前田海音のレビュー一覧
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先天性の脳疾患のため、入退院を繰り返す前田海音ちゃん、小学3年生が主人公の絵本…。入院すると、たて約2メートル、はばは約1メートルのベッドの上が海音ちゃんの生活のすべてになる…。家族に負担をかけているのもわかっているけれど、どうして自分だけが病気で孤独に耐えなければならないのか…。でもそれを口にしても仕方がないから…ただひたすら我慢…そんな中、ふとしたことがきっかけで海音ちゃんの気持ちに変化が生じる…。
病気に苦しんでいるのは自分一人きりではない…今の自分だから、自分以外の病気で苦しんでいる子供達も、生きていることの素晴らしさには気づきにくいことを知っている…だから病気のことを自分の胸の内に -
Posted by ブクログ
ネタバレ辛い検査を受けてももっと辛い検査をしている子のことを思って泣けないという著者。それを、読んでる側の大人が泣いちゃいかんと思いつつやはり涙が出てしまいます。
著者が小学三年生であることにまず単純に驚きます。どれほど辛くて悲しくていろんなものを諦めてきていても、自分のために様々なことを我慢したり一生懸命してくれたりする家族を思い、時に口から出そうになる恨みや願いを飲み込んでいるというその精神がとんでもなく成熟していることに。
それまでになるほど海音さんは孤独の中で何度も何度も自分の有り様について考えてきたのだろうとお察しします。ほんの九歳の子がこれ程のことを考える苦しみを思うと、…もう言葉もなく -
Posted by ブクログ
文章は、書いた当時小学校3年生(現在はもうすぐ6年生かな)の、持病で3歳の頃から入退院や通院を繰り返す北海道の女の子。
いろいろな気持ちが綴られている。
いろいろなことを我慢して、家族の負担やもっと重い病気の子を思えば我慢してることを言うことすら我慢して。
病院のベッドのテーブルの下をふと覗いたところ。
涙が堪えきれなかった。
「二平方メートルの世界でまた、わたしらしく生きていく。オーバーテーブルにではなく、心に言葉をきざみこむ。それがだれかに届くかもしれないから。」
届いたよ、ありがとう。
あきらめなければならないことがあっても、不自由なことがあっても、自分らしく生きていくことはできるよね。 -
Posted by ブクログ
この本を読んだ理由は、赤木かん子さんの絵本紹介本に載っていて、すごく気になったからです。
脳神経の病気で入退院を繰り返す海音(みおん)ちゃん。この作品は、彼女が小学3年時に書いた作文をもとに作られたそうです。
自分が何故この病気になったのか、
検査のため行動制限、
普通の人とは同じようなことが自分にはできない…
でも、周りの人に迷惑をかけるから弱音は吐けない。ものすごい孤独感。
彼女の心の叫び、葛藤を想像して、とても胸が締めつけられました。
まわりに弱音が吐けないのは本当に苦しい。すごく共感できました。
自分が過去に入院したときのことを思い出しました。
モヤモヤする気持ちを紙に書きなぐっ