石田光規のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「人それぞれ」というのは多様性を認める言葉である反面、対立を避けるあまり他人に対して無関心になったり無難な関係しか築けなくなってしまうことにも繋がる。
ほんとにその通り。
じゃあ深い対話を通じて自分と違う意見の人とも分かり合うためにはどうしたらいいかというと、そもそも人とのつながりに対する期待値を下げる必要があるとのこと。
ちょっと消極的なような印象もあるけど、確かに私も自分にとってプラスだと感じる人間関係だけを求め過ぎているのかもなぁと感じた。
もっと気の合う友達が欲しい、とはいえそんなに気の合う人なんてなかなか出会えない、出会えたとしても深い話ができるような関係性を築くのには時間がかかるし億劫だなぁ...。
これって裏を返せば、「信頼できる友達を時間もコストもかけずに見つけたい」ということになる。
うん、我ながらこんな考えの人とは友達になりたくないかも笑
人間関係っていうのは良い出会いもあれば嫌な思いをすることもある。
「SNSで気の合う人に出会えないかな~」なんて面倒くさがってないで、もっと足掻くべきなんだろうなぁ。
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Posted by ブクログ
独身未婚中年男性の自分(ゲイ寄りのアロマンティックでアセクシャルではない)が読んでみました。
今の中高生には、読んで欲しいかも、という本でした。
「ありのままでいいんだよ」ということで「そっか」と思えて受け入れて前向きになれればそれでいいんです。
一方で、例えば自分がいわゆるブ男だけど、イケメンになりたいと思っていて、それが受け入れられなければ、いくら周りに「おまえのままでいいんだよ」と言われても、納得はできないでしょう。(ヘテロ男性の場合は、「あなた素敵」と言ってくれる女性が自分の意中の人であって結婚できれば、だいたいどんな状況でも生きていける単純な生き物ですが)
なので、「ありのままでいいんだよ」と言われても、結局みんな、「あなたイケメン!」と言われたいんですよ(笑)。
外面で言えば、自分などはいわゆる痩せ型でそれがコンプレックスだったので、褒めているつもりの「スレンダー」で傷つくことが結構ありました。
がゆえに、今の日本社会はかえって人を褒めにくくなったんでしょうね。
自分がそれを「ありがとう」と言えなかったことも、褒めにくい日本社会形成に貢献してしまったのですね(苦笑)。
自分などは、「男の幸せは妻子を持つことにある」という考え方を強烈に内面化してしまい、独身が「普通」になった現代日本で、本当だったら生きやすいはずなのに、かえって生きづらくなってしまいました(形として目に見える「結婚」という制度は、一方で独身男性に「選ばれなかった男」という烙印を押すものになったため)。
インターネットによる可視化も結構罪深いものはあったのかもしれません。
自分は死ぬまでに何とか、その内面化した「男の幸せ」観から自分を解放できるといんですけど・・・。 -
Posted by ブクログ
友人、親友という概念の内容が時代とともに変遷しているという目から鱗の指摘から始まり引き込まれた。
本書は、研究レポート的な長期間の新聞内容推移分析やアンケート分析など中心であるが、その分析自体は、やや粗い分析になっているように感じた。一方で、分析との関係からは答えありきなのかもとも感じたが、考察にはなるほどと感じる点があった。
昭和においては、家族や会社などの中間的なコミュニティが強く、その中での役割を通した関係も友人であり親友であったが、その中間的なコミュニティの存在が弱まり個人化が進んだことで友人関係も変化したという。
現代においては、友人は選び選ばれる感情的な関係を中心となっていること。それが故に、友人関係を求める一方で、友人関係に疲弊するといった複雑な関係性になっていることなどが考察されている。
また、友人関係に幻想が持たれており、それが関係性に緊張感をうみ、友人疲れにつながっているのではないかということ。
人それぞれという考え方は、友人関係を構築するにあたり、優しくも感じるが、冷たい価値観だという。お互いに迷惑をかけない範囲での距離を測るという抑圧になっているという。・
現代の複雑化しつつ疲弊に繋がっている友人関係について、重要性や必要性がある友人関係にまつわる問題を解決するには、友人関係にまつわる幻想を乗り越え、ある程度傷つけあうことも許される継続的な関係性を作ることだという。
これは、宇野常寛などが指摘するSNSなどのタイムラインへの反応による承認欲求を満たすだけになっているという現代人への批判と同じ方向なんだろうと思った。 -
Posted by ブクログ
「人それぞれ」という言葉に込められている、一見多様性を重んじているようで実は思っていることを飲み込み、大きな波を起こさないように過ごす考え方、今の社会で多くの人が知らないうちに実践している考え方や行動をわかりやすく解説してくれている。実は私も大いに思い当たるところがある。一つはこの20年ほど友人ができないこと、大学生の頃の友人とは離れていても会えばすぐに戻る感覚で今も繋がっているが、働き出してから本当の苦しみを吐露できるような友人と巡り会えない。これは青年期を過ぎた大人では仕方ないのかなと思っていたが、恐らく本書で書かれていることが本当の原因だったと思う。私も相手を尊重するという考え方のもと、自分の意見を声高に言うこともなかったし喧嘩になることもなかった。信を置く付き合いというのは互いに良いところ、悪いところを認め合って成立するものだと思うので、それをしなければ生まれない。また今の世の中、君子危うきに近寄らずでなるべく自分にとってマイナスになることは避ける傾向にある。そうなると、コスパで友人や結婚相手を選ぶと言うと露骨過ぎるが、そういうことなんだと思った。でも、本書を読んだ後、これに気づき周りの人と積極的に話すようになった。被害がない人間関係も良いものだが、やはり寂しかったのだ。