鹿毛康司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
まず数値化されたデータでつい理解した気になり、その先には生身の人間がいるということを考えているつもりで無視しがちな自分がいることにハッとした。
押し売りのようなコピーや、お客様のことを考えたのか?と思うような広告など短絡的な売上を求めた結果について疑問を感じていたが、ではどうするのか?の答えに迷っていたこともあり本書は非常に学びがあった。
「インサイト」という言葉が流行ってはいるが、当然インサイトそれ自体(本書で言う「心」)が最近にしか存在しないわけではないことを再認識。
著書がマーケティングやクリエイティブに携わる中で、ずっと行われている心を知るための思考や、心を無視したケースのアウトプットとの比較など非常に分かりやすい。
本書は、心理学的な手法を用いて〇〇という表現をすると"売る型"の本ではなく、最大公約数的にただ感情に訴えるという話とも全く違う。
心とは何なのか考えさせられ、今の私にはそこまで拾い切れていないと反省した。
また、フレームワークや体系的な学びが不要という内容ではない。
途中までそういう論調なのかと懸念した(著書はそのような考えではないと思っていたが)。
それらが必要なことは本書のおわりにもあり、本文内でもそのような手法を使っていることが書かれている。
論理的な調査のその先にある"人の心"。
それを探るために、インタビューやお客様側になるために実施している内容は非常に興味深かった。
お客様から出てきた言葉の奥の奥にある別の感情をうまく引き出す力は一朝一夕では得られないだろうし、「本当にそう思ってますか?」と聞くだけでは出てこないだろう。
今後は本書に書かれている練習法を繰り返し、著者のような力を身につけたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・過去の自分に潜る→当時の自分になりきって具体的なシーンを思い浮かべる→その時の感情も湧き上がってくる→思い出せるだけ思い出し丁寧に復元する(ネガティブな思いに向き合う)→色に例えてみる(言葉で表せない)→手に入れた自分の周波数をもとにお客様の心にアクセスを試みる
※論理的になぜ?と考えようとしない、論理に隠された嘘の感情になるから
・行動の詳細→行動の矛盾を見つける→感情の再解釈→ダークな心情に向き合う
・商品(サービス)起点ではなく、顧客起点で考える(顧客が商品のことを意識している時間は1秒もない)
・自分が実践可能な疑似体験を徹底してやる(お客様の心を理解するため)
・じくあし
→自分勝手な期待を捨てる、クライテリア判断基準を明確に、愛情をいっぱい込める、シンプルを恐れない
→サービスの良さが打ち出せているか、お客のインサイトにアプローチできているか、手に取った瞬間心のツボが押されて次のアクションに繋がるか
→自分がマーケターであることを忘れ、1人のお客様になる(お客はサービスに興味がない)
→ぱっと見て目がどのように動いたか、何が残ったか、どんな気持ちになったか
・糸井さん対談
→自分とみんな、どちらも楽しめることが大事
→クリエイティブの日本語訳は「いいこと考えた」 -
Posted by ブクログ
STP 4Pなどさまざまなマーケティング技法を使うだけではうまくいかない。マーケティングとは人の心を動かすことだが、そもそも人の心を分かるとはどういうことかを説明できる人は少ない。
この本では、人の心をわかるようにするために、自分の心を分かることが大事だと指摘する。人間の行動の95%は無意識である。だからこそ、その無意識の部分にフォーカスし、その震源地を探らなければ、心が分かったとはならない。
自分をわかるためには、詳細にできるだけ細かく行動を言語化し、「なぜ?」を問うことなくその人員に探ることが有効。
例えばコンビニでおにぎりを買うシーンを想定し、行動を書き出す。急いでいたのに、前にいるおばちゃんのせいで商品が取れないことを無言で眺めたなど、おかしな行動をピックする。その行動の背景を、どう感じた?そのときの色は?など、「なぜ?」を聞かずに解き明かす。
非常に難しいが、慣れればできるそう。
他にも、クリエイターとの接し方、オンラインコミュニティ作りのポイントなど、様々な視座がある本。ぜひ手に取っていただきたい。 -
Posted by ブクログ
お客様の潜在的なニーズを理解する方法を知るために本書を読んだ。
その方法は、お客様の置かれた状況と類似した自分の経験を思い出し、ネガティブな(嫌な、思い出したくない、目を背けたい)感情と向き合うこと、であると理解した。
【なぜこの方法で理解できるのか?】
人の心は大昔から変わっていない。極論すれば、お客様(相手)の心の動きと、自分の心の動きは同じと言える。「心のツボ」やインサイトはお客様自身もわかっていない。それをアンケート等で導き出すよりも、自分の心と対話してインサイトを自分の中から掘り起こすほうが、効果的かつ納得感が得られる。
【ネガティブ感情と向き合うには?】
著者は3ステップのトレーニングを提案している。
①過去24時間以内の自分の行動をできるだけ客観的に書き起こす。
②自分の行動の中で、心が動いた部分を分析する。(イラッとしたなど。論理ではなく、色や動物で直観的に表現する。)
③「心のパンツ」を脱ぐ(=自分のなかのダークな感情と向き合う)
例:「なぜスタバを使うのか?」→「落ち着いて仕事ができるから」
→(心のパンツを脱ぐ)→「できるビジネスマンに周りから見られたいから」
【自分の生活でどう活かす?】
①お客様との会話では、自分の仮説の確認や誘導をしない。商品ではなく、お客様自身を語ってもらう。
②自分がお客様の状況に置かれたら、どんな感情が湧くのか想像する。
③自分がなにかやりたいことを思いついた時、その裏にあるダークな感情に思い馳せる。 -
Posted by ブクログ
「インサイト」について理解したいマーケティング担当者におすすめです。
マーケのフレームワークも大事だけど、生活者のインサイトを見ないと本質にはたどり着かないよね、という話です。
マーケでよく使う「ターゲット」は「標的」という意味の軍事用語なんですね。広告を「投下する」といったことも言いますもんね。まずお客様を「顧客」とかマーケの対象としてみるのを見直してみるのが第一ステップなのだと理解しました。
そしてお客様「心のツボ」を理解するためには、「自分に聞いてみる」のをまずやってみる。しかしそれは思い込みやバイアスがかかっているかもしれないという大前提というのを認識した上で自分の感情に向き合う(対話する)のが大事。
インタビューやアンケートで「デプスインタビュー」という形式がありますが、それをしたからといってインサイトが簡単に出てくるわけでないのです。自分の仮説や推測を確認する場でもない、あくまでインサイトを引き出すためのヒントをもらう場で、それを自分の解釈を加えながらインサイトを見つけ出なくてはいけません。だからこそ普段から自分と対話するトレーニングをする必要があります。
(トレーニング方法は第4章に記載)
後半は著者が携わった実際の案件の例からお客様の心を知る方法や、広告のありかたが描かれています。
私も広告の仕事をしているので、とても勉強になりました。