赤木完爾のレビュー一覧

  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    冒頭が太平洋戦争ではなく大東亜戦争というのでイデオロギー色の強いものかと思えばさにあらず。太平洋という米軍相手のものではなく、英米中ソとのそれぞれにある程度独立したものが重なった複合戦争で広域で行われたことと、戦争目的が開戦時の自存自衛から大東亜新秩序建設に変容していったことを主な理由としている。

    その前提の下、各章は別々の著者の下、オムニバス的に展開されるが、英米の戦争指導を概観した2章、中国国民党・共産党の戦争観や指導方針についての3章、財政金融面からの6章が、自分にとっては大東亜戦争を見る新たな視点として、特に面白かった。

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    2022年04月10日
  • 決定版 大東亜戦争(下)(新潮新書)

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    特に第7章戦争指導体制、第9章戦争終結、第11章賠償問題が勉強になる。個人的には下巻の方が面白かった。
    ・日本は統帥権を実務レベルで調整する仕組みを最後まで持たず、大本営会議は報告の場に過ぎなかった。これは、デモクラシーのイギリスが戦時独裁を許容したこととの対比で興味深い。
    ・日米間に存在した信頼関係のためポツダム宣言を受諾することができた。

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    2022年01月10日
  • 決定版 大東亜戦争(下)(新潮新書)

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    上巻に続いて、下巻では大東亜戦争や太平洋戦争と言う名前付けや、戦後の皇族のアジア諸国に対する慰霊の旅や戦争終結に向けての動きなどが書かれています。
    大本営と言う存在が上手く機能せず、軍部が勝手に動いて、中国での戦争の場を広めていく。政治家である民が軍をコントロールしないといけないが、それが出来ない国は滅びていく。

    今回印象的だったのが、外交の大切さではないかと思いました。長い目で見て、譲るべき所は譲り、機が熟したら、果敢に攻める。しかし、軍隊は短期的な視点でしか見れない、目の前の利益を手に入れないといけないから、譲ることはないという。人の本能の様なものかもしれませんが、戦争ほど非効率的なもの

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    2021年10月27日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    そういう史観の本では無い。どちらかと言えば、下巻の方が読みやすかった印象。
    太平洋での英国と表題に関わる呼称の話は、あまり目にしたことが無かったので興味深かった。

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    2024年10月08日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    最初は「失敗の本質」のような戦略面からの日本の失敗を書いたものかと思いましたが、日本という立場だけでなく、アメリカやイギリス、そして中国から見た太平洋戦争と言うのが興味深かったです。
    先進的なアメリカでも、海軍や陸軍で利益が異なり、一枚岩てなかったと言うのも始めてしりました。ヨーロッパと太平洋の2面同時に動けるのはアメリカぐらいかもしれませんが。ドイツこそが本丸と言うのも、納得出来ます。
    中国もまた終戦間際に、日本からの和平を持ち込まれたりとした話もあったのですね。
    今の政治家と、戦中の政治家は、そんなに変わらないのかなと想います。他人事のようですからね。

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    2021年10月21日