イーアン・ペアーズのレビュー一覧

  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    下巻は暗号解読の達人である幾何学教授の手記から始まる。
    上巻は、まずヴェネツィア人の医学生であるコーラの手記から始まったのだが、真面目でお人好しの好青年と思われた彼の姿は、ふたり目の法学生プレストコットの手記によって、いささか様相が変わってくる。
    重大な事柄の記述漏れ、明らかな噓。
    コーラはなぜ、ロンドンではなくオックスフォードにやってきたのか。

    しかしプレストコットの手記も変だ。
    尊敬する父の汚名を返上するための彼の行動は、どう見ても常軌を逸してきている。
    ヒステリックなその行動を、彼は、さらに魔法をかけられたからだと思い、その魔法から逃れるために、サラを無実の罪に陥れ、死刑へと向かわせる。

    そして下巻。
    暗号解読の達人であるウォリスは国王に仕えたり、革命後はクロムウェルに仕え、王政復古3年後の今は再び王に仕えるという定見のなさ。
    信仰も英国国教会から長老派、そしてまた国教会と行ったり来たり。
    要はいつも勝ち組に乗る男が、コーラとプレストコットの手記を読み、その嘘を暴き真実を語る…ことになっているのだけど、これが過去最高に信用できない語り手。
    とにかく自分の考えに凝り固まっていて、間違いを指摘されても聞く耳を持たない。

    そもそも、最初にコーラの噂を聞いたときは、トルコの海賊にフィアンセを殺されて復讐の鬼になったがりがりに痩せた男だったはずなのに、目の前に現れた小太りの陽気な男をすんなり受け入れる感覚がわからん。
    普通なら、「誰だ?これは」ってなるんじゃない?
    もう偏執狂と言っていいくらい視野が狭い。(実在の人物なのに、いいの?これで)

    最後の歴史学者ウッドが3名の手記の噓や矛盾を暴き、真相を解明するという流れなんだけど。
    解明というか、彼は最初から真相を知っていましたね。
    ただ、その意味を理解していなかった。
    なぜならば、彼は人付き合いの苦手な世間知らずのお坊ちゃんだから。
    噂が耳に入るのがいつも遅い。

    そして、彼すらも、信用できない語り手だと思うのが、サラについて語る部分。
    今なら正気ですか?と言えるその描写も、当時は本気で信じてはいるのだろう。
    だけど、真実かどうかはちょっと疑問。

    上巻はグローヴ教授毒殺事件の謎が物語の中心と思っていたのだけど、下巻に入るとイギリスという国の歴史の中のブラックボックスが中心になっていた。
    王制と共和制、国教会とカトリック、そしてゆれるイギリス国内を虎視眈々と狙う周辺諸国。
    どの語り手の真実も、事実から少しずつ乖離していて、最後まで読んでも全然スッキリしない。

    だけど面白かったんですわ。
    実在の人物が多数出てくるし、歴史がさらに負わせた過酷な運命には愕然とするけれど、続きが気になってしょうがない。
    衒学的で難しい本なのに、ぐいぐい読んで、寝不足でございます。

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    2023年04月07日
  • 指差す標識の事例 下

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    各章の語り手のミソジニーとパターナリズムに辟易しながらも、語り口と構成に乗せられて一気に上下二巻を読み通してしまいました。
    読後感も程よく、面白かった!

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    2022年05月08日
  • 指差す標識の事例 下

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    長い。
    ちょっとした知識どころか、相当念入りに勉強してから挑んだほうがいい。
    下巻最後の人物解説、年表、訳者解説を最初に読んだ方が楽しめるような気もしました。
    かなり読み手を選ぶとは思うけど、個人的にはがんばって読んでよかったかなって感じでした。
    歴史、宗教絡みのネタに微塵も興味を感じない人には全くおすすめできないし、おもしろくないと思います。

    0
    2021年02月10日
  • 指差す標識の事例 下

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    第三の手記は幾何学教授ウォリス、最後は歴史学者アントニー・ウッド。
    四部それぞれ翻訳者が違うという趣向がまた面白い。「信用できない語り手」、楽しいなあ。

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    2020年11月28日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    深いですね~側面どころか、縦・横・斜め・あげくは斜め下から読まなくてはならない本だったなんて・・・。
    4人の手記の形をとっていても政変ありスパイもどきも出没。そしてまさかのキュン話にまで行き先を変えながらもミステリーの形を保ち、謎は深まるばかり。
    『薔薇の名前』を称している通り、時間をおいてまた手に取ってみたいカモ。

    自分のなかの最大の??だった東江先生の謎もあとがきでスッキリ。

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    2020年09月20日
  • 指差す標識の事例 下

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    上巻をよみおわってやっと話が少し見えてきた。
    話の構成にビックリ、歴史的な内容にやや戸惑いながらも、読み終わったあとの満足感もひと味違う!

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    2023年03月30日
  • 指差す標識の事例 上

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    ネタバレ

    まだ上巻なので作品のできについての判断はできないけれど、あまりにも衒学過ぎてとっつきにくいにもほどがあると最初はうんざりした。

    何しろ17世紀のイギリスの話で、第一章の語り手はイギリスに着いたばかりのヴェネツィアの若者。
    多分本人による手記よりも会話は困難を極めただろうし、それに伴う勘違いのようなボタンの掛け違いもあっただろうし、文化の違いによるバイアスもかかっただろう。
    何よりも、宗教の違いは大きい。
    語り手は敬虔なカトリック教徒であり、英国は英国国教会を国教としている国。
    日本人から見ると同じ神を信じているはずなのに、神に対する姿勢は全く違う。

    ”プロテスタントがよく聖書の引用をして競い合うのはどう考えても馬鹿ばかしいことだったし、場合によっては神への冒瀆に当たるのではないか、とさえ思っている。”

    これと同じことをモンテーニュも『エセー』の中で書いていましたね。

    さて、多少世間知らずなところがあるとはいえ、医学生として病人を見ると治療せずにはいられない好青年のマルコ・ダ・コーラの手記が第一章に当たる。
    実家は裕福ではあるものの、信頼していた人にイギリスでの財産を横領され、それを取り返すべく野蛮な国イギリスにやってきたわけだけど、どこで誰に訴えていいのかもわからないし、手持ちの金も不如意の状態。
    それでも、イギリス人の文化程度の低さも不衛生も我慢し、極力プライドを抑えてオックスフォードの学生としての人脈を広げようと努力を怠らない。
    たとえ空回りをしようとも。

    ふとしたことで一人の老女の治療をすることになるが、どう見ても手の施しようがない。
    看病している娘のサラは顔はきれいでも性格は粗暴で、これ以上関わりたくないという思いと、輸血という新しい治療法を試してみたい気持ちとの間で揺れたコーラは、結局治療をすることで否応なく事件に巻き込まれていく。

    オックスフォードの教師グローヴが、自宅の室内で誰かに毒殺された。
    どういうわけか最初からサラが犯人であるといううわさが流れ、証拠も提出される。
    サラは罪を認め絞首刑となり、一度は持ち直したサラの母も結局は命を喪ってしまう。
    コーラはサラを火葬してやり、その母親の埋葬費も払ってイギリスを去り国へ帰ることにした。

    そして二章に入ると、今度はコーラと何度か交流のあったジャック・プレストコットの手記となる。
    なるほど、この本に4人の訳者がいるというのは、そういうことか。(全体が四章ある)

    プレストコットは第一章では、オックスフォード大学の法学徒であり恩人を殺害しようとした罪で死刑を待つ囚人だった。
    しかし、プレストコットはまず、コーラの手記には嘘があることを記す。
    また、恣意的に記載されていないことのあることを指摘する。

    自身の生い立ちを延々と書き連ね、それはそれで興味深いが、いったい私は何を読まされているのだ?と思った頃、プレストコットとサラの繫がりも明らかになる。
    21世紀では考えられない関係性というしかない二人の因縁は、第一章でコーラが書いたようにサラの刑死という形で幕を下ろすのだけど、それで本当にいいのか?プレストコットよ。

    グローヴの死の瞬間を立ち会ったプレストコットは、それについてあまり衝撃を受けていないようにも見え、少々メンタルが普通じゃないのかもしれないと思ったり。

    この二人の手記は、それぞれに自分は善人であると思い、正しい行いをし、神に対して恥じることがないように書いていあるが、書かれている内容は必ずしも同じではない。
    信用できる語り手なんて存在はない、というのがこのタイトル『指差す標識の事例』ってことなんだろうか。

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    2023年03月23日
  • 指差す標識の事例 上

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    17世紀のイギリスを舞台にした宗教と政争と策略をめぐる物語。4人の異なる男性(異邦人であるヴェネチアの商人、汚名を着せられ命を亡くした父親の名誉挽回に猛進する弁護士志望の若者、暗号を解く技能を使い自分も重要人物であると自負してやまない数学者、華々しい政治の舞台には縁遠いながら身分としてはジェントルマンである不器用な歴史学者)の手記で構成されていて、日本語訳はそれぞれ4人の翻訳者が担当したという凝った作品。ある出来事を別々の視点から語るという群像劇が好きなのでその点では楽しめましたが、世界史にも英国の歴史にも詳しくないので、実在の人物と史実をベースに架空の人物とフィクションを織り交ぜて良質な娯楽作品になっているものの、知識が足りずに(おそらくは)半分ほどしか理解していないのでは、という感触で申し訳ない気持ちです。読みながら芥川の『藪の中』を思い出していたら、役者あとがきにもそういう声があがっているがそれより『月長石』を挙げる方が妥当では、とありました。『月長石』も読んだと思うのですがそう言われてもあまりしっくりきませんでした。個人的には芥川と、夏目漱石の『こころ』の先生の独白を思い出しました。最後まで読むとある種のカタルシスが得られますが、そこに至るまでの長い道のりは自己愛に満ちた嫌な人物のひとりよがりな長口上を延々と聞かされるかのようで辟易しそうになったりもしましたが、そこを読み終えてこそ、4人目が語る事件後の話で気持ちがすっきりできたという面もあるように思いました。まだ記憶が残っているうちに再読したら、初見より楽しめるのではないかと思います。

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    2021年11月13日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    読み応えがあった。
    語り手が変わるたびに意味が変わっていく出来事の連続で、主観が違うとこうも違うのかと。もちろんあえて真実を書いていない語り手も存在しているのだけど。2人目が1番手こずった。ちょっとどこまでが妄想なのか…。下巻に入ってからは割と一気に読めたかな。

    手記ごとに訳者が違うも面白い。より一層、4人それぞれの視点、それぞれの物語へと入ってしまうので事実はさらにわからなくなっていく。

    語り手が変わるたびに、ひっくり返されるミステリ。あまりこの時代の宗教戦争に詳しくないことが悔やまれたけれど…薔薇の名前を読んでみようと思う。

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    2021年07月14日
  • 指差す標識の事例 上

    匿名

    本作が語られる時代背景や宗教の状況等、知っていた方が断然楽しめます。下巻の末尾についている年表をざっとでもよいので眺めておくとよいかもしれません。

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    2022年09月28日
  • 指差す標識の事例 上

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    格調高い文章が、どうにも読みにくかったです。医学創成期の技法が興味深かったですね。輸血の方法とか。血液型も調べないでいいんかい!とは思いましたが、なかなか面白かったです。そうしたサイドストーリーには興味は引かれましたが、ベースとなるストーリーはやや浅め。下巻に期待。

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    2020年12月05日
  • 指差す標識の事例 下

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    なぜ翻訳者が4人もいるのか、という読む前の疑問があったがそれは納得できた。

    ひとつの出来事を複数の視点から語るという手法は大好きで、信頼できない語り手感がどんどん増していくのは大変に楽しめた。

    ただ、それほどまでにして隠したかった暗号文は、正直なところ「ふ〜ん…」という印象だった。
    イングランド人ならバッチリ決まるんだろな。

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    2020年12月04日
  • 指差す標識の事例 下

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     四人の語り手の手記により、大学で発生した毒殺事件と、その犯人と疑われた女性の運命如何を主筋として、イングランド王政復古時代の政治情勢や党派対立等を絡ませながら、物語は進んでいく。

     ミステリとして見れば、信頼できない語り手の問題や語り=騙りといったことになるが、媚びず、卑屈にならず生きていくヒロインの人物造形が実に魅力的だと思った。

     ヒロインのラストについては、ウーンという気持ちも拭えないが、語りの中で、そこまで含めて書かれているではないかと言えば、そうかもしれないと思わされる(ネタバレ気味の恐れもあるのでぼかしていますが、最後まで読まれた方には分かっていただきたい)。

     本書では、実在の登場人物も多く、当時の医師の社会的立場だったり、輸血研究の先陣争いだったりと、興味深いトピックも面白いし、歴史小説としても読み応えがあると思われる。

     

     ただ、少し注文が。年表や登場人物の表が付され、また訳者解説でも時代背景に触れられてはいるのだが、もう少し、この時代を巡るイングランドの政治党派関係や宗教的対立等について説明があれば、より人物関係の微妙さや出来事の意味合いについて理解が深まったのではないかと思う。

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    2020年09月03日
  • 指差す標識の事例 上

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     先ずは本書の無事刊行を寿ぎたい。

     本書の帯とカバー裏には、『薔薇の名前』とクリスティの名作が融合と謳われているが、本作を手に取り、内容ではない別の面での『薔薇の名前』との共通点を思って、しばし感慨に耽った。

     それは、日本語訳がなかなか出なかったということである。『薔薇の名前』が映画化された頃、原作ではアリストテレスやキリスト教、異端審問等に関わる内容が満載だということで、それらに纏わる蘊蓄本がだいぶ刊行されていたのだが、肝心の原作の翻訳が待てど暮らせど出ない、その出版社が東京創元社であった。

     翻訳者の一人である日暮氏が、本書についての打合せの始まった時期のことを書いた文章を読んだが、20年以上前から作業は開始されていたようだし、訳者の東江氏の御逝去という事情もあったりと、本書刊行まで難航したことが窺える。そうした困難を乗り越え、刊行に至り、この大作を読むことができたことに、何はともあれ感謝したい。

     感想は、下巻にて。

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    2020年08月31日
  • 指差す標識の事例 上

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    4章からなるうちの2章までが上巻。1章は医学の描写がキツくて読みにくく、2章は語り手のキャラクターが独りよがりで受け付けない。3章と4章が気になるところだけど、いつかまたゆっくりと読み直すことにして、上巻で終了。
    表紙のデザインは素晴らしい。

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    2023年01月12日
  • 指差す標識の事例 下

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    なかなか読み応えはあった ただ薔薇の名前とかもそうだけど、結構ディープなキリスト教世界の話が主要部分にあるので、僕のような門外漢には、その辺りがちょっとピンとこないかな
    特に英国国教会とローマン・カソリックの確執とかさ、わからんよね
    まあ全体としては良かったけどね
    関係ないけど統一教会はキリスト教の系譜?から外されてるらしいね
    まあそうだろうな

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    2022年09月14日
  • 指差す標識の事例 上

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    何かよくわからんまま読み進める。不勉強で時代背景もよくわからぬまま。それにしても皆言い負かすことしか考えていないし、性格悪そうー。

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    2022年04月27日
  • 指差す標識の事例 下

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    やっと読み終わった。。読み終えるのに読者にかなりの忍耐力を要することになる、と作者が言っていたそうだが正に。「月長石」が類似作に挙げられてるけど、月長石はこういう忍耐は要らなかったな。

    イギリスの歴史や宗教宗派に馴染みがないことも理由かも知れないが、それだけではない。最初の語り手コーラはいいとして、2人目と3人目がまあ何というか好きになれない。何で誰も彼も引っ叩く。。。耐えて読み進め(謎は気になる特にコーラが)、それを乗り越えた先にウッドが居てくれてよかったが、何しろ疲れ切っててちゃんと読めない。ウッドごめんよ。ザーッと読み飛ばして、終わってから読み直しました。

    最後まで意味わからないジョークとか何を含んでいるのか分からないこともあり。

    一つ言えるのはオビに書かれた「薔薇の名前」やましてクリスティとは異種だったということ。
    宗教と歴史知って読むと全然違うんだろうなということ。

    ちょっと疲れた。サラとウッド、コーラは心に残るかな。


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    2022年02月03日
  • 指差す標識の事例 上

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    帯に、「薔薇の名前xアガサ・クリスティ」とあって手にしたのだが、今のところ両者の印象となるようなことはイギリスとイタリアくらい、あるいは殺人と聖職者というくらいか。
    どちらかといえばウィルキー・コリンズの白衣の女とか月長石、バジル、なんかを思い出させる。
    さて、後半はいかに。

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    2021年11月24日
  • 指差す標識の事例 下

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    ネタバレ

    1663年、クロムウェルによる護国卿政後の王政復古時のイングランド、オックスフォードで大学教師が殺害された。その殺害に関する手記が綴られる。

    まず初めにヴェネツィア人医学生の手記が提示され、それに対する反論に近いものが第2(性格の悪い苦学生)、第3(教授であり偏屈な暗号解読者)、第4(歴史学者)の手記が出されていく。

    面白いのは各手記によって翻訳者が変わること。これにより手記それぞれに翻訳された文体がガラッと変わる。

    個人的にはミステリー部分よりも当時の社会風俗を楽しみながら読んだ。医術に占星術を絡めたり、ヴェネツィア人にとって味もマナーも最悪なイギリスの食事、土地の所有と相続の問題、権力争い、そして恋愛。

    人によって「Aはいい人」だったのが違う人物の語りでは「Aは悪い人」になり、人の外面は1つではない、というのも面白かったし、4人の信用できない語り手とこの時代の歴史を感じられたのと、翻訳文が良かったけれど、では作品全体が面白かったかというと、とても微妙。

    俺はすごい、俺は正しいという、マウンティングに次ぐマウンティングと自己正当化、(私が感じるところでは)善い人が一人もいないので、楽しんで読めた、という気はしない。。

    恋愛が入る4人目の手記は別作品のよう…いやでも変わらず陰鬱だなと読み進めていたら、いきなりちょっと少年ジャンプ的な展開になって面喰いました。

    「翻訳ミステリー大賞」と言われると納得はするけれど、人に勧めるかというとどうかなぁ。

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    2021年06月27日