あさだりんのレビュー一覧
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四年生から続けている学校の手芸クラブ。六年生で周りに推し進められてクラブ長をやることになってしまった。「しっかり者の由希がやってね」と半ば押し付けてきた同じ六年生の友達の莉奈は副部長、書記は四年生で立候補した男の子のひかる。初日からひかるは反抗的でやりづらい。そんな中、七月のPTAバザーでだすはぎれをリメイクして作る手芸品の話し合いで一悶着が起こった。例年通りの物でいいと思っている由希に対して、ひかるはだっさい物を作って売りたくない、みんながほしいと思ってくれる物がいいと言う。莉奈まで、すごい、素敵って言われるような物を作って売りたいと言う始末。ぎこちない雰囲気になってしまい、バザーは一体どうなってしまうのだろうか。
小学生向けで、スポーツや運動部のお話はたくさんある印象ですが、こういう文化系クラブのお話はあまり見かけないなあと気になって手に取った一冊です。
手芸クラブを中心に、長女と末っ子という友達関係、後輩との関係、家族も絡んだ男女の性差別、それら全部を含めた、自分という個と他人の関係性について、とても丁寧に描かれたお話でした。
私自身、主人公と同じ長女という境遇だったため、前半は感情移入し過ぎて主人公以外の人にひと通り腹が立ってイライラしてしまうほどでした。読み進めると、それぞれ皆、それぞれの事情があるのだということや、主人公の由希が皆のいいところや自分にはないところを見つけて、バザーを成功させるという共通目標に向けて協力し合う姿に目頭があつくなりました。 -
Posted by ブクログ
※現在出ている3巻までまとめての感想です※
教育図書教科書6年生紹介本。
鈴木彰吾は自他ともに認めるパーフェクトな小学校の児童会長。クールで知的な雰囲気で、スタイルも顔も良い。みんなの前で喋ることは得意だしサマになる。実は運動はそこまで得意じゃないんだけど…まあバレないくらいにはできている。鏡を見て思う。ほーらオレって今日も決まってるぜ。
しかし突然学校のみんなに秘密ができてしまった。今年から彰吾たちの学校にも集に何度か教えに来る変わり者の理科講師のキリン先生が実の父親だってこと。
キリン先生は背は高いけどひょこひょこ歩くし、体力は無いし、いきなり歌い出すし、なんでも理科で答えるから会話もビミョーに通じない。パーフェクトなオレにあんなユニークな父親がいるなんて知られたらきっとからかわれてしまう。
児童会長である彰吾のところには、生徒たちからの相談事や、小学校内のナゾが持ち込まれる。
理科室の人体模型が笑ったんだ!
クラスメートが緑色の太陽を見たって言うけど、そんなことあるの?
登り坂をボールが上がっていったんだ。
クールで知的な児童会長として謎解きに乗り出す彰吾に、キリン先生がその答えを示してくれる。
もしかしてオレの変わり者のお父さん、背は高いし(オレのお父さんだしな)、メガネを取ればかっこいいし(オレのお父さんだしな)、噛み合わないかのような会話だってよく聞いたら理科の面白い話をしてくれるし、なんといってもナゾの向こうにある真実を明かしてくれる、実はすごいお父さんなんじゃないのか!?
そんな「一見噛み合わないが、実は通じ合ってる」お父さんと息子くんが解いてゆく日常のナゾのお話。
現代児童書で、学校の身近な謎を主人公たちが解いてゆくものっていくつかありますが、その中でも読みやすいし、登場人物も良いし、謎とその科学的解説も良い。
「冷蔵庫が壊れたときにジュースを冷やす方法」とか、「エセ科学詐欺に引っかからないように」など役に立つことも楽しく知ることができます。
そしてキリン先生やPTA役員さんが「頼れる大人」で、彰吾たちが「信頼してもらえる子供」というのもいいですね。小学生でも詐欺に引っかかることもある。そんなときは頼れる大人に正直に話してね。大人は子供を見守りたいんだよ。
さすが教科書紹介本です。 -
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リメイク【動詞】つくり変える、つくり直す、改造する。
手芸クラブのクラブ長になってしまった6年生由紀。バザーに出品する商品を巡ってメンバーと対立するし、メンバーはみんな頼りないしで、バザーの準備がなかなか進まない。なんとかみんなのやる気を出させなきゃ!
家では、男が手芸をやるなんて変だと言う弟亮太や、女のママや由紀にだけ料理を作れと言ってくるパパ、それを受け入れているママに、疑問が湧き上がる。家族みんなの意識を私が変えなきゃ!
はぎれ布をリメイクするように、手芸クラブや家族をリメイクしようとする由紀。でも、そうしてみんなと向き合ううちに変わったのは、由紀自身の心だったーー。
「自分のことは、決めつけられたくないって思う。でも、わたしもほかの人のことを、無意識のうちにたくさん決めつけているんだなあ。」
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「リメイク」=「手芸」というイメージが、読み進めるにつれて「クラブ」、「家族」、「男女の役割への意識」をリメイクしていくイメージへと広がり、最後には「由紀自身」の意識のリメイクへとたどり着くという物語の構成がとても面白かった。 -
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友達におされて手芸クラブの長になってしまった由希。
今年はクラブに初めての男子メンバー、しかも物申すメンバー!が入って来ます。
家の中ではママがPTA役員になってしまい、仕事とイベント準備に追われてクタクタに。
パパは夕飯が出来合いのものだと不満を言うし、弟には言わないのに、由希にばかり料理をしろと言います。
長としてクラブを上手に運営していくことは大人でも難しいですね。
メンバーの性格や好みはバラバラで、思うようにいかずにイライラしたり、自己嫌悪に陥ったりします。
それに加えて料理を始めとする家事に性差別がありそうなパパとのやりとり(とはいえだいぶマイルドです笑)、パパに謝ってばかりに見えるママの姿、手芸クラブをバカにする弟など、家でも由希の心はざわつきます。
昔も今も子供の世界は過酷ですね。
今は家族のかたち、家での自分の役割、性差など、昔より複雑になっていると思います。
子供の世界なのに大人に期待されるような働きを求められ、実践していく姿は立派ですが、小学生の間はもっと子供らしくいられたらいいのになとも思いました。 -
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友達の莉奈に押し付けられるままに、手芸クラブのクラブ長になってしまった6年生の由希。みんなを引っ張ってかなきゃと頑張るけど、なかなかうまくいかない。そんな中、毎年恒例のバザーで売る商品を作ることに。今まで通りでいいと思う由希ともっと欲しいと思ってもらえるものを作りたいひかるは、ぶつかりながらもバザーに向けて力を合わせる。クラブと家族、それぞれの中にある固定概念や見えない想い。変えていくこと、思いを伝えていくことの大切さを教えてくれる。
男女の役割がなくなってきた現代だけど、まだまだ完全とは言えない。由希のみんなの考えを変えたいって思いはすごく素敵だし、どんどんみんなの意識が変わっていってくれたらいいなと思う。 -
Posted by ブクログ
6年生になった由希は、手芸クラブの部長になることに。
バザー品を「だっさい」と言われて見返してやりたいと、新しいバザー品をと考える由希。
同じ頃、PTA部長になった由希のママも、慣れないリーダー業に大変そうにしている。
「作り直す=リメイク」の毎日が始まった!
手芸クラブを通してジェンダー差別について考え、由希の成長を描く。
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明るくて清々しい物語。
まっすぐに向かっていける由希がカッコいい。
モヤモヤした感情も、後悔も、きちんと向き合って言葉にして解決していく姿は理想的だ。
物語中にも出てくるけれど、私の時代は女の子は家庭課、男の子は技術で、男女の区別も差別も大きかった。
差別(区別)なく学ぶことは当たり前の現代だけど、性別を偏見や色眼鏡で見てしまうところはなかなかなくならない。
それは子どもたちも同じ。
完璧に差別を撤廃することは難しい。
だけど、その考え自体を「作り直す=リメイク」してより良い社会にしていくことはできるはず。
そんな希望を持てる物語。