新胡桃のレビュー一覧

  • 何食わぬきみたちへ

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    何だか鳥肌が立った。誰にも見つけてもらえなくて、誰にも見せなくなった感情がここにあった。この本に見つけられてしまった。

    純度の高い感情を目にすると、おれはほとんど引いてしまう。それ自体は良いけど、それを覆いつくす用に取り繕ってしまうことに慣れてしまった。

    もう一度読むぞ。

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    2025年07月06日
  • 何食わぬきみたちへ

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    この著者は、普段日常で感じる様々な考えを、綺麗に言語化してくれるから大好き
    前作の「星に帰れよ」にもあったような、気持ちをぶつけ合うシーンが特に好き。

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    2025年02月27日
  • 何食わぬきみたちへ

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    ネタバレ

    『何食わぬ顔をされるもどかしさ、するもどかしさ…』

    障害を持つ少年に対するいじめ。
    傍観者の視点、当事者の視点から、どうすることもできないもどかしさに悩みながらも、正解を見つけようとする若者たちの心の葛藤を描いた作品。読後に感じるもどかしさ… これも作者の意図なのか!?

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    2023年04月15日
  • 星に帰れよ

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    本書はそれほど深い話ではないですし3時間程度で読める中編小説です。
    しかししかし未来を感じるすごい作家さんです。
    朝日新聞に寄稿していたのですが高校生らしい告白とともにおじさんを納得させる文章力があります。
    これからの成長が楽しみというか皆さんで彼女の成長を見守っていきましょう。

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    2021年02月12日
  • 何食わぬきみたちへ

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    ネタバレ

    凄く好き。
    時系列がバラバラだったり、
    現在と過去を行ったり来たりしているのも謎がとかれる感じで良かった。

    もう少し踏み込みが欲しい。
    ひとつあげると、古市が本当はいじめをしていなかった、と。
    なら本当は誰がしていたのか?

    など疑問が残るところは多々あったし、もっと知りたかった。

    これだけはよく分からなかったのがラスト。
    今までと打って変わって、何を話しているのかがイマイチ理解、共感共に得られなかった。

    そしてなにより、綺麗事で終わらなくても良かった。
    もったいなかった。

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    2024年12月25日
  • 何食わぬきみたちへ

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    誰かに対しても自分に対しても、行動や抱いた気持ちがきっと正解ではないと感じてることに、登場人物たちが不器用にも向き合っていました。それを読んでいるこちら側もうまく言葉にできないし、正解の形はわからないけれど、何か感じたことから目をそらしてはいけないと感じました。

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    2024年01月12日
  • 何食わぬきみたちへ

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    真っ直ぐな人間。当たり前の人間。そう思わないとじっとしていられない。目の前の問題と自分たちの事情がリンクしないと無表情で素通りするだなんて、悪意も情動もおかしみに変換するなんて、そんなのが常なんて、古川より余程暴力的だ。(P.36)
    おれと大石が互いに感じていた暗さや鈍さのようなものは、きっと"おとな”の兆しだ。色々なものに対する取捨選択や諦めが見えないシワとなって、きめ細かく刻まれているのだ。ー(P.87)

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    2023年03月07日
  • 何食わぬきみたちへ

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    めちゃくちゃ読みやすくて、すぐに読み終えてしまいました。どの人が読んでも深く読み込めると思うけど、やはりこれは学生には絶対読んで考えてほしい。誰も彼もが関わったこと、考えたこと、体験したことがあるシチュエーションだと思うし、ありきたりな言葉ですがすごく考えさせられました。

    登場人物全員が本当にいろんな事情(考え?という意味でもあるような気がする)や障がいを抱えており、悪いとか嫌なところが見えてもどこか愛おしくて憎めないというか…そこがかなり好きでした。決して軽く扱ってはいけない題材であるし、どうしても影を落とすような場面もあるけどきっと私は何回もこの本を読み直すんだと思います。一生もののこの

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    2023年02月22日
  • 星に帰れよ

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    「じゃあモルヒネって呼んでよ。」

    みんなが面白いと言ってくれて、元気になれると言ってくれて、自分をモルヒネ(麻薬鎮痛薬)と名付けた姉。

    この世で生きる人たちは皆何かを抱え、隠すために鎧を纏ってる。
    ずっと笑ってる人も、ずっと無表情の人も自分を守るための鎧だと思う。
    一番大切なものは目には見えないって言う。
    皆は、いつも見てるその人がその人であって、その理想像から違うものが見えた瞬間この人は私とは世界が違うと離れる。
    結局人間なんて見えるものでしか評価しない。

    鎧に隠された自分を守るのに姉はモルヒネになり、そして私もモルヒネになる。

    本屋で見つけた時、なぜかこれを読まなくちゃいけない気が

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    2022年12月11日
  • 星に帰れよ

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    比喩が独特で少し長いけど、的確。
    その比喩を頭で想像しながら読み、句点までたどり着いた時に「あ〜、上手い」って毎度思った。
    作者が高校生と知って驚き。

    お笑いキャラなのに、薄くて鋭くて冷たいものを内に秘めているという、二面性のあるモルヒネについての記述がもっと欲しいと思った。もっと知りたいと思った。それほどこのキャラに引き込まれた。

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    2022年01月09日
  • 星に帰れよ

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    これを高校生が書いたのか、と思うと驚き。
    矜持 というか、自分の支柱が このころはまだしっかりしていなくて、何かの弾みに折れちゃったりもする。それでも、大丈夫 大丈夫 と自分をなだめながら、なんとかやっていくのだろう。
    今の子供たちって すごくスマートに見えるから、こういった困難も華麗にスルーしていくのかと思っていたけど、内側は葛藤だらけなのかもしれないな。

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    2021年02月16日
  • 星に帰れよ

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    今まで感じたことのない衝撃を、この作品から感じた

    確かに、文藝賞の選考委員の方々が指摘するように、アラ自体は素人ながら感じる。読みにくいところや、表現が陳腐に感じてしまうところなども目立つ。

    それでも、この作品にはそれらの欠点を吹き飛ばすだけの切実さがあった。何としてでもこれを物語にしなければならない、という絶対的な著者の切実さがあった。それこそ、三島由紀夫の”仮面の告白”や、中村文則の”銃”を初めて読んだ時に感じた切実さが。その切実さはその切実さ故に、読み手までをも切り裂くが、だからこそ読者の心を深く抉る。

    この作品の熱にあてられ、自分の中の切実さが浮かび上がってきた。

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    2020年12月15日
  • 何食わぬきみたちへ

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    いじめをみてみぬふりしていたかもしていた大学生と、障害者の兄をいじめていたかもしれない人間と付き合っているかもしれない女子高生のお話(?)かもしれない。

    それぞれの現在と過去、過去の事件(?)との関わりかた、複雑な心情が描かれていた。

    うまくいかない友人関係から他者への攻撃、懺悔と反省、親子関係など、事件のようなことがあったのかなかったのか、はっきりしないところがあり、その辺りはこちらで想像するほかないのかもしれない。

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    2025年05月06日
  • 星に帰れよ

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    ネタバレ

    私が本当の私であること。
    私はムードメーカーのモルヒネで、親友のマユは可愛くて明るくて賢くて、そんなマユと付き合うことになった真柴。

    好きな女子と付き合えて嬉しいはずなのに、マユが自分の名前すら間違えたことに疑問を抱き、GPSを仕込んでモルヒネと尾行して見たマユのパパ活。

    自分の抱いていた好意と相手の本性が違っていただけで、いとも簡単にマユと別れる真柴に対する憤り。

    道化を演じていた姉が壊れてから、自分が姉の代わりとなって過ごしていたこと。

    若い方なんだねえ。

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    2025年05月01日
  • 星に帰れよ

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    作者が当時16歳で書き上げた文藝賞の小説。

    主人公のモルヒネから考えさせられたこと。

    人は意識的にしろ、無意識的にしろ、恣意的に他者にレッテルを貼ってしまっているが、レッテルを貼られた側の人間が意表を突いてきた時の恐ろしさは尋常じゃない。その恐ろしさと対峙できるのは「素直さ」だと思った。

    他者にレッテルを貼ることも一種の「素直さ」のように感じるが、これは「浅い」だと思う。

    モルヒネを見ていると人間の成熟の過程は以下のようになるのかもしれないと思った。
    「浅い」→「深い」→「素直さ」

    私は生きている。あなたも生きている。
    「浅い」は「あなた」が抜け落ちる。
    「深い」は「私」が抜け落ちる

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    2024年09月12日
  • 何食わぬきみたちへ

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    こんなに若い作家さんが出てきていて文芸の未来は明るいですね。
    と思うと同時に自分の年を感じてしまいます。

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    2024年02月17日
  • 何食わぬきみたちへ

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    ネタバレ

    登場人物それぞれの気持ちがわかるようなわからないような、とても捉えどころが難しいニュアンスが多く含まれていた。
    敦子が前向きに一歩踏み出せますように。

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    2023年07月25日
  • 何食わぬきみたちへ

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    YA向けかな。余白がかなり多いのでとっつきやすいとは思う。(内容はそうではないけど)個人的にはなんかモヤモヤが残る。

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    2023年04月28日
  • 何食わぬきみたちへ

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    ネタバレ

    途中までは話についていけてた気がするのに、終盤の、敦子と大石と伏見の会話があんまりついて行けなかった。3人とも予想外な会話をしていた。
    全ての登場人物がわかる気もするしわからない気もする。
    読んでいて、モヤモヤするような、気持ちがずーんと重くなるような本だった。あまり消化できていない。

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    2023年03月07日
  • 星に帰れよ

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    あ〜高校生だな〜って感じ。
    内面の自分と、外面の自分が一致してないこの感じ。
    ソワソワして、見てももらえてなくて、周りが羨ましいって、この感じはよくわかる。

    モルヒネで麻痺させてたのは自分自身で、本当はモルヒネなんて呼ばれたくなかったし、みんなの前でだけ明るく振る舞ってるの気づけよって思ってたし、気づかれてたら気づかれてたで気づくなよって思うし、高校生時代のそういう面倒くささをぜんぶ思い出した。

    モルヒネは「好き」って告白できちゃう翔(あってる?)が羨ましいし、人の名前間違えたりパパ活しても平気でいられるマユも羨ましい。
    でも、翔もマユだってきっとモルヒネが羨ましい。

    「星に帰れよ」は誰

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    2023年02月10日