小野圭司のレビュー一覧
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2025/11/30 「太平洋戦争と銀行」☆小野圭司
太平洋戦争を「軍事」ではなく「おカネ」からスポットを当てた。軍事は「嘘=大本営発表」があるが、おカネは事実のみ物語る。しかも敗戦後もその始末が終わるまでおカネの話しは続く。
大きな疑問は「日本の国力でどうしてあの戦争が維持できたのか?」
答えは、「膨らんだバランスシート」であり、①臨時軍事費特別会計と②現地通貨借入金。国内からの調達と海外からの調達だが、どちらも巨額の借金を積み上げ、敗戦後は紙屑として借金を踏み倒した。
現在の日本国国債もいずれ同じ道を辿るのではないか。
疑問も残った。
①巨額の資産を抱えて終戦を迎えた、横浜正金銀行(3,3 -
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防衛産業の入門書として最適。
第5章は、ビジネスチャンス獲得の観点から、中小製造業の経営企画、開発担当に強くおすすめしたい。私の個人的な気づきとしても、だからあの企業があの大手と開発をしていたのか、と腹落ちしました。
また、巻末の、失敗の本質を引用した、イノベーションへの提言は日本製造業全体に刺さるものです、
第1章はタイトルに比較的促しており、教養として知っておく価値が高い。
第2〜4、7章は趣味的要素が強い点もある。私は勉強になりました。
図表、写真が効果的に利用されており、読みやすい。出典明記、索引も充実。作り手の入門者への親切さも感じる。
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何をやるにしても大抵の事にはお金が必要だ。戦争も例外ではなく、多大なお金が無ければ、弾は打てない、武器は作れない。そして兵士は動かせない。かつて日本は太平洋戦争に於いて海を越えてアジア各地を侵略した。現地で兵士たちが活動する為には食糧も寝る場所も移動手段も必要となるが、それにも全てお金が必要だ。だからそのお金を出す人とは別にお金を必要な場所に必要なだけ届ける必要性も生じる。現代社会でもそのお金の流通は経済活動の心臓であり、血管としての役目を果たしているのは銀行だ。銀行へ行けば支払いが必要なお金を(口座にお金があれば)手に入れることができるし、場合によっては信用をベースに将来の返済を約束した上で
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なんの力も地位も持っていませんが、日本に住んでいる1人の大人として、世界情勢や日本の置かれている状況は最低限知っておいた方がいいと考えています。
また、無知であることで、人を傷つけることや間接的に自分に不利益を被ることも起こり得るからです。
読んでみると自分の生きている時代のことなのに知らないことばかりでした。
ウクライナとロシアの争いで、ウクライナが善戦しているのは、認知戦が功を奏したから。そして、募金やSNSにより、日本人も間接的に参戦している可能性があること。
日本は現在イギリス、オーストラリアと関係を強化していること。
その他にも、日本、アメリカ、中国、ロシアの防衛事情や台湾 -
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ネタバレ
主義、主張の違いはあっても、独立国として毅然と他国に対峙していくためには、どうあるべきかを知り、学ぶことは重要と思う。
本書はその入門書として、日本を取り巻く国々が、どのような軍事体制を取っているかを知る事ができ、軍事強国を隣にもつ弱小国家日本の姿が否が応でも見えてくる。
極超音速滑空兵器(HGV)が飛んで来ても、迎え撃つ術を持っていない、という恐ろしい現実が見えてくる。
本書のはじめに
「『何となく避けている』『考えないようにしている』ではダメ 防衛問題を知ることは、自分たちの自由や幸福を考えること」とある。
私は自由を失いたくない。読みたい本を読み、勝手な感想を述べられる -
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日本を含めた各国の防衛産業の現状と問題点に関して、突っ込んだ内容が書かれているかと思い期待したが、そんなことはなかった。
各国の防衛産業の話はほんの少しで、大部分は主要なメーカーとその代表的な装備品の概要紹介ばかりであった。
最初の方に、メーカーごとの軍需依存度の違いが示されており、それを切り口にメーカーごとの戦略や国における位置づけの違い等の話があるのかと思えばこれもなく、正直地政学というより防衛メーカーガイドを読んでいるような印象だった。
日本の防衛産業の問題や課題についての深堀もなく、まあ一般人向けならしょうがないのかなと思いつつ、このような書籍を手に取る読者のニーズにこたえている -
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戦争の原因となった経済から、結果である経済、平坦から銀行の関わりから、経済思想政策、銀行と関わるあらゆる経済に筆を致す感じ。
読んでみればそうだよなあって感じで、別段、読み解くほどでもない気がしたが、こういう観点の本がなかったということかな。
社会福祉も、戦争のためだった。なるほど。
普通に読みやすくていい本だと思うが、マルクス経済を「多少なりとも」評価するのを初めて読んだと思ったら、京都大学経済学部かあ。
でも、改めて、その頃の「資本主義」がガチに搾取構造だったという視点は必要なのだろう。
もっとも、だからと言ってそこから生まれた何百万人も人を虐殺するような理論が正しいわけではないと。
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日本の戦時経済財政を戊辰から第二次大戦まで俯瞰し他国と比較した書。
なかなかの歯応えだがボクにとって新しい知見も多く良書認定。
信用ゼロの新政府にあって戊辰戦争の戦費を不換紙幣発行で確保した由利公正の天才と剛腕は驚きでした。
大規模戦争後は基本デフレというのも新しい認識。
ドイツのハイパーインフレや日本の戦後が特殊例らしい。
戦時の生産拡大の後では物余り=デフレが基本って事と理解。
つまりコロナ禍後は生産力の毀損は無い訳で、貨幣価値の維持に心配無い先進国はデフレ不況に突入となりインフレ懸念の世評とはズレがある的な。
答えは数年後のお楽しみ♪