ディーリアオーエンズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長編映画を観終えたような、余韻のある作品。
湿地の少女カイアは親に捨てられ、村社会で疎外されながらも広大な自然や動物、それに数少ない人々との繋がりによって孤独と向き合いながらも逞しく生きて行く。
とにかく情景描写が素晴らしく、文字を追いながらも頭の中はすっかりノースカロライナの湿地帯にいるかのようで、その世界観に思い切り浸ることが出来た。
同時に、殺人事件の容疑者となるカイア。サスペンス要素を取り入れたストーリ展開の行方も気になり、ページを繰る手が止まらなかった。
究極な孤独の中に在る時でしか得られない「愛」や「希望」が作り出す美しい世界。突き抜けた才能を持つ人々もそういう孤独の中で苦悩する。(偉大な作家や芸術家も自死したりするし)
カイアが持てなかったものは、それにより得られたものを生み出した。
孤独とは辛いばかりではなく、自分を形成する為のスパイスでもある。
とっても良かった。
大切な人に勧めたい一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと雰囲気で面白そうだなーと思ってたのでやっと読めて良かった〜
最初は海外小説にありがちで固有名詞が全然頭に入ってこないし、ノースカロライナ?の湿地??1950-60年代のアメリカの文化的歴史的背景も分からないので読んでても文章が頭のなかで滑ってたんですが、頭のなかに入るようになってからは一気に面白くなってきました。
A面B面で話が進む展開大好きなのでA面とB面が交わってからはもう読む手が止まらなかったです。早く読みたい。仕事してる場合ではない!!
ノースカロライナの湿地帯の美しい自然や野生動物たちの強かさなどの描写が素敵だった。
是非実写映画も観てみたいなぁ!
カイアの強さ、美しさ、成長は小公女とかの児童文学を読んでるかのよう。
そこに絡む不穏な死…
アマンダハミルトンって米国で有名な詩人なんかなって思ってたんですが、まさかのカイア自身だったとは!
最後の展開はそうだったらヤダなって思ってたのでちょっと残念だったんですけど、解説の方が
「ずっとカイアに寄り添い、彼女の幸せを願ってきた読者は、もしかしてラストで突き放されたように感じるかもしれない。彼女は自分を譲り渡すような人ではなかった。彼女を支えてきた数少ない人々にとっても、1番近くで寄り添ってきたテイトにも、カイアは本当の意味では知り得ぬ存在だったのだをそれは自然の本質でもある。どんなに深く探ろうとしても、本当の彼女は不可侵な存在なのだ。幼い頃のカイアは、誰かが孤独から自分を救い出して、人々の温もりを感じる場所に連れて行って欲しいと願っていたかもそれない。しかし彼女の幸福は、湿地と潟湖が育んだ孤独のなかにあった。私たちは「湿地の少女」を再びそこに送り出すしかないのだ」
と書かれててラストを受け入れることができました。
優しいジャンピンがいてくれてよかった…
途中カイアが可哀想すぎて辛かった -
Posted by ブクログ
海外文学デビュー!
初めての海外文学がこの本でよかったと心から感じた。
ジェイク(カイア父)も途中まではやり直そうとする気を見せていたのに…憎めないところではある。
カイアがハニーと言われたところで少し 良かった、ヨシッって思っちゃった笑
カイアの私はあなたの恋人になったの?のシーンがとにかく好き。14歳でこんな大人びたエロい言葉言えるの?って凄く舞い上がった。
私だったら湿地で何かを探求して出版とかすることができない。自分の強みを自覚して貫くことが難しいのに湿地で一人の力で成し遂げるカイアの強い心に関心をもった。
そして、ジョディ(カイア兄)にもう一度再会することができて良かった
結局はカイアが殺したんだなーって。事故であってほしかった… -
Posted by ブクログ
Xで「面白かった」と投稿している方がいて
タイトルが気になって読んでみました
文庫で600頁という長編も私好みなので期待しつつ・・・
6歳で家族に見捨てられ
広大な湿地で
ひとりでたくましく生きのびてきたカイア
村の人々にも蔑まれながらも
自然の中で必死で生きてきた彼女に
ある殺人の容疑がかかる・・・
果たして彼女は犯人なのか?
湿地の様子や
彼女の心の動きや行動が細やかに描かれていて
まるで映画を見ているような感じで読み進めることができ
ミステリーでもあり、恋愛物語でもあり
読み応えたっぷりで、面白かった
これは、映画化できそう!と思って検索したら
なんと、もうすでに映画化されていました(^^;) -
Posted by ブクログ
伊勢に旅行してるときに読んだ。
だからかザリガニというより伊勢海老のイメージで読んでた。
伊勢の他にも丸山千枚田を見に、同じ三重県の熊野市にも行った。そこは、道中自然が間近に感じられる。熊野古道としても有名で、何かしら動物が出てきそうな雰囲気。特に熊は出てこないか、ずっと怖かった。
でも、カイアにとっては自然はそうではない。
どちらかというと作中には海辺の生き物が多く登場するが、とにかくカイアにとってはずっと自然が拠り所だった。
そのことを根底に読むと凄く納得のいく話だった。最後まで読み応えがあった。
特に終わり方と表紙は綺麗。どちらも心にジーンとくる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ幼い一人の女の子の四半世紀と、十数年後に起こった殺人事件が交互に展開される小説。
カイアの壮絶な人生を通して、人種差別、裏切り、貧困、戦争にまつわる話なども絡んでいてなかなかに複雑。
飢えをしのぐため、あの手この手でサバイバル生活を送るカイアは本当にたくましい。
テイトとチェイスの2人の男性との恋愛模様も見所。特にテイト…テイトの気持ちも分かるけど、テイトがカイアを「住む世界が違う」とあそこで見放していなければ、彼女は罪を犯さなかったのではないかと思ってしまう。
チェイスと出会うこともなく、「殺さなければ生きていけない」という決断にも至らなかったと思う。
裁判中、優秀な弁護士の元無罪になったが、法廷ですべての手口が間接的に明かされていくことに、なんともいえぬ驚きが…。
そして、テイトはどんな思いで、カイアの告白ともいえるポエムを受け止めたのだろうか。書きながら思ったが、その心情がラストのシーンにつながるのかもしれない。
ザリガニの鳴くところへ、死ににいったのかもしれない。
湿地の美しさと、1人の少女の一生をすごい近い距離で体験した気がする。傑作。 -
Posted by ブクログ
素晴らしい本との出会いをありがとうございました。自然描写が繊細、細やかでカイアと一緒に湿地や沼地や歩いたりボートに乗っている気分にさせられました。
ミステリー小説としてだけてはなく、差別、偏見、人権問題、自然破壊等の社会問題にも切込み、学ぶべきことが多い小説でした。
また、人間と自然界の比較において後尾や優劣表現等の多くの行動の中で似ているところがあまりにも多く、生物として大きく捉えた視点に興味を寄せられました。
最後の結末は、ショックでしたが、自然界の摂理であり、生き物としての本能なのかもしれません。湿地の少女よ、安らかに眠って下さい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレザリガニが泣くところの筆者とそのパートナー マークによるカラハリ砂漠での野生生物(ライオン、ハイエナ、ジャッカルなどの)観察ノンフィクション。
動物のことだけでなく、野外調査に付随する様々な問題、文明化の問題、調査にかかる費用をどう捻出するか、また野生生物をどのように保護するべきかなど、様々なことが語られる。たった二人で文明と隔絶した世界で、乾季に耐え、野火に耐え、何度も命の危険を感じながら、それでも野生生物を観察し、記録し、感動し、怒り、当惑しそして記憶するという類まれないエッセイになっている。
人類の営みとは別に地球上の生物が進化してきたことをまざまざと感じることができる本。
万人におすすめ。 -
Posted by ブクログ
今年のベスト3に入る一冊。
若き動物生態学者夫婦が、カラハリ砂漠の動物たちを追って過ごした7年にも亘る日々の記録。分厚い本だが、動物が好きなら夢中で読めるだろう。
日中50℃にもなる荒野で熱中症と闘いながら、アナログな機器と身体を使って動物を探し、書いて記録し、来るかわからない補助金を待つ。でも好きなことをやる人たちってなんでこんなに幸せそうなんだろう。
そしてまた、野生の動物が垣間見せてくれる、自然のバランスの凄さ。王者ライオンとの絆、悪者イメージの強いハイエナの驚くべき社会的行動、妻になつく小鳥たち。飢えの最中にあってもコロニーの幼獣に餌を運ぶ雄ハイエナの行為を「運ぶ者が自分の血を絶やさないためにおこなう投資にすぎない」と説明しているが、利他的な愛情によるものと著者が見ていることは明らかで、胸を打つ。
共著であり、夫側のダイナミックな筆致も楽しいが、妻側の丁寧な描写は、この人がのちに『ザリガニの鳴くところ』をものすディーリア・オーエンズであることを考えると超納得だ。
すでにこのとき、旱魃と乱開発でふたりが守ってきたキャンプの地はだんだんズタズタになっていく。冒頭の、獲物を追って疾走するチーターが人の作った柵に激突死する場面から心を裂かれる思いだが、これは70年代の記録であり、すでに描かれた自然も動物も失われて久しいのだろうが、今からでもできることがあるならば、何かしなくてはと強く考えたのでした。