知念渉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
批判点はいくつかあるけど、総じて評価すれば「大変優れた良書」だと思う。過去に一度読んで再読したが、やはり改めて良い本だと思った。
本書では、大阪府の公立高校の〈ヤンチャな子ら〉(≒ヤンキー)を対象に、その子らの人生--家族・学校・卒業後の進路--をエスノグラフィーの手法を通じて描き出している。著者が得た語りから描かれる〈ヤンチャな子ら〉の人生から学ぶことで、ヤンキーについて語られがちな一般的な言説から距離を取るとともに、日々の教育実践や、社会の制度設計のあり方についての示唆を得ることができる。
批判点としては、たとえば、本書の第4章と第5章で登場する「資源」についての検証と考察が物足りない -
Posted by ブクログ
私が赴任している高校は、偏差値的には下のほうですが、本書で述べられているようなことを、「なんとなく」感じることができます。
たとえば、生活習慣、学習習慣が乱れた生徒は、どんなにがんばっても、成績を向上させることが難しいということなど。
本書では「男女格差」についても触れているのですが、わたしがこれまで見てきたクラスでも同様で、高い点数をたたき出す子は大体女子でした。普段から言われたことを自分なりに咀嚼して行動に移せるタイプの子が多く、学習も人任せではなく、自分なりに工夫している様子でした。「偏差値が低い学校では、学習習慣に由来するのかな」と思っていたのですが、全国的な傾向なのでしょうか。高校