遠藤正敬のレビュー一覧

  • 戸籍の日本史(インターナショナル新書)

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    「戸籍は家を管理し、維持するための制度」という論旨で貫徹され、その制度運営上の困難や矛盾について歴史を具体的に紐解きながら著述されており、大変おもしろかった。
    すごく硬い印象の文がずっと続いた後、「サザエさん」の章で雲行きがやや怪しくなり、後書きでコンカフェに通うヲタクであることが明らかにされたところで、読み手としてはズッコケた笑

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    2025年12月10日
  • 戸籍の日本史(インターナショナル新書)

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  「日本人」としての証明書
    第2章  「古代の制度」がなぜ復活したか
    第3章  明治国家が作り出した「家制度」
    第4章  戸主という名の「君主」
    第5章  「婿」と「妾」の国・日本
    第6章  創り出された「日本人」
    第7章  早くも現れた「限界」
    第8章  戦前の「無国籍」問題
    第9章  差別の温床として
    第10章  「大日本帝国」の戸籍~朝鮮、台湾、そして満洲
    第11章  国破れて「家」あり
    第12章  「日本人」の再編
    第13章  天皇に戸籍はあるか
    第14章  『サザエさん』に見る戦後の「家」
    終章  戸籍がなくても生きていける

    <内容>
    戸籍をめぐる近代の歴史の本。

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    2025年11月08日
  • 天皇と戸籍 ――「日本」を映す鏡

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    天皇制も戸籍も、「日本人」という共同幻想のもと、補完し合う制度なのだな、と。何故戸籍はあるのか。何故天皇制は続いているのか。連綿と続く幻想が、「日本人」を支えてもいるけれど、縛ってもいる。
    皇居を本籍にしている人たちがいるってこと自体が、戸籍の意味を曖昧にしているよね。住民登録の方が、行政サービスや生活の実態に即しているけれど、「家」という意識が戸籍を存続させているのだろう。
    そしてその「戸籍」の外にいるからこそ、天皇家は私たちとは違う場所にい続けることになる。それを今回の騒動や皇位継承問題であらためて考えることになったのじゃないかな。
    他の国々の、戸籍に類する制度がどうなっているか、もう少し

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    2022年01月08日
  • 天皇と戸籍 ――「日本」を映す鏡

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    ネタバレ

    天皇と戸籍
    「日本」を映す鏡

    著者:遠藤正敬
    発行:2019年11月15日
    筑摩書房

    「天皇に人権はなく、戸籍すらない」という言い方に出会うことがある。この本を読むと、それはむしろ逆だと分かる。天皇は支配者であり、臣民たる国民は支配される人々。すなわち、戸籍は臣民簿であり、支配リストなのである。戸籍なぞないのが"普通”であり、戸籍は支配されていることの証というわけだ。

    そもそも戸籍は、国家が徴兵・徴税を確実に行い、定住化を促し、浮浪者を取りしまるという、主に行政・警察的な目的のために個人の身分を記録する制度だった。それが明治国家になって「日本臣民」の統合という精神的な目的が加え

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    2021年03月30日
  • 天皇と戸籍 ――「日本」を映す鏡

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    普段の生活ではあまり意識していないが、何かというときには手続をしなければならない戸籍について、天皇及び皇族に焦点を当てて、家(イエ)や血統の意味を問い直そうとしたもので、類書もなく、興味深い論考である。

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    2020年05月17日