宇津木健太郎のレビュー一覧

  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    転生繰り返す文豪とか変わった猫たち。
    本を書く、と、本を勧める
    相手の心に届かなかったらと考えたら怖くなるのは同じなと
    猫が物語を読み、苦笑する
    なにせ猫の気持ちに真面目に考えるの面白い

    0
    2025年09月13日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    小説新潮の冒頭で引き込まれ、続きを読みたいと望んで …しろがねの葉 と同じ流れ。リラも最高だったし
    文芸誌の存在と、ステキな出会いに感謝

    ファンタジーノベル大賞2024受賞時の選評では、後半、話のスケールが小さくなってしまうそうなので改稿に期待
    →逆に壮大に膨らんで行ったと感じたのだが、改稿されたっぽい
    猫の自分語り→古書店で起こる出来事、少女の成長と葛藤 が互い違いに同時進行する感じに変わったのかも。

    作者さんの、文章を書き物語を作り出すことに関する苦悩や葛藤が、古書店店主の身の上(物語を作れなくなった神)に投影されている気がした

    猫の飄々とした口調が好き&自分にとっては新鮮だった

    0
    2025年08月14日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    猫には九つの命がある。
    英国の古い諺にある言葉のとおり、九つめの命を生きる黒猫が主人公。自称「己」、見た目からクロとも呼ばれる彼は三つめの命の時、自分を主人公にしたかの有名な名作を書いた作家の元で暮らし、その時の思い出を誰にも触れさせない聖域のように大切にしていた。九つめの命を生きる現世で、己がたどり着いたのは「北斗堂」という名の古書店。そこは数匹の猫が居着いており、猫の言葉を理解する北星恵梨香という女性が店主で、猫達からは「魔女」と呼ばれていた。この謎めいた古書店と魔女の正体は?
    ほのぼのストーリーを勝手に予想していたのですが、いい意味で裏切られました。人の世も生きにくいが、猫の世も波乱万丈

    0
    2025年03月28日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    2024ファンタジーノベル大賞受賞作

     猫は転生して9回の猫生を生きるのだそうだ。(100万回という話もあるが)
     主人公の黒猫は、1生目は天明の飢饉で人に食われ、2生目嘉永の江戸で馬車に轢かれて死んだ。3生目は文豪の家に居着いて『吾輩は猫である』のモデルとなった。
    4生目は高浜虚子の弟子に飼われたが東京大空襲で死に、5生目は高度成長期に悪ガキどもに殺され、6生目ではバブル期の悪徳ブリータの多頭飼育の犠牲になり、7生目は猫島でボスにやられ、8生目はゴミ屋敷の老婆が死んで保健所に収容されたが東日本大震災の津波で死ぬという、まことに波乱万丈の歴史の中で翻弄されたため、人も他の猫も信頼しない。
     

    0
    2025年03月06日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    可愛らしい装画には少し違和感のあるタイトル。
    読み終わった後に、このチグハグ感がしっくりくる。

    人も猫も基本的には自分の事しか考えてないけど、人は、猫をどうにかする力がある分、その力の使い方は考えないといけないよね。

    展開のリズムもよく、時に涙しながら一気読み。
    彼に安寧の時が来ますように。
    最後、あの古本屋はどうなったのだろう…。
    妄想を膨らませる余韻を残す感じは好きだけど、もう少し知りたかったな!

    0
    2024年10月06日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    猫が主人公の小説は多くありますが、「9つの命」で転生を繰り返す猫、それも夏目漱石に飼われ「吾輩は猫である」のモデルになった猫が主人公というのは面白い設定でした。

    それまでの8つの命で悲惨な死を遂げ、人間にも同族にも心を許せなくなった「クロ」。本当の名前「真名(マナ)」や漱石との思い出を明かすことなく頑なな態度を取り続けていたものの、長い月日を経て周りの猫や人への思いやりを持つようになるクロの姿は感動的でもあります。
    そして、普通の動物は決して行わない、「物語を紡ぐ」という行為を尊重し慈しむクロの視点は、物語を書くひとにとっても、読書が好きな人にとっても共感できるものではないかと思います。

    0
    2024年09月28日
  • 森が呼ぶ

    Posted by ブクログ

    失踪した大学院生から著者に送られてきた
    日記や記録を小説化したモキュメンタリー。

    日記には土着信仰が根付くとある村での
    奇怪な出来事が記されていた。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    「村」「宗教」のワードで
    読む前から良い意味で嫌な予感。

    洒落怖が好きな方にとてもおすすめ。

    モキュメンタリーといいつつ、
    どこか真実が紛れてるのではないかと思わされる。

    0
    2024年01月05日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夏目漱石に飼われていた猫が、何回か転生した後、現代に生まれ変わり、不思議な古本屋に住む話です。最初はどんな話なのか分からず、読むのに辟易してしまいましたが、話が進んでくると読む手が止まらなかったです。
    主人公の猫のツッコミや性格が面白くて、そこが個人的には大好きです。
    しかし、導入が退屈だったので、よく一次で落とされなかったな……と思ってしまいました。文章がよかったのでしょうか? あと、最後の円の書いた小説が受賞したのは、そう簡単にいかないだろと、小説を書いたことがある身からすると思いました。
    ですが、間違いなく面白い本なので読んでほしいです。後半からは、主人公を応援したくなる心温まる話です。

    0
    2025年08月14日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    漱石に飼われた猫が九つ目の生で猫と話せる古本屋の店主と出会う話。いろんな作家に買われたことのある猫が登場するのが面白い。店主の魔女があんまり魔女っぽくないのも良いよね。『作家と猫』と一緒に読むのもおすすめ。

    0
    2025年05月04日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    日本ファンタジーノベル大賞2024年大賞受賞作。落ち着きの悪いところがある気もするが、本と猫、作家と猫の関わりに想いを馳せるのも悪くない。実在した猫達なのだろうが、作家の方は見当がついても、さすがにわからない。書く事についても恥ずかしくもあるのだろうが、著者の想いが溢れている。

    0
    2025年01月31日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    実家で飼っていた猫達は何回目だったんだろう?とか思わず考えたくなる話でした。
    そして青空文庫で「吾輩は猫である」を探す人多いと思う。私も再読中。
    途中途中ウルっとくること多数。動物ものは涙腺が弱くなりがち。
    最後の方の夢の中で天照様が出てくるくだりは個人的にいらなかったかなぁ。
    あんながっつり出てきて舌打ちまでするような神様ではなく、ちょっと不思議で切ない話(謎は残しつつ〜)で終わって欲しかったかも。

    0
    2024年12月11日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    9回目の転生を迎えた猫の視点から、人間界かがせわしない一方、その中で一種矛盾して見える物語を紡ぐという行為の意義を問うている。

    猫は9回転生を繰り返しているだけあって、気まぐれな人間たちを簡単に信用することはない。
    それでも、3回目の人生で永遠の思い出となる作家との出会いがあってからは、物語と向き合う人間に対して特別な気持ちを抱く。
    なぜ物語を紡ぐのか、作家やその卵3人との出会いを通して、猫が発見していく意義のどれもが、それぞれ気づきをもたらしてくれると思う。

    0
    2024年12月04日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    猫には九つの命がある。
    最後の命を迎えた黒猫は導かれるように古書店「北斗堂」に
    辿り着く。謎めいた店主と猫たち、訪れる人々。
    彼は「真名」への拘りを抱えながら「北斗堂」で生活することに。
    その中で知る“魔女”と呼ばれる店主の謎。
    更に知る「北斗堂」集う猫たちの記憶と役目。
    人を嫌悪し、同族で群れることもせず、偏屈で孤高に
    生きようとする黒猫のかたくなさは、凄惨な過去の命の記憶ゆえ。
    だが、あの作家との生活を生きた命の記憶は、彼を捉えている。
    そんな彼が魔女や住まう猫たち、そしてあの娘との出会いは、
    年月と共に緩やかに、彼の心を変え、思いやる心が芽生えてゆく。
    そして、あの娘と魔女にあの男の創作

    0
    2024年11月05日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    表紙の雰囲気から、ハートウォーミングなお話かと思いきや、全然違います。主人公のクロネコは性格がひねくれてるし、態度も悪い。ドーンと重苦しくてなかなか読み進まないんだけど、しばらくしてはたと気付きました。この子、高校時代の私と似てるかも。当時、ウチはお金がなくて、習い事も塾も行かせてもらえず、進路も限られた選択肢しかなかった。何不自由なく高校生活をエンジョイしている級友たちの輪に入らず、横目で見てひがんでた。きっと態度にも出ていて、嫌なヤツだったに違いない。私の黒歴史。それが、不思議なことに、この本を最後まで読んだら、黒いページがシュレッダーされました。まだ胸の痛みはあるものの、黒い影は雲散霧消

    0
    2024年10月23日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    猫目線で書かれているので、猫の気持ちに浸れました。「吾輩は猫である」を読んでから読み返すと、別の気付きがあるのかな?と思うので、読んでみたいと思います。

    0
    2024年10月11日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    「猫には九つの命がある」という。おれは九回目の命を生きている。住宅街を気まぐれに歩いたはずだった。個人経営の古書店の前で女に呼びかけられた。「思ったより、早かったね」と。ひとまずおれは逃げ去ったが、どうも気になりこの書店に吸い寄せられていった。茶白の雌猫が声を掛けてきた。「お前か、逃げたやつは」、「まあいずれ、お前も北斗堂に来るよ」と…。前世で小説家と縁があった猫たちがこの北斗堂に集まっている。そして店主の女性は猫たちが「魔女」だという。魔女と猫たちのお話です。面白かった。

    0
    2024年09月14日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    「猫に九生あり」を元に、転生を繰り返す故人作家の猫たちと、書店員の物語。
    というとファンタジーではあるが、テーマとしてはなかなかに重苦しい。
    猫の死が多々描かれるので、猫好きには少々辛い内容にもなっている。
    タイトルには納得感があった。

    0
    2024年08月13日
  • 猫と罰

    Posted by ブクログ

    「猫に九生あり」過去に漱石の飼い猫だった孤高の主人公猫のクロは、9回目の生で、ある古本屋にたどり着く。そこでは、ある呪いに賭けられているという女店主と、文豪の飼育歴のある猫たちが生活していた。果たしてクロは、孤高を貫くのか、また、女店主にかかっている呪いとは…
    猫も本も孤独も好きで、たまに寂しくなる自分には、感情移入しやすい作品でしたが、ラストにある神への対峙は、まあまあクサく、アツい内容です。
    ただ、言葉の力を信じる著者の熱い気持ちが表れていました。

    0
    2024年08月06日
  • 森が呼ぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    田んぼに落ちたところが最高に怖くて気持ち悪かった
    本来の虫っぽさよりグロテスクさに全振りされていて正体がわかる前の方が怖かった

    0
    2023年06月10日
  • 森が呼ぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    出版社に公募原稿として届いたある「記録」。それは、隔絶された村落に深く根付く奇妙な土着宗教「奉森教」の継承者となった親友を訪ねた女性が遺したものだった……。

    隔絶された環境、奇妙な土着信仰、独自の慣習に従って生きる人々、旧家に纏わる因習とそれに抗う者、徐々に起こる惨劇、そして怪物……いわゆる“田舎ホラー”に頻出のガジェットはほぼフルラインナップ。ないのは村人による新参者イジメくらい(よしなさいって)。
    前半部は淡々、時に心霊系な脚色も入れつつじわじわと正調田舎ホラーの雰囲気を盛り上げていくが、半分を過ぎた辺りで突如弾け、一挙に阿鼻叫喚の地獄絵図な展開へ。そして明かされる惨劇の真犯人と、「奉森

    0
    2022年07月22日