齋藤正彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまで線形代数の教科書をまともに読んだことがなかった。大学の初学年の授業で指定された教科書は興味がわかず、それ以来、線型代数はつまらないという思いが長年あった。ただ、社会に出ての実務で線形代数的なことを必要とすることが案外あり、その時々で適当な本で必要部分だけ読んだ経験はある。
今回、適当に済ませていた線形代数をきちんと取得したいという思いで、定番の斉藤の本を読んだ。読んで正解であった。いやいや線形代数、凄く面白いではないですか。数学の理論でこれほどスッキリと理論構築できるものは他にないのでは。一冊読むだけで、これまでの多次元や行列に対しての苦手意識が払拭され、何でも解ける気になる素晴らし -
Posted by ブクログ
集合・位相が主体の本であるが、特に実数体の構成に力をさいている。最後の付録には、公理主義的集合論ZFC(ツェルメロとフレンケルの選択公理を採用した標準的公理系)を載せて自然数を構成している。
前書きでいわく、日本の本で、実数論をがっしり書いている本はほとんどないとのこと。また、公理主義的集合論もほとんど教えられていないということ。
前半では、集合一元論的な態度、自然数から整数環、有理数体、実数体の構成などがある。有理数体からの完備化、完備化の一意性などなど。
後半は、位相に入り、開集合系、閉集合系、閉包、開核、近傍系によるそれぞれの位相の定義と同等性などから始まり、距離空間、ハウス