知念渉のレビュー一覧

  • 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

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    批判点はいくつかあるけど、総じて評価すれば「大変優れた良書」だと思う。過去に一度読んで再読したが、やはり改めて良い本だと思った。

    本書では、大阪府の公立高校の〈ヤンチャな子ら〉(≒ヤンキー)を対象に、その子らの人生--家族・学校・卒業後の進路--をエスノグラフィーの手法を通じて描き出している。著者が得た語りから描かれる〈ヤンチャな子ら〉の人生から学ぶことで、ヤンキーについて語られがちな一般的な言説から距離を取るとともに、日々の教育実践や、社会の制度設計のあり方についての示唆を得ることができる。

    批判点としては、たとえば、本書の第4章と第5章で登場する「資源」についての検証と考察が物足りない

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    2025年11月16日
  • 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

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    タイトルとイラストでもっと簡単な説明かと思っていたら、予想が外れて、そうとう重厚な内容である。教育社会学の教科書としても使えるし、フィールドワークの先行研究としてフィールドワークをこれから研究しようとする院生にも役立つ。参考文献もきちんと書かれているので、これからの日本の若者についてのフィールドワークの基本書となる。

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    2025年11月13日
  • 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

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    マーケティング用語になったヤンキー、貧困による断絶化など、気になっていたテーマであり、装丁がインパクト大なので読んでみた。
    読みやすく、深掘りしており興味深かった。

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    2019年06月03日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    研究論文の要約のような印象。ブックレットという体裁の割には決して読みやすくない(岩波ブックレットでは珍しくないが)。しかしそこで得られた知見は、今後の教育政策を考える上で示唆に富む。特に「学校の教育力」と「社会関係資本の構築」の関係についての実証的な研究結果については、もっと注目されるべき。「おわりに」の部分だけでも広く読まれるとよいと思う。

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    2018年05月18日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    私が赴任している高校は、偏差値的には下のほうですが、本書で述べられているようなことを、「なんとなく」感じることができます。
    たとえば、生活習慣、学習習慣が乱れた生徒は、どんなにがんばっても、成績を向上させることが難しいということなど。

    本書では「男女格差」についても触れているのですが、わたしがこれまで見てきたクラスでも同様で、高い点数をたたき出す子は大体女子でした。普段から言われたことを自分なりに咀嚼して行動に移せるタイプの子が多く、学習も人任せではなく、自分なりに工夫している様子でした。「偏差値が低い学校では、学習習慣に由来するのかな」と思っていたのですが、全国的な傾向なのでしょうか。高校

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    2016年11月11日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    学力格差は、家庭環境や男女差によって生まれることが大きい。それを解消するために、学習意欲や学習習慣を高める取組や授業改善に向けての継続的な努力が大切である。また、親の収入や学歴は変えられないが、子どもとニュースや勉強について話をするとか学校の行事に親が参加するといった社会関係資本は変えうることができる。学校として、保護者に働きかけることが大切である。

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    2015年05月02日
  • 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

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    〈ヤンチャな子ら〉について、真剣に焦点を当てた本。安定/不安定での見方なども面白い。その観点から見ていくと、また見方も変わる。

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    2025年08月03日
  • 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す

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    真面目な研究書です。それはいいんだけど、先行研究の内容や理論をあれこれ言っている部分が多くて、決して読みやすい本ではない。
    内容は複雑でまとめにくいが、地元ネットワークに古くから属している子と小学生後半遺構の他所から移住してきた子で、地元ネットワークへの組み込まれ方の違いや、就職先を紹介してもらう伝手の質に差がある、というのが新しい知見。

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    2019年10月03日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    ゆとり教育から確かな学力に向け、学力格差は縮小するかどうかという教育課題を、実際の調査結果を基に検証して現代の「学力格差」実態に迫る。

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    2014年10月27日
  • 調査報告 「学力格差」の実態

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    サンプリングが限られているので、これだけで判断はできない。特に大阪の場合、市長が教育に力を入れているから、最近の成績向上は「確かな学力向上路線」によるとは言い切れないだろう。中学2年の受験まで少し時間があるということもあって、コツコツ勉強する女の子の方が成績が上なのは納得できたけれど、男子の算数や数学での低迷は深刻だ。家庭の経済資本、文化資本が子供に与える影響が強く、社会関係資本はそれに及ばない。でも恵まれない子供たちを教育して実績をあげている「頑張っている学校」は社会関係資本に数えてあげるべきだ。頑張れ

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    2014年09月22日