大塚紳一郎のレビュー一覧

  • こころと出会うためのC・G・ユングの言葉100

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     本書はユングに興味を抱いた読者にぜひとも薦めたい一冊である。河合隼雄の先駆的な仕事によってユングを読もうと思った読者は多いのではないだろうか。それと同時に精神医学や心理療法の分野、あるいは思想といった側面からユングはさまざまに翻訳が試みられ、ユングその人がどんな人であるのか、何をしようとしたのかを理解するには、どこかのタイミングでユングその人の著作や伝記を邦訳で読むことになろう。しかし実際に読もうとしてさまざまな訳者の仕事に触れて、道に迷った感覚に陥ってしまうこともあるかもしれない。本書はまさにそういった感覚を抱いたことのある読者のための本である。
     本書の著者は多数のユングの翻訳を手掛けており、ユングを知りたいと思う読者に力強い助けをもたらしてくれる新進気鋭のユング研究者である。その著者がユングの全著作から印象的な言葉をピックアップしてそのエッセンスを読者に提示してくれる一冊なのである。本書に選ばれる言葉はどれもその文脈を欠いていながらも、一人ひとりの「こころ」に刺さるものばかりである。ユングの著作に触れる時に心を巡る二つの言葉が登場する。それは「心(Psyche)」と「こころ(Seele)」である。前者は意識と無意識の総体であり、後者は「たましい」とも訳され、自我が客体として無意識に体験する内容であると説明される(本書45頁)。この簡潔なコラムひとつでユングが取り組もうとしたことの輪郭がくっきりと浮かび上がってくる。本書においてはさまざまなユング心理学におけるキーワードを要所要所で取り上げながら簡潔にスパッと説明すると同時に、具体的な指摘を通して奥行きを垣間見させ、安易な理解に陥らないための配慮が随所に見られる。本書を読み進めることを通して読者はユング心理学でよく目にする、補償、連想、錬金術、自我、アニマ/アニムス、転移、投影、神話といった言葉をより深く理解する手掛かりが得られよう。
     本書に引用される文章の一つひとつを読みながら、ほぼ毎回のように巻末の出典案内を確かめていた。ちょうど本書刊行後に光文社古典新訳文庫から出たユング自伝の下巻にドイツ語著作集全巻案内が収録されており、より網羅的に邦語文献の有無を調べることができる。ユング自伝の新訳もまた大塚氏の本書と併せて手元に置いておきたい一冊であろう。おそらく本書の読者は著者が邦訳している『夢分析論』や『心理療法の実践』へと手を伸ばすことであろう。それに、奇異の目を向けられがちな晩年の思索についても地に足の着いた用語解説とともに案内され、それらの著作の重要性もまたありありと伝わってくる。冒頭のユング小伝を含む「少し長めの前書き」におけるユングを今読むことへの著者の問いかけは、まさに著者が読み解いたユングその人の言葉の一つひとつによって応えられているのである。心理療法、ユングについて興味あるすべての人に薦めたい一冊である。

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    2026年09月12日
  • ユング派精神分析の四本の柱

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    素晴らしいユングの入門書が登場した。
    ユングの洞察の本質とその深みを、ここまで平易な言葉で表現することに成功している著者は、ユングの神髄を自分自身が体感し、そして臨床実践の中でそれを自ら生き抜いてきたのであろうと推測させる。
    臨床家のみならず、心理学に関心を持つ万人に安心して薦められる一冊。

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    2025年10月14日
  • 医師が死を語るとき――脳外科医マーシュの自省

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    医者は大抵、心のなかに患者の墓標をいくつか立てているものだ
    この本は、年老いた一人の医者がその一つひとつの墓標を振り返るような自叙伝で、最後に述べられている『良き死』は、いずれ死ぬ僕らにとって道標のようだった

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    2024年12月07日
  • BTS、ユング、こころの地図 『MAP OF THE SOUL:7』の心理学

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    MAP OF THE SOUL: 7 / BTSのアルバムを開設しながらユングのこころの地図の心理哲学を紐解いていく。
    BTSのファンダムARMYへむけたユング入門書。

    所々難しい言い回しや専門用語はありますが、ユングの考え方とBTSの伝えたいことを知ることができて興味深く読みました。

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    2023年07月20日
  • BTS、ユング、こころの地図 『MAP OF THE SOUL:7』の心理学

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    #mapofthesoul7 が象徴に満ちていることはいろんなところで教えてもらっていたけれど、ユング派分析家の腑分けによって、さらに詩やMVが興味深くなる。そして彼らが「変容の試練を予期している」というところは、6月のFESTAを思うと預言のようだし、7人が「ある種の集合的自我となっている」というのもarmyなら深く頷くところだろうな。

    ユング心理学、若いころは「ペルソナ」と「エゴ」が心に引っかかったけれど、いまは「シャドウ」、それも、他者へ投影された影のことを、うむむ…と考えてしまった。

    BTSをとっかかりに、ユング心理学の入門編を学べるっていうのは、面白いと思う。何かを好きになると、そこからまたさらに次の面白さや好きにつながるのは、ほんと、楽しい。

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    2022年11月09日
  • BTS、ユング、こころの地図 『MAP OF THE SOUL:7』の心理学

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    こころの地図の紹介ページは、まさにonのmvそのもので鳥肌が立った
    本を読んだ後にmvをまた見ると、感慨深くて、繰り返し見たくなった
    ナムさんが MAP OF THE SOULをここまで深く深く咀嚼して、表現してくれたんじゃないかと、考えたりした。
    armyとしても、大学で心理学を専攻した者としても、とても大切な一冊に出会えた。
    数多くの心理学の他の本を紹介していた点も良かった。
    久しぶりにまた、少し難しいけど、心理学の本を読み始めたいと思った。

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    2022年08月19日
  • 医師が死を語るとき――脳外科医マーシュの自省

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     両親を看取り、また自分自身、これまで生きてきた人生より、これから生きられるであろう人生が短いことが確実になったころから、医学・医療関係の本を少しずつ読むようになった。

     本書の著者は、イギリスの著名な脳神経外科医だそうだ。手術室の息詰まるような描写、患者やその家族との苦しいやり取り、専門医としてのプライドの一方、判断ミスその他の過ちから患者を死に至らしめ、あるいは重大な後遺症を与えてしまった悔恨も率直に述べつつ、自らの半生を振り返っていく。
     また、どんどん官僚主義的になっていくイギリスの医療改革に対する著者の失望が率直に語られるほか、関係のあった医師への支援として訪れたネパールやウクライナにおける厳しい医療環境などについても、その実体験を通して深い考察がされている。

     それらに加えて本書では、人生の終わりに近づきつつある著者の〈死〉への向き合い方、対し方が、全編にわたり色濃く映し出されている。
     特に安楽死に関する著者の考え方については、人により異論もあるだろう。自分にしても判断力もあり死が差し迫っているとは感じていない時期と、周りからはどうしようもないと思われてしまう状態を想定した時とでは考えが変わるような気がする。本書を読みながら、色々な想いが湧き起こってきた。

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    2021年11月08日
  • 医師が死を語るとき――脳外科医マーシュの自省

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    イギリスで大英帝国勲章をもらうような著名なお医者様が「死」について語っているもの。死は不可避、これは分かっている。ただ、人生最後の数日〜数週間を、少ない人数の人々が、病院で、チューブに繋がり、尊厳も本人の意思もなく「生かされている」。その結果、本人も家族も苦しい時間を過ごし、やがて死にいたる。死が不可避である以上、延命措置で得られるメリットと、そのせいで避けられない苦痛などのデメリットを測り、メリットが大きければ延命すべきだが、そうでなければ意味がないのではないか。このような考え方は、著者の担当が脳神経外科であり、手術によって命は長らえても失明や障害が残ることが多いということも一因だろうから、主張をそのまま受け入れるには抵抗がある。とはいえ、ロジカルな反論はできない。受け入れ難いが、受け入れることになるんだろうなあ。また、医療政策や病院の経営にも言及されているが、人命は地球より重いとか言いながら、法律や政治はそうなっていないことを痛感する。「死すべき定め」以来の衝撃の一冊。

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    2021年05月12日
  • BTS、ユング、こころの地図 『MAP OF THE SOUL:7』の心理学

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    BTSはユング心理学の影響を受けて楽曲を製作しているそうで、それを題材にユング心理学研究者が読み解き、さらにこころの地図についても解説している。リスペクトするということは口にすることは簡単だが実践するのは難しい。何度も見ること、繰り返し見れば欠点が見えてくる、それでも判断を加えることなく見続けること、これがリスペクトするということ。『自分が何者なのかを決めるのは世界じゃない、自分の道は自分で照らす』本当の意味で自分を愛するためには自分の「すべて」を愛さなければならない。自分の嫌なところを憎むと、他人の中にそれを見つけたときに許せなくなる、とありなるほどと思った。大嫌いな人の中にある嫌な性質が自分にもないか問いかける、など色々な気づきがあった。

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    2022年11月27日
  • Oracle Cloud Infrastructure エンタープライズ構築実践ガイド

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    お勉強の本


    実際に環境に触るところは、サッと読んだだけ。
    前半はいちおうキチンと読んでみた。

    2016年にクラウド基盤のことを学んだっきりだったので、最近の動向学ぶ意味で読んでみました。

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    2021年12月16日