福田悠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文具好きとしては、見逃せないタイトルである。
タイトルや装丁から、ほわっとしたイメージを持っていたが、内容は第一話からなかなか重い。
1〜3話は対象が故人ということで、イヤミスではないが、謎が解けてもスッキリとはいかなかった。
なんとなくやり切れなくて、哀愁が漂ってしまう。
主人公が感情を見せず、淡々としているので、余計そう感じてしまうのかもしれない。
登場する筆記具を調べてみたが、どれもおしゃれで素敵だった。
文具に対する説明も、物語の邪魔をせずしつこくなくてよかったと思う。
続編を期待できるのかな。
2024/05/15 07:20 -
Posted by ブクログ
ネタバレ郵便局にいらっしゃるお客様と職員との間で起こる日常ミステリ話かと思いきや、しっかり警察案件だったという。
逮捕者が何人も出て驚いた。
なお職員から逮捕者は出ていませんので、その辺はご安心を。
郵便局に勤める方たちの仕事内容や郵便局に関するトリビア的情報も豊富に登場させながら、犯罪を明かしていくミステリ。
犯罪に郵便制度を悪用しないでほしいと切に思う。
ミステリとしては面白いのだが、決して真似はしませんように。
主人公は各話で交代制。
安楽椅子探偵役として局内食堂のおじさんが謎解きのためのアドバイスをくれる。
このおじさんは一から全部謎解きをするのではなく、事件解決のためのアドバイスをくれる -
Posted by ブクログ
初読みの作者さん。
東京の老舗文房具店でバイヤーとして働いていた史郎が、祖母の死を機に、京都伏見で営まれていた文房具店を継ぐことにした…というところから始まるお話。
私としては舞台が京阪沿線というだけでポイントアップ。あの辺りの商店街の風情が目に浮かぶ。
第一話、第二話ともよくある展開には思えるが、ちょっと素敵な鉛筆や万年筆が絡んで、読み心地は悪くない。
そうした文房具にまつわる日常の謎解きだと油断していたら、第三話になって、人が死んでちょっとびっくり。こちらはかなり持って回った話になり、ネタも後出しされた感でややしんなり。取り上げられた万年筆にガラスペンやインクはネットで見てみたがなかな