アン・ビクレーのレビュー一覧

  • 土と内臓

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    根圏と大腸という、これまで省みられることの少なかった「世界の隠れた半分」における、驚くほど精巧なフィードバックループ。本書は両者における微生物たちの役割に光を当てるとともに、利便性と快適性を重視するあまりこの豊潤な小宇宙を軽視してきた現代人の生活に警鐘を鳴らす。地質学者と環境計画学者の夫婦の共著だが、それぞれのアネクドーツが生化学という専門外領域への関心を呼び覚まし、本書の執筆に繋がったというのが面白い。

    本書は微生物の発見の歴史や、進化の過程における「シンビオジェネシス(共生)」の解説を経たのち、人間の農作物への関与の歴史の詳述に入る。モンゴメリーは、植物の生長に必要な窒素・カリウム・リ

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    2019年12月02日
  • 土と内臓

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    「微生物の目から見れば、わたしは生きている丈夫な格子垣で、そこに無数の微生物がからみつき、はい上がり、生長する。(略)わたしは彼らの故国だ。わたしは自分で思っていたようなものではなかった。読者もそうだ。
    わたしたちはみんな、別の生物の生態系の寄せ集めなのだ。」

    近年健康へ及ぼす影響などが解明され始め、注目を集めるヒトマイクロバイオームについて、少し掘り下げて知りたい人に大変お勧めです。
    原文の著述を損ねない素晴らしい訳で、引き込まれるように読み進められました。

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    2018年12月29日
  • 土と内臓

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    ネタバレ

    本を一目見て驚くに違いありません!!
    重厚ですぞ、分厚いですぞ!
    そして、専門用語も出ますぞ!!

    そんな本が伝えてくれることは
    菌類がいかに大事かということ。
    そして、菌類をなくす、ということが
    おっそろしいことを招くかという
    警鐘も促しています。

    抵抗力がなくなる…
    それは体にある大事な菌が
    ある種補給されないのも
    原因かもしれませんね。

    それがない食習慣は
    太ります。
    (ン?うちはなんでなんだろう
    ストレスの線が強いかも)

    それとロカボと言われていますが
    精製されたそれは
    人は分解に適さないようです。
    菌類を補充している人は
    ある程度耐えうるのですが
    そういった人が、率先しては、あ

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    2018年06月11日
  • 土と内臓

    購入済み

    労作、菌の世界の奥深さを知った

    論文ぽくないように、実例をあげて分かりやすく書かれています。教科書には無くても、その内に世の中の常識になり得るお話でした。最近の遺伝子解析技術はすごいですね。

    #深い #癒やされる #切ない

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    2023年05月28日
  • 土と内臓

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     ちょうど読み終えたところ、今日の「クローズアップ現代」が「腸内細菌の知られざる力」とあったので、先を越してご紹介(この本が紹介されるかはわかりませんが…)。

     植物も動物も如何に微生物との共生が重要かということを教えてくれる書籍です。人間の身体には数キログラムのマイクロバイオーム(≒微生物)が棲んでおり、ヒトの皮膚1平方インチに約50万個もの微生物がいるとのことです(著者はこの面積に住む微生物の数は、「ワイオミング州の人口とほぼ同じ」と表現していますが、自分流には、故郷の「鳥取県の人口とほぼ同じ」と思いました)。

     植物は根から微生物が喜ぶ物質を放出し、代わって微生物は必要な養分を根(植

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    2022年06月20日
  • 土と内臓

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    高温多湿の夏という季節をもつ日本において、腐敗・発酵・微生物の作用はけっこう身近なものだと思っていた。
    北米在住の著者にとっては、そうではなかったらしい。自分をとりまく庭などの環境、そして病を患った自身の体の感覚を経験的に綴りつつ、科学的検証も同時に併記している。著者夫妻はもともと研究畑だが、微生物については対象外とのこと。複雑に絡み合う自然界、ヒトも含めてその繋がりは分野以外となると、科学的根拠に基づいて話すのは難しい。経験をもとに科学的リテラシーを持って推敲された文章と訳文は説得力がある。
    人と微生物、人と自然の共生について、改めて問い直す文章は、コロナ真っ只中の現在に非常に響く内容だ。

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    2021年05月14日
  • 土と内臓

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    植物の根と人間の内臓が、同じことをしていたとは!

    土壌を整えるように、大腸の微生物たちを育てる。食べるという行為の本当の意味がわかった気がする。

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    2020年09月12日
  • 土と内臓

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     タイトルからは、この二つがどのようにつながるのかがよくわからないまま読み始めることになった。前半では、植物がよく育つためには土壌の細菌が大切であって、化学肥料を加えさえしたらいいわけではないということを、筆者たちの庭での実体験から始まり、農業の歴史を振り返りながら解説してくれる。そして後半になると、おなじように腸内の細菌が大切であるということを解説してくれる。いきなり腸内細菌の話しから始まるよりは、前半の土壌の話があったからこそ後半がすんなりと理解しやすかったと思う。うまく構成されている。あまり読みやすい本というわけでもないが、読んでよかったと思う本。自分の生活も少し変わりそうに思う、食事と

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    2020年03月07日
  • 土と内臓

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    ネタバレ

    うーん。英米の著者の効能を述べていく口調が気に障らなければ、とてもよくできている。微生物圏のフロラの話の前がたいへん。

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    2019年08月01日
  • 土と内臓

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    ながらく人々は、農地に堆肥などの有機物を与えることでその肥沃さを保ってきた。しかし近年、その有機物の栄養が、実は作物の成長にあまり寄与していないことが分かった。そこで代わりに与えられるようになったのが、化学肥料であった。作物の成長に必要な栄養を直接まく効果は絶大であり、収穫量は増大した。ところが、それは一時的だった。やがて、作物は病気や害虫に悩まされることになったのだ。あらためて分かったのは、堆肥の有機物の栄養は、農地に住む小動物、微生物の栄養となっていたことだった。そして、その小動物、微生物が、作物の栄養の吸収を助け、病気の発症や害虫の繁殖を防いでいたのだった。また、作物の方も、光合成した炭

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    2019年02月19日
  • 土と内臓

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    大腸をひっくり返すと、植物の根と同じ
    それがおもしろい

    畑をやりたくなった
    化学肥料をあまり使わない母の畑をのぞきにいきたくなった

    発酵食品をこれからも摂っていこう!

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    2018年08月05日
  • 土と内臓

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    そこ(大腸)では数多くの微生物が生態系を築き、人体と共生して、食物を分解し人間に必要な栄養素や化学物質を作り、病原体から守っている。それと同じことが、土壌環境でも起きている。腸では内側が環境だったが、根では裏返って外部が環境となる。そこに棲息する微生物は植物の根と共生して、病原体を撃退したり栄養分を吸収できる形に変えたりしている。

    病原体としての微生物という考え(細菌論)にもとづいてさまざまなワクチンや抗生物質耐性遺伝子が作られ、おかげで多くの人の命が救われたことも確かだ。しかし抗生物質の乱用は薬剤耐性菌を生み、また体内の微生物相を改変して免疫系を乱して、慢性疾患の原因になっている。

    同じ

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    2018年10月23日
  • 土と内臓

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    土が好き。だから、土という言葉が入ってるこの本を書棚で見つけ、つい手に取った。学生時代、土壌微生物の授業を受けてたから、新しい知識ではない。

    庭づくりと土壌微生物との関係、我々の体と体内の免疫と微生物の関係、そして土と植物と栄養素の関係。

    読んで、すぐにベランダの、毎年ゴーヤを育てているプランターの土づくりに着手。

    身体も、免疫性の皮膚炎を持ってるから、色々納得しつつ読み進め、納豆とヨーグルトの食べる頻度を増やしたり…。すぐに行動変容が起きる本。

    ただ、ちょっとくどいところもあり、読むのがストレスに感じるところも多く、そして同じことの繰り返しだったりで、読み飛ばしも多め。

    このシリー

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    2025年05月21日
  • 土と内臓

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    堅めだがロングセラーということで読んでみたが、植物や微生物に興味がないと科学系読み物をたまに読む人には辛いかもしれない。
    化学肥料はステロイドなど、興味をひく項目もあった。

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    2020年06月30日