ずっと読みたかった本だが、その長さ故に後回しになってしまった。
アメリカ大統領の回顧録なるもの読むのは初めてだが、率直な心情の描写もあり、非常に読みやすい。まるで一冊の長編小説を読んでいるようでもある。
上巻では政治を志してから、大統領が当選直後の内容で記載されている。
政治を志した理由、上院
...続きを読む議員になるまで、民主党内での候補者選び、共和党との候補者との戦いは、理想に燃える著者が現実に苦悩しつつ、家族と仲間に支えられながら大統領という職になるまでが描かれている。
当選後、まずは、金融サブプライムローン問題への対処及び軍事関係への対処などで上巻は終了。
読んでいて非常に面白いのは、単なる記録ということではなく、著者自身の思いや考えが非常に強く反映されているところである。
夫としての葛藤、父としての葛藤、祖母との心温まるやりとり、大統領選挙をずっと出大統領選挙を通じて知り合った支持者との交流等、何もかもに心が満ちあふれている。
特に惹かれた場面は、著者がなぜ大統領にならなければならないのかを妻に問われているところである。なぜ自分は大統領にならなければいけないのか、どういったアメリカを作っていきたいの。これが彼の原点であり、そういった信念があったからこそ8年間の任期を全うできたのであろうと考える。
また、思わずクスッと笑えるジョークも所々入っており、読んでいて心地よい。これも人柄によるものだろうと思う。
下巻も楽しみだ。