キャロライン・クリアド=ペレスのレビュー一覧
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データにおけるジェンダーギャップが実生活にどれだけ影響を与えているかという話
男性、白人は普遍的
当たり前の存在とみなされるようになっている
文化、歴史、データから女性はいないものとされている、人口の半分を占めるのにマイノリティ扱い
無償のケア労働に配慮した職場づくり
Googleでも男性より女性の自己推薦は低い、報酬も低い(Googleは認めていない
クオータ制は、不適任の女性の採用ではなく、能力のない男性の除外に貢献している
オルタナティブワーク
ギグエコノミー
女性の割合が多い、賃金格差、不安定労働の拡大
データにおけるジェンダーギャップが甚だしい世界にビッグデータを導入す -
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政策等の意思決定の基礎となるデータが男女で区分されていないことで、データ上女性がいないことになり、さらなるジェンダーギャップが生まれると説明する本。
「データがない」ことを示す統計/事例が豊富に引用され、出典表記のボリュームは本書全体の1/3に及ぶという大労作
(時間をおいて追記)女性が社会的劣位に置かれた結果、教育と資産形成の機会がなくなり、シャドウワークの「適任者」として多くの時間を無賃労働に注ぎ込み、彼女らの利益の代表者は議会に送り込まれず、民主プロセスにも参加できない。という中で現に劣位ある女性の描写はそれなりに清潔な東京周辺の暮らしになれているとなかなかのエグみがある。彼女らの状況 -
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「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」とは、フランス人女性シモーヌ・ド・ボーヴォワールの言葉ですが、この事実が120年近く経った現代でも普遍的であることを我々はどう捉えるべきだろう、と思いました。
本書は女性を取り巻く実情について、数値や論文などのデータをふんだんに取り入れて解説しています。
よく女性が意見したときに言われる、「女性の意見ってデータとか客観性がないから」を見事に論破する内容になっていて、「自分の中にあったモヤモヤを言語化してくれた!」という気持ちになりました。
本書はジェンダーについて取り扱っていますが、ジェンダーを論じる上でありがちな「男を貶めて女を立てる」 -
Posted by ブクログ
データの詳細ばかりで読みにくいと思って始めたが、途中からこの時代に女性に産まれたことに絶望した。だが最後は声を上げてこの世の中を変えようとしてくれている人達がいる事に涙が出た。
どうしてこうも気を遣いながら生きなければならないのか、男に家事をさせるだけでも女は言い方を工夫し、褒めなければならない。女性は毎日行なっているにもかかわらずだ!
でも世の中をかえるのもこうしたやり口をしていかなければ変えてすらもらえないのは理不尽と感じるが、やるしかない。
女性目線が世の中にもっともっと取り込まれて世の中が本当の平等になる日が来ることを切に願う。 -
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読みやすかった!!
今は男女平等だろ、と言われてまあそうだなと思いつつも何かもやもやしたものを感じてた私にとって気づきを与えてくれる本でした
たしかに表面上は昔と比べたら男女平等になってきているけれど、そもそも標準とされるものが男性仕様だったり、男性分しか実証実験がされていなかったり…と標準とされているものに欠陥があるという指摘(もちろんファクト付き)は目から鱗でした
アメリカの独立宣言が、"全ての人間は生まれながらに平等"と高らかに宣言していますが、この"人間"に女性が含まれていなかったことを思い出します
ヒラリークリントンを(所謂"女性&q -
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あるメーカーのオフィスチェアを買おうと思ったのですが、何十というブランドがある中で、女性の体形や身長を対象としたシリーズは1つしかなかったんですよ…
このように一つ一つは小さく見えることでもどうやら世界は女性にあった仕様になってなくない?という違和感を、数値と取材で示してくれる本。
現代日本で暮らしている感触とベストマッチで、やっぱりそうだったんだね…ということで驚きはないが、医療、家電、災害などあらゆる分野で、男性(多分その国のマジョリティ人種の)が基準になっていて、女性はmarginalizeされていることが示されている。で、実際困ることもたくさん起きているからどんどん変えていかないとね。 -
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除雪からスマホ設計、薬の開発、労働、災害、いたるところで男性中心で社会が作られていて女性が排除されているか、ひたすら事例が紹介されている。
「私たちはなぜか、女性は生まれつき優秀だと思わないのだ。それどころか、女性らしさは知性の対極にあると思われているようだ。最近のある研究では、アメリカの一流大学の科学分野の教授陣(男女含む)の写真を参加者たちに見せた。その結果、男性教員の外見は、その人を科学者らしいと思うかどうかとは関係がないことがわかった。ところが女性教員の場合は、典型的な女性らしい外見の人ほど、科学者らしくないと思われることが明らかになった」 -
Posted by ブクログ
ネタバレあとがきなどを含めた本文が67%で、残りの33%は参考にしたデータ?なところから分かるように、性差のデータが少ない中でかき集めてできた貴重な本です。
「多くの男女差別は悪意によるものではなく、認識の欠如によって生じている。」この文が答えなのでしょうね。
分かってはいたのですが、あまりに女性の扱いがひどくて読むことが辛くなったことが何度もありました。でも、読まずにはいられませんでした。なぜなら、私も被害にあっていることがいくつかあったからです。男性として産まれていれば…と思うこともありましたが、男性にはなりたくないです。男性は「女は異常で、非定型で、明らかにまちがっている、という意見で一致して -
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現代社会において如何に女性が不利益を被っているか。意識していない事自体が罪であろう、私は罪人の一人である。しかし、男女間の分断を煽り、ミソジニーを加速させてはならない。建設的な読解力が必要だ。何故なら相手は、女性専用車両にすら、不満を抱える人たちなのだから。
医薬品や交通事情、車のシートにおける設計に至るまで、女はいつも二の次だ。その所為で、防護服なんかでは危険に晒されるリスクは上がり、実際に重傷を負う事も男より多い。骨盤の作りが違うから、男性同様の歩行訓練を強制されるのは辛いし、一人でバスに乗ったり、トイレに行くだけで、男は乱暴を働いてくる。2013年の国連調査では、世界の殺人犯の96%は -
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最近になって、「生理の貧困」や、災害時の女性の困りごとについても知られるようになってきた。
そして今、ウクライナの現状を報道で見ると、女性たちが悍ましい被害にあっていることが伝えられる。
一部ではフェイクニュースと言われるが、規模はともかく、女を黙らせ、欲望を満たすのに手っ取り早い方法を兵士が取らないはずはない。
時間が経つにつれ、忘れられていくけれど。
女は運転が下手、と私も思ってきた。
近くにしか視野が行かないんだろうと思っていたが、発想を逆転してみると、そもそも男性にとって使いやすい車が女性も使いやすいとは限らない。
私は背も高く足も長い方だが、とにかく運転席は居心地が悪い。
全てが使 -
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HONZノンフガイドブックから。”マチズモを~”を読んでから、この分野への関心が俄然高まっている。自分のことだけど、良い傾向だ。本作は、あらゆる事項において、実は気付かないうち、男性本位で成り立っているということが、数々のエビデンスをもってどんどん暴かれていく。実に痛快。でも、こうして言われてみてはじめてハッとする、みたいなことも多く、自分も大いにマチズモに侵されている事実を、改めて突きつけられる。男性にとっての快適だけ考えた結果、片手落ちになる。実に当たり前のことなんだけど、それが本当の意味での常識になるまで、いちいち立ち止まって考える癖をつけとかないと、いつまでも現状のまま変わらないですわ
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Posted by ブクログ
ジェンダー平等に向けて、データの見方、取り方を提言する。
まずデータをジェンダーに分ける、男が優位な状況で取ったデータをファクトとしては扱わない。
医療データは、女性男性を分けていないケースが多い。女性は年齢や月経の状況で異なる治療法への反応を示すことがあルため分類の手間が非常に多くなる。そのため、男性と同様なものとして一種類に簡便化で扱ってしまっているが、これでは適合する治療法がわからなくなってしまい、実際ケースによっては女性の死亡率が高くなってしまっている。
女性教師や、政治家などは評価側のバイアスが強く、年代が減るとともに薄まっては来ているが、正当な評価ができる状況にはまだ来ていない。