぞっていくので大味で、もう少し丁寧に紙幅を割いて可能性と限界を記述するか、いっそのこと外してしまった方が本全体の構成としては締まりがあったように感じた。とはいえ総じて手元に置いておきたい、知的好奇心を満たしてくれる一冊。
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Posted by ブクログ
新卒で日本石油入社のサラリーマンの方らしい。すご。
エネルギーとあえて広義に捉え、火→農耕→森林→産業革命(蒸気機関)→電気、という独特?の切り口でエネルギーの変遷を説いたと思えば、だんだん環境/エネルギーに対してどのように対峙すべきかの精神論や哲学的な話に帰結していく流れ。
と聞くと堅苦しそうだが、なぜかわかりやすくしかも面白く、サッサと読んでいけた。
おそらく、それほど専門的な話にせずに、むしろちょうどいい抽象度で話がまとめられているから概要として捉えやすいから?(エネルギーはすなわち凝縮・濃さで見るとか、電気によって初めてエネルギーを移動することができるようになった、とか、概念的な話が上手)
環境問題を学ぼうとすると、やれSDGsだ、コレコレはこれこれしろだ、というエコの押し売り的なものが多い中、環境ではなくエネルギーに対して正しく理解しよう(そのうえで向き合い方を考えよう)、という話でまとめられているので、新鮮で良かった。※最後の方では、節約しましょうとか出てくるんだが、まあそれはそれで大事なのでヨシ。、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文系の私にとっては全く未知のエネルギー、でも近年課題も多く、身近で知らなければならないものということで聴き始めたところ、歴史を辿りながら、科学などを知らない人にもわかりやすく多面的にエネルギーにまつわる話が描かれているのでとにかく面白い。そして自分が考えてたより遥かに、エネルギーというものはこの世界の全てで、自分に身近(というか自分自身もそう)ということを実感した。
後半の熱力学やエントロピーなどといった具体的な発明についての話は、やはり専門外すぎてさっぱり頭に入ってこず聴き進めるのが滞ってしまったが、最後の章では自分たちの未来のためにどう考えていくべきか、どんなことをすべきかといったわかりやすい道筋を示してくれていて、読後とても前向きな気持ちになることができた。
著者古舘さんが本が大好きで、長年かけてご自身で本を描けて幸せとのあとがきがあったが、そんな様々な本への愛を感じることができる素敵な本だった。ありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
抽象的で流動的そして普遍的なエネルギー。
日々の生活でエネルギーと無関係なものはゼロに等しいのにその実態はなんとも掴み難い。
そんな不思議な存在であるエネルギーを「歴史」「科学」「思想」の観点から読み解き、そこから見えてきたエネルギーの姿をもとに、現在から未来における人類とエネルギーのあるべき関係性が語られている。
本書内でも語られているように、エネルギーと言われてもぼんやりとしたイメージしか湧かなかったが、読後には多少は理解度が深まったように感じる。
個人的に一番刺さったのは、熱力学第二法則(散逸/エントロピー増大)のアナロジーが適応できる幅広さ。これから何を見ても、この法則が適応できるかどうか考えてしまいそう笑 -
Posted by ブクログ
エネルギーの使われ方と技術の歴史、エネルギーに対する哲学的な思索を経て、人類が進むべき道が提案されます。
歴史では産業革命などの革命に加えて、農耕の開始や森林伐採についても太陽光という観点からエネルギー革命に分類している点が面白かったです。
ゾッとしたのがトウモロコシの話でした。完全に工業化されて大量生産され、家畜の餌やコーンスターチの原料になり、もはやトウモロコシなしでは我々の食事は成立しないというのが意外でした。麦や米だけではないと。
本書はいろいろと新しい観点をくれる本でした。エントロピーの話では、文化もエントロピーを必要とするという観点が目から鱗でした。確かに文化の情勢には散逸構造、大量のエネルギーが必要というは納得です。また、省エネが結果として需要を増やし、消費量を増やしてしまうというのも新しい視点です。
著者は無制限の経済成長を否定する立場です。ただ、この手の話はやはり現実的な解決策を示すことが難しく精神論に陥りがちですが、本書もそこから抜け出してはいない印象で残念です。また、経済成長せずにどうやって再生エネルギーや省エネの高度な技術を開発していくのかが示されていません。