ディーリアオーエンズのレビュー一覧
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素晴らしかった。
「ザリガニの鳴くところ」がとても良かったので、その著者が書いた本と知り購入。「ザリガニ〜」の原点はここだったのかと納得した。
ボツワナのカラハリ砂漠での7年間にわたるフィールドワークの記録。と一言で言ってしまうには勿体ないほど壮大で、文明にまみれた今いる世界が本当に同じ地球なのか?と錯覚する感覚に陥いる。ライオンやカッショクハイエナの生態、著者との信頼関係、カラハリ砂漠の気候や生態系、とても深く考えさせられる。そして、よく著者は生きてたな…とも笑。
コロナ禍でどこにも旅行に行けない中、広大なカラハリ砂漠にトリップできて没入できる本だった。 -
Posted by ブクログ
海外作品の独特な言い回しなどもあり、何を言ってるのか分からない部分もあったし、過去と現在が交互に出てきて混乱した部分はあるが、どんどん時間が交わると、面白くなって一気に読めた。
1人も手を差し伸べてあげなかったのに、悪い評判だけが先に植え付けられてしまったカイアの長い長い復讐の話だったのかなと思った。
今はそんなことは少ないと思うが、両親も出て行ってしまって1人の女の子が生き抜くというのはすごい努力も必要だし、同時に少女が女性になった際には色んな危険も伴うが、カイアの探究心がお金になったのはとても良かったなと思った。
それにしても、最後はなかなか胸がすく終わり方だったと思った。
出てくる男にクズが多すぎた。 -
Posted by ブクログ
2026/10/5
湿地に暮らす少女カイア。
一緒に暮らしていた家族は、みな父親の暴力から逃れるために次々に家を出て行った。
そしてその父までも帰ってこなくなり、カイアは「湿地の少女」と呼ばれ、生き延びてきた。
湿地の自然と暮らす彼女と、湿地で起きた不審死事件が交差する。
家族が、誰も小さなカイアを連れて行ってくれないのがとにかく悲しくて辛かった。
燃料を売る店の店主であるジャンピンとその妻になんとか支えられて生きてきたカイア。
かわいい服をもらって喜ぶ様子は普通の女の子そのものだったけれど、自然の中で、そこに生きる生き物たちと共に生活する彼女のことは、きっと理解できないんだろうと、ラストを読んで思った。
長いお話だけれど、先が気になってその長さはあまり気にならなかった。
少し物悲しい余韻が残った作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「湿地は、彼女の母親になった」
この言葉で感情移入できたように思います。とても悲しい感情ですが…。
ひとりで生きていくカイアに胸を打たれながらも、並行して事件の捜査が進みますが、全く誰が犯人かはわかりません。(ジャンピンかなとか思っていました)
法廷部分はとても面白く、弁護士のトムが巧みさが光りました。
最終的には犯人はカイアだとわかるのですが、いわゆるトリックのようなものはなく、ミステリーとは言い切れない部分がありました。
しかし、この犯罪はひとりで湿地で暮らして来たカイアが、生命の法則に従って起こしたのであり、そこに善悪はないのだと締めくくられているようでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレノンフィクションの冒険譚。
個人的にはやはり、ボーンズが好きだった。
骨を折るほどの怪我をして疲弊しきっているボーンズに簡易治療を施し、計2、3体ほどの餌も与え、その餌もあまり近くに置くと警戒されるので少し離れたところに置かざるおえないが、そこから自らの陣地の木陰までボーンズが運ぶ上で、傷が開くのではないかとドキドキしながら見守る様。そこから無事回復し、耳にオレンジのタグが付けられ、しばらく見かけなかったと思えば再会できたり、とてもドラマチックだった。
挙句、最後はこれらの話を聞いて感動した人間により知らぬ間に殺されていた。ドラマチック。
他、集団で子育てする様や、我が子を見捨てる者もいたり、オーエンズらが助けてやろうかとやきもきするも結局死んでしまった子供、現地で言葉の通じない助手を雇い、彼が飛行機に乗ったりライオンに触れたりして人間らしい反応を示す様、などなど、ドキュメンタリードラマを見ているようで、長すぎたが面白かった。
ちなみに、ザリガニの鳴くところは未読。
著者のディーリア・オーエンズ氏はカラハリでは20代、ザリガニでは70代での執筆らしい。年月と共に、カラハリ時代がどう影響してくるか、どんな話か、これから読むのが楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ海外文学、約600ページのボリューム。私にとっては結構なチャレンジ読書だったけれど、中盤過ぎたあたりから前のめりで読んだ。
カイアの成長物語であって、ミステリー要素は軸ではないのかあと思っていたら、最後の数ページで犯人が分かり呆然。しつつ、チェイスが本当にクソ野郎すぎて、「カイア、よくやった!」と思ったり思わなかったり。テイトも最後はいい感じに収まったけれど、お前もお前だからなー!?絶対に本筋からずれているけれど、この点だけはどうしても感想として残さずにはいられなかった。
本筋に戻ると、「ああ人情話的に終わるのかー」と思わせておいてからの真犯人判明の流れが凄過ぎた。
自然の営みの中での生殖と、情や欲が混ざる人間の性、そのギャップに苦しむ少女の姿が本当に痛々しい。症状が女性になる過程を動物行動学を踏まえた上で書かれているのもすごい。
差別問題や貧困。文化圏も歴史も時代も違うところに生きる私でもその空気感がヒリヒリと伝わってくる。苦しい場面も多いけれど、読んで良かったと思う。