福田悠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ亡き祖母の文房具屋を継いだ元文房具バイヤーが主人公のミステリ。
ジャンルとしては日常ミステリがメインになるだろうが、4話中3話は故人に関する話、かつ1話は自殺か他殺かを問う話になるので、文房具屋さんの話だからといって油断はできない。
1話目は真相が分かりながらも関係者にはその真相を語らず少しもやっと感じだものの、2話目の万年筆に託された故人の想いに泣けてくるという。
この2話目がお気に入りの話。
万年筆のあれこれが聞けたのも興味深かった。
万年筆に限らず、鉛筆にガラスペンやインク、墨など、主に筆記具の蘊蓄も面白い物語だった。
実在の文房具が出てくるので、気になったものは検索したり実際に手に取 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】誠実さの証明/返してほしい/ゆうパックを追いかけて/幻の同居人/エピローグ
東京東部郵便局で起こる様々な事件。食堂のおじさん・上條のアドバイスが解決の糸口になる。
「誠実さの…」 窓口担当の心香。令和元年10月1日消印の手紙はいつ出されたのか。
「返して…」 コールセンターのしのぶ。還付不能荷物への問い合わせがあり、引き取りに来るという発送人に違和感を覚える。
「ゆうパックを…」 配達員の青山。配達中に襲われるが、何も盗まれていなかった。
「幻の…」 窓口担当の桐山。郵便局から個人情報が漏洩しているのではないかというクレームが入る。
一つ一つの事件は、郵便局のシステムを利用した -
Posted by ブクログ
今までありそうでなかった郵便局は舞台とした日常の謎もののようなので、思わず手にとってしまった。
もちろん著者初読み。
郵便局の窓口、コールセンター、配達員など、章ごとにメインを変え、郵便局で起きる様々な謎を、食堂の上條さんが相談に乗りつつ、解決していく、一種の安楽椅子探偵もの。
日常の謎ものかと思っていたが、最初の話以外は警察が登場し、郵便のシステムを悪用した犯罪の手口が描かれている。ライトなタッチで描かれているが、内容自体は深刻な事件で、一つの郵便局でこんなに事件が起きたら、怖いと思った。
でも、一番びっくりしたのは、ラストで明かされる上條さんの正体。
舞台を変えて、続編が出るようならば、ま