やまだないとのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
童貞+BL(?)@トキオ荘『王様とボク』のやまだないとがモーニング・ツーで連載中の久々の新作。舞台は1950年代の東京、宮城から18歳で上京してきた新人漫画家花森ショータローは、テラさんのつてで、かつて漫画界の神様テヅカ氏が住んでいたことで知られる漫画家梁山泊トキオ荘に入居する。花森は宮城時代から文通で親交を温めた盟友クボヅカフジオ(王子系美少年)と二人三脚で仕事を進める中、花森に憧れる新人女性漫画家水島ユミ子(ベリーショートのボクっ子)、クボヅカの母を名乗る女(お水風)がトキオ荘に入居してきて・・・。だいたいこんな感じの話。ようは『まんが道』をパロった童貞青春漫画である。断言する。めちゃくちゃ面白い。花森の日常を描く漫画なので、非常に多面的に作ってある。どこに焦点をあてるかは読み手次第といったところか。一応主だった読みどころを列挙してみる。まずは、主人公花森の童貞満開っぷり。水島ユミ子が自分に思いを寄せていると思い込んでしまう痛さは、なんだか見てて辛いものがある。二つ目は、花森と姉との文通。花森は病弱な姉を楽しませるために漫画を描いていたという。その姉はもう余命幾ばくもない風である。三つ目は、トキオ荘の面々の活躍。みなそれぞれ悶々としており、これから羽ばたいていきそうな気配。四つ目は、クボヅカの謎。中性的なルックスな上、序盤からBLを匂わせる描写が散見されるが、決定打はない。そして母を名乗るけばい女の正体は。だいたいこんな感じだろうか。トキワ荘への妄想を展開したマンガなので、『まんが道』などで、トキワ荘の知識を頭にいれておけば面白さ倍増。思わずニヤっとくるような、微妙に史実とずらしたネタが随所に仕込んであってときめいてしまう。以下例。主人公の花森は「筆が速い」という描写や名前から、おそらく石ノ森章太郎がモデルだろうし、トキオ荘はトキワ荘のこと。テヅカ氏とテラさんはなぜかカタカナにしただけでそのままだが、藤子不二雄は藤野富士雄という名前のソロ漫画家(二人組でない)になっている。実在の人物をモチーフにした作品には、努力や苦労ばかりをフィーチャーして、その偉大さばかりを強調するものが多い中、本作の主人公は真に等身大である。主人公の女性と上手く話せず悶々とする様は、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』や『モテキ』を想起させる。絵、演出、構成も上手い。上手いとしか言えないのが悔しいが、本当に巧みである。実を言うと私は『王様とボク』以来やまだないと作品をまともに読んでいなかったが、当時に比べると格段に熟達しているし、テイストも随分変わった。かつては岡崎京子とか、南Q太とかをポジティブにしたような尖り気味の作品ばかりを描いていたように思うのだが、随分丸くなったように思う。こういうのを「円熟」というんだろうか。書き込みが増え、絵も見やすくなった。もはや絵だけでも見れるレベル。やまだないとは今が旬なのかもしれない。ラストに引きにテヅカ氏をもってくるのがまたニクい。次巻がめちゃくちゃ気になる。
-
Posted by ブクログ
かの手塚治氏が住んでいた? アパート住人のお話ですねぇ…当時の雰囲気というか、っていうか、僕は当時のこと、何ら知らないのですけれども、何かこう…今の日本ではあまり考えられない、わちゃわちゃとした感じですかね、それがうまく表出されていると思いました!
ヽ(・ω・)/ズコー
こういった大人数がわちゃわちゃ鍋などを囲みながら食事するシーンっつーのはなかなか見ていて楽しいものがあるんですなぁ…。
登場人物のうちの一人が「最近の日本は人と人とのつながりが少ない…」みたいなセリフを言ってましたけれども、本当でしょうかねぇ…? けれども、人は皆、心のどっかしらでは繋がりたいっ! みたいなことは思っていると思いますし、それは当時の日本人だけじゃなく、ちゃんと現代にも受け継がれていると…期待しましょう。
さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー