前田啓介のレビュー一覧
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ネタバレ前半少しだるかったが、後半、そこで得た時代背景や状況をベースに、喜八の心情や作品の解釈へと迫っていく筆致に感動を覚える。
自分が何故、喜八に惹かれるのか、自分が何を大切にしたいと考えているのかを明らかにしてくれる。
様々、この本を読んで、喜八の姿勢を身に着けたいこと、考えること・探究したいことが出てくる。
【喜八から学びたいこと】
・「喜劇っていうのは、だから、本当に痛烈だなって思う。見ているときは、可笑しくて仕方ないんだけれど、おかしゅうて、やがて悲しい・・・、とそういうものを、どうしてもやりたい」
・人の心の中にあるものを、手艇的に大事にしてくださる方でした。それは相手が二十歳そこそこの -
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まさに、「戦中派」についての本である。
この本が興味深いものになったのは、岡本喜八の学生時代の日記が発見され、著者がそれを読むことができたことが大きいようだ。例えば、この日記により、ある映画を山田風太郎が同日同劇場で観ていたことが判明する。
この日記何とか書籍化されないものですかね。
個人的な事ですが、私の父は岡本喜八より一月前の生まれ、即ち同学年の同級生よりも一年遅れで徴兵検査だった。このため、海外の戦地に行かされることなく、千葉県で本土決戦要員として訓練中に終戦になったという経験だった。これにより、私もこの世に存在することができたという事らしい。 -
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とにかく見方によって評価が変わる人物、というのが感想。どんな人間も見方によって変わるとは思うが、辻政信に関してはその振れ幅が大きかったのだろう。陸軍での上官の評価のエピソードが出てきたが、評価が極端に違うところが印象的だった。
独断専行が目立つ無謀な軍人のイメージがかなりあったが、膨大な量の試験の採点・添削をこなした話などをみると、なんでも1人で全部やらないと満足できないタイプだったのかと思う。そして、それが極端で度を越していたのだろう。
こういうタイプは会社組織などにも普通にいると思うが、そういった人物をどう制御し活用するか、といったところを学んでいくべきなのだろう。結局、軍隊も、政党や国会 -
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●=引用
●また、1952年(昭和27年)10月4日付読売新聞夕刊で、劇作家の三好十郎は「戦争から与えられた苦しみに対する日本人の鈍感さだ」を問題とした。(中略)三好は、辻を念頭に「大衆にわかりやすい言葉と英雄的な身ぶりで発言しはじめた」と懸念する。そして、「辻氏のように、『再軍備ではなくて新軍備だ。北海道は五個師団、その他は四十歳以上の民兵で守る』と端的に確信ありげに言い切られると、ついフラフラとそれについて行くのである」と民衆の節操のない態度にも批判の目を向ける。さらに、それに対抗し、民衆の支えとなるような意見を出すべきである「学者やインテリゲンチャは大衆の場で発言しようとしない」とする -
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やはり参謀という上位にいた方々だけあって、彼らの一つ一つのエピソードは日本の行く末に大きく影響を与えたり、影響を与えられたかもしれなかったりで、とても濃密。彼らの判断が、何万人もの人々の命に関係した。
本書で取り上げられている参謀は「言葉だけ」の参謀ではなかったことが、彼らが数多いる他の参謀たちと比べて異なっている点であった。やはり、現場力だとか行動力など人を惹きつける部分があり、それらが言葉や知識によって裏付けされている点、「どうせ机上の空論だけでしょ」といった考えを覆す振る舞いが彼らにはあったのだろう。
個人的には、彼らの戦時中の経歴にも関心はあるが、どちらかというと戦後彼らが何をしたのか