あらすじ
「友だちのことは好きだけど、いっしょにいると『しんどい』と感じることがある」
「会話についていくため、作業的に話題のコンテンツを見ている」
「メッセージの返信が遅くならないようにチェックしてしまう」
こんなふうに感じて、苦しくなっている人はいませんか。
じつはその苦しみ、あなただけが抱えているものではなく、いまの世の中の多くの人がもつ悩みです。
友だち関係について「しんどい」と感じるのは、じつはあなた個人の問題ではありません。
じつは、いまの社会が、多くの人に「友だち関係を維持すること」を強いるような構造になっているのです。
気鋭の社会学者が解き明かす、まったくあたらしい「人間関係の教科書」です。
●私がすべての人を「知り合い」とよぶ理由
●かつての社会と現代社会でまったく変わった「友だちの在り方」
●「ずっと友だち」でいなくてもいい
●インターネットとスマートホンが劇的に変えた、私たちのコミュニケーション
●古代の哲学者たちは「友だち」をどう研究したのか
●ゲーム理論から考える、正しい友たちとの付き合い方
●学校でも家庭でもない、ゆるやかな「場」をもつことの重要性
……ほか
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Posted by ブクログ
新学期に向けて子ども用に用意した本。私も手にとってみた。小学生高学年〜中学生向けに書かれたそうだけど、思いがけず(失礼!)いい本だった。
筆者に言わせると「友だちづくり」は無理ゲーなのだそう。
新たな環境に身をおいたとき、まずは「友だち作らなきゃ」と思う自分がいる。
ちょっとよそ行きの顔をして、テンション上げて、そして家に帰ったら疲れて…(笑)
そんなことしなくてもいいんだなと、子どもにも大人にもわかりやすく伝えてくれる本。
うまく一人になること。うまく人と繋がること。覚えておこう。
Posted by ブクログ
独身未婚中年男性の自分(ゲイ寄りのアロマンティックでアセクシャルではない)が読んでみました。
今の中高生には、読んで欲しいかも、という本でした。
「ありのままでいいんだよ」ということで「そっか」と思えて受け入れて前向きになれればそれでいいんです。
一方で、例えば自分がいわゆるブ男だけど、イケメンになりたいと思っていて、それが受け入れられなければ、いくら周りに「おまえのままでいいんだよ」と言われても、納得はできないでしょう。(ヘテロ男性の場合は、「あなた素敵」と言ってくれる女性が自分の意中の人であって結婚できれば、だいたいどんな状況でも生きていける単純な生き物ですが)
なので、「ありのままでいいんだよ」と言われても、結局みんな、「あなたイケメン!」と言われたいんですよ(笑)。
外面で言えば、自分などはいわゆる痩せ型でそれがコンプレックスだったので、褒めているつもりの「スレンダー」で傷つくことが結構ありました。
がゆえに、今の日本社会はかえって人を褒めにくくなったんでしょうね。
自分がそれを「ありがとう」と言えなかったことも、褒めにくい日本社会形成に貢献してしまったのですね(苦笑)。
自分などは、「男の幸せは妻子を持つことにある」という考え方を強烈に内面化してしまい、独身が「普通」になった現代日本で、本当だったら生きやすいはずなのに、かえって生きづらくなってしまいました(形として目に見える「結婚」という制度は、一方で独身男性に「選ばれなかった男」という烙印を押すものになったため)。
インターネットによる可視化も結構罪深いものはあったのかもしれません。
自分は死ぬまでに何とか、その内面化した「男の幸せ」観から自分を解放できるといんですけど・・・。