マルクスのレビュー一覧
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『共産党宣言』マルクス・エンゲルス著を読む。
自殺者が年間十万人を超え、
不登校引きこもり、無気力が多く、
鬱病などの精神疾患が席巻しているわけは、
やはり、
「人間が人間らしく生きられず、
生産を高めるための機械であることが生きる意味」になっている社会の現状があると思います。
いかに心が優しくても、人を思いやる心があろうとも、絵を描いたり音楽を奏でる才能や、美しい文章が書ける人、いかに知識や教養のある人でも、
資本を拡大するための定められた単純な作業さえもできなければ、
「社会不適応」
「お前には生きる権利はない」
という扱いを受けることになります。
鬱になろうが、病気になろうが、人 -
Posted by ブクログ
『共産党宣言』は、1848年にカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって書かれ、ロンドンで公刊された。マルクス主義者による国際秘密結社「共産主義者同盟」の綱領であり、共産主義の目的と見解を初めて明らかにした文書である。
本書にも収録されている、エンゲルスによる「1883年ドイツ語版への序文」の中で、『宣言』の根本思想は、①各時代において、経済及びそれから必然的に生まれる社会組織は、政治や知的活動の基礎となる。②これまでの全ての歴史は階級闘争の歴史、即ち、搾取される階級と搾取する階級、支配される階級と支配する階級の間の闘争の歴史であった。③今や、搾取され圧迫される階級(プロレタリア階級) -
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共産主義を学ぶ集中講座、終わり。マルクス、エンゲルスの「共産党宣言」、レーニンの「国家と革命」、毛沢東の「毛沢東語録(超訳)」を参考図書とした。
まだまだ稚拙ではあるが、学びは以下2点。
一つ目は、共産主義の真の実践者は、おそらく毛沢東ただ一人だったのであろうという理解。
パリ・コミューンの不完全さ、ソ連の自壊、この歴史的に重要な共産主義社会はいずれも現存していない。
しかしながら、中国共産党による中華人民共和国だけは、60年以上継続し、現存している。
革命家としての毛沢東と、それを鄧小平が開放路線へ導いた奇跡的な進化があってのこそだとは思うが、それほど共産主義というものがユートピア的なもの( -
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一言でいえば、共産主義者はどこにおいても、現存の社会的ならびに政治的状態に反対するあらゆる革命運動を支持する。
このようなすべての運動において、共産主義者は、所有の問題を、それが多かれ少なかれどれほど発展した形態をとっていようとも、運動の基本問題として強調する。
最後に、共産主義者はどこにおいても、すべての国の民主主義諸政党の結合と協調に努力する。
共産主義者は、自分の見解や意図を秘密にすることを軽べつする。共産主義者は、これまでいっさい社会秩序を強力的に転覆することによってのみ自己の目的が達成されることを公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえにおののくがよい。プロレタリアは、革命にお -
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マルクスやエンゲルスの体裁が整った著作とは違って、これはノートのような紙に思いついたこと、またはどこかで学んだことをひたすら書き連ねた本である。またエンゲルスが主に執筆した箇所をマルクスが書き加えたり、線を引いて消したり、また絵のような内容を書き加えたりしている。
体裁が整った著書は当然だが取捨選択しているので、彼らがどのような発想をしているか、も当然だが取捨選択している。しかしこの本に関しては思いついたこと、また学んだことの成果をそのまま載せているので、彼らがどのようにして「唯物史観」や「共産主義」の原理を構築したかが読み取れるし、またフォイエルバッハの哲学をどのように学んでいたか、が分かる -
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いわゆる〈初期マルクス〉の拠点となっている草稿。
経済体制に関する世界の批判が頓挫したあと、
注目されたのは、『資本論』に結実するような、物の価値と流通=経済の論考ではなく、
ヘーゲル哲学徒として出発した初期マルクスの、主体論であった。
それは、ルソー→ヘーゲルの流れのある、
自身の生が自己によっては充実しない=他律的な近代的人間の状況に関するものである。
また、それは初期の吉本隆明がマルクスを意識して使ったと思われる〈関係の絶対性〉という状態でもある。
搾取を論じるより、自己疎外を論じる方が、現在には性にあっているかもしれない。
資本主義社会が生きづらい社会であることをわかっていつつ、そ -
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名高い「経哲草稿」の長谷川宏による新訳である。マルクスの著作にはこれまでほとんど親しんでこなかった手前、彼の思想について立ち入ったことは述べられないが、まだ若いマルクスが、資本主義社会のなかで働くことのうちにあまりにも深く巣くってしまっている矛盾を、その思考がどこか割り切れていない分いっそう鮮烈に浮き彫りにしている印象を受ける。この矛盾が今なお、いや今日ますます苛酷に働く人々を苦しめていることは言うまでもない。この草稿に示されるマルクスの思考が割り切れていないように見受けられるのは、ヘーゲルに見られる抽象的に理想化された労働観や、彼に先立つロマン主義者たちの土地信仰とも結びついた自然との一体