鬼塚英昭のレビュー一覧
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購入済み
影響不明な暗部
日本の暗部が垣間見えて、暗部が引き起こしたと思しき案件が列挙される。その結果として、日本は一般市民にとって悪い方向へと流れた。読者として推測で評するに、それでも最善だったのではないかと思われる。本書は、考える材料を与えてくれる、良書と認識する。
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購入済み
超人的な読書量が推測される
西欧思想の危険性を指摘するものは消されたというのは、大きな力からの粛清ということで理解しうるが、領土拡大を批判するものは消されたというのは、俄には理解し難い説である。一方、これらの仮説を導くにあたり、緻密な情報収集、分析がなされており、圧巻である。
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Posted by ブクログ
「8・15宮城事件」が偽装クーデターだと
立証しようとする研究をまとめたものである
この本によると
自決のはずだった近衛師団長がクーデターへの
参加を拒否したため惨殺されたとすると同時に
クーデターの引き金とされる事件
それが玉音盤の放送を阻止しようとするクーデターである
戦争終結に向けて上手に終わりたい天皇派と
本土決戦に持ち込んで筋を通したい若手将校達
その若手将校達をうまく使って天皇安泰を測る私利私欲に
この事件を企てる天皇派と吉田茂達とアメリカ軍
そしてアメリカ政府を操る国際金融組織が群がって暗躍する
無条件降伏という取引の陰で2つの原爆投下の計画が糸をひく
三笠宮達によ -
Posted by ブクログ
8月15日のクーデターは、開戦を決意し、戦争を指導してきた天皇を、被害者に仕立て、平和の天皇として、責任を逃れさせる為に仕組まれたもので、実行犯の主犯は三笠宮崇仁親王(高松宮宣仁親王も加担)であり、天皇も当然知っていた。無益な偽装クーデターで有意な若年将校を死なせる事に反対したのが阿南惟幾陸軍大臣であった。
多くの書籍を読み解きクーデターを偽装と見抜く著者の慧眼には敬服するが、天皇とはそういうものであるとも思う。
太古から、国を奪い、術中謀略の中を生き抜くため、策を弄し、勝ち馬に乗り、その馬が負けそうになれば平気で売り飛ばす。責任は、常に誰か他の者にある。それが天皇である。
勝ち残るためには -
Posted by ブクログ
小説だと思って読めばなかなか面白いと思う。
というのは、書かれているのは全て状況証拠だから。
領土拡大が事績だと思って戦争を指導し、敗戦となると部下を売って責任を逃れようとする、在位し続けるために、キリスト教に改宗しても良いとの素振りまで見せる、生き延びるためには、平和の天皇としての演技を完璧にこなす。
著者は、昭和天皇を断罪したいようだが、このようなことは、神代の昔から天皇がやってきたことだと思う。後醍醐天皇などまさにそうである。
昭和天皇は、その意味では、とても天皇らしいと言えるのではないか。
近世における「建武の新政」で国を滅ぼした(米国の属国となった)。薩長の明治維新は失敗だったという